二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

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更なる弱点

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 「……お前絵心なかったんだな」

 「え?」

 ポツリとそう溢したロンに驚き手を止め顔を上げた。
 ロンを見、手元のそれを見るが何故そう言われたのか分からなかった。
 それは思いつきで始めた飴細工。
 出来るかなと思って出来たため色々な形を作っていたのだが、そんな縁の作業を隣で見ていたロンが残念そうにそう言ったのだ。
 自分的には上手くいっていると思っていたのだが、彼から見ればそうでもないらしい。

 「これ………兎に見えませんか?」

 「ウサギはそんなに耳が短くないし、顔も歪みまくってるぞ」

 「…………」

 何故だろう?
 もしかしたらとエルにも見せてみれば、悩みに悩み「いぬ?」と言われた。
 兎だと言えばかなり驚かれ笑われたため脇腹を擽っておいた。
 ならばとロンとエルに作ってもらえば見事な犬と猫を作ってしまった。

 「………じゃあドラゴンと薔薇作って下さい」

 悔しくなり他にも色々お題を出してみたが、難なく作られてしまい文句も言えなかった。

 「アズたちにも作ってあげて下さい」

 抵抗も諦め開き直ると子どもたちのためにも色々作ってもらう。
 自分用にと縁はドラゴンを貰った。

 「ママ見て!ウサギさん!」

 「良かったね。可愛いウサギさんです」

 可愛いと喜ぶ繋の姿に自分が作ったものは見せられなかった。

 「愛依はネコさんですか。真は………えーと本当にそれでいいんですか?」

 「おさかなさん!」

 ロンたちが色々作ってくれる中、何故それを選んだのか?
 カッコいいドラゴンでも、可愛い動物でもなく魚。
 我が子ながら謎である。

 「他にも作れると言ったんだが魚がいいと言ってきかなくてな」

 やはりロンも気を使い言ってくれたらしいが、その意思は揺らがなかったようだ。
 大人たちが心配する中、貰った本人は嬉しそうなのでまぁいいだろ。

 「この薔薇は王女様にでも持っていきましょうか。あとはエリックと宰相様にはどうしましょうかね?」

 「いらないんじゃない?」

 レオナルドなら確かに食べられればそれでいいと言いそうではあるが……

 「折角なので。どんな反応するか見てみたくないですか?」

 「面白半分なのね」

 「思い付きで始めたことですから」

 嫌そうな顔をしながらも仕方なさそうに食べるレオナルドを見てみたいという不純な動機でエルに頼めば、溜め息をつきながらも作ってくれるのだった。





 「で、どうですか?」

 「君は私に何を期待していたんだ?」

 渡した最初こそ嫌そうな顔をしたレオナルドだったが、縁の魂胆に気が付いたのかそれからは特に反応なくそれを食べていた。

 「可愛いでしょ?宰相様に足りないものを補ってみようかと」

 「完全に面白半分の嫌がらせだろ」

 思いの外反応が薄かった。
 王女様とエリックには薔薇。
 そしてレオナルドには小粒でハート型の飴を瓶詰めにして渡したのだ。
 王女様は綺麗だと喜んでくれ、エリックも食べるのが勿体ないと嬉しそうだったが、ハート型の飴を食べるレオナルドの姿にエリックたちは声を殺して笑っていた。

 「私の愛情ですよ。嬉しいですか?」

 「トテモウレシイナ」

 「「あはははははっ」」

 堪えきれず吹き出すエリックたち。
 
 「遊び心ですよ。ではこちらを」

 「…………尚更食べ難いだろ」

 ラックに模した、というか狼姿の飴細工に流石にレオナルドも躊躇った。
 飴を見、隣に座るラックを見て複雑そうだ。
 どうするのかと観察していれば、ラックを暫く見つめた後机の隅に飾っていた。
 
 「可愛がってもらえているようで安心しました」

 模して作ったとはいえ食べるのを躊躇うぐらい可愛がってくれているようで縁としても一安心だ。
 おいでとラックに手を差し出してみれば、レオナルドの顔を見た後彼が頷いたのを確認して側に寄ってきた。
 ちゃんと彼を主人と認めている証拠である。

 「ちゃんとブラッシングしてくれているんですね。昔と違って少し固いですが艶々で気持ちいいです」

 忙しいレオナルドのことなので面倒くさがるとも思ったが、意外にもきちんとしてくれていたらしい。

 「私がしてやれることは少ない。それくらいだが出来ることはする」

 心外だとばかりに言うレオナルドに微笑む。

 「そう思ってくれたことが何より嬉しいです。ラックもそれが分かっているからこそ貴方に寄り添い側にいるんですよ」

 人もそうだが、彼らも相手をきちんと見ている。
 誰でも自分に尽くしてくれる相手には優しく側にいたいと思うだろう。

 「この子は貴方を守る努力を、貴方はこの子を慈しむ努力を。お互いが努力すらからこそ相手もそうしようと頑張れる」

 どちらかだけでは成り立たない。
 信頼とは努力の積み重ねなのだ。

 「時々一緒に寝て上げて下さい。きっと喜んでくれますよ」

 「………分かった」

 良かったねと撫でてやれば嬉しそうに擦り寄ってくるのだった。
 そんな可愛いラックに今日はリルとお昼寝しようと決めた縁であった。
 

 


 
 
 
 
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