二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

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払拭

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 町から戻ってきた縁におかえりと言えば、ただいまと返しながらも手を掴まれた。

 「縁?」

 何も言わず手を引いてくる縁に何かあったのかと心配になったのかと引かれるまま付いていく。
 縁からは珍しく地下に向かう階段を下りていけば、部屋に入るなり抱きしめられた。

 「………縁?」

 普段とは違う反応に戸惑う。
 具合でも悪いのかとも思ったが、聞いても首を振られるため違うのだろう。
 ならば眠いのかとも思ったが、それならこの地下の部屋にアレンと来るはずがない。

 「縁?どうした?」

 言葉もなく、抱きつかれているため顔を見ることもできない。
 名前を呼ぶ度に腕に篭る力は何かまた不安なことでもあるのかもしれないと、アレンからも抱きしめ返してやれば安心したのか肩の力が抜けたような気がした。

 「本当にどうしたんだ?今日は町に行ーー」

 「触って。触って下さいアレン」

 まさかの縁からのお願いにめちゃくちゃ嬉しかったが、珍しいことだけに何でそんなことを言い出したのかと心配になった。

 「アレンがいい。アレンたちじゃなきゃイヤなんです」

 その言い方から大体のことが察せられた。
 帰ってきてからというもの、縁の匂いに混ざって知らぬ匂いがついているなとは思っていた。
 だが町に行くことは聞いていたためそのせいかと思っていたのだが……

 「分かった。分かったから何があったか話してくれ」

 縁が言うならいくらでも抱くのは構わないが、それだけではなく縁の心も自分たちで満たしてやりたかった。
 それからベッドの上で縁を抱きしめてやりながら話しを聞いていたが、彼に触れただろう男を殺してやりたくなった。
 誰の許可を得て触れたのか問い質してやりたい。
 アレンとてジークたちに嫉妬しないわけではない。
 それでも勝手に縁に触れたバカヤロウとは違い殺しも怒りもしないのは、彼らが何より縁を愛し縁を優先しているからだ。
 だからこそ自分が縁に対してしてやれないことを補うためにもジークたちの手を借りている。

 「こうやって縁に触れていいのは俺たちだけだ」
 
 「はい。アレンたちだけ」

 ここまで拒絶を示す縁も珍しいが、それほど不愉快だったのだろう。
 だからこそそれを許された自分たちは何より幸せだ。
 
 「そういえば俺も最初はウザがられてたな」

 「ふふ、ですね。この人なんなんだろうって思った記憶があります」

 懐かしさに縁も微笑みを浮かべる。
 あの時の自分もかなり嫌がられていたなと言えば、しかし笑って見上げてきた表情に目を奪われた。

 「けど嬉しかったですよ。アレンのおかげで寂しさなんて感じませんでした。アレンがいたからきっとセインたちにも出会えた。アレンが私を選んでくれたから今の私がきっとある。ありがとう。私を見つけてくれてありがとう」

 彼を見つけられた過去の自分を褒めてやりたい。
 彼を諦めなかった自分を褒めてやりたい。
 何より自分を選んでくれた縁をもっと幸せにしてやりたい。

 「……縁と出会うために俺は生まれてきたんだろうな」

 「アレンらしくない言葉ですね。けど嬉しい」

 確かにアレンよりセインが言いそうな言葉ではあったが、心からそう思えた。
 この幸運を掴みとれた自分はきっと誰より幸せなのだ。

 「アレンがいて、セインがいて、アズにジーク、エルにルー、ロンにスノー、繋に真と愛依。私には勿体無いくらい大切な人たちがたくさん出来ました」

 縁の家族はアレンにとっても大切な家族である。
 
 「縁だからだ。縁だからみんな付いてきたんだ。縁がいるからみんな幸せなんだ」

 縁が縁だったからこそ今がある。
 セインやジークたちもアレンには大切な家族だが縁と比べることなど出来ない。
 繋や真に愛依にしても縁とどちらを選ぶかと聞かれれば迷いなく縁を選ぶ。
 それほどアレンにとって縁はなくてはならない人であり、全てなのだ。

 「なら、おあいこですね。私もみんながいてくれるから幸せなんですから」

 おあいこ……か。
 なんとも縁らしい言葉だ。
 
 「だからこそ私にこうして触れていいのはアレンたちだけなんです。私を愛してくれる、私を大切にしてくれるアレンたちだけ」

 自分勝手に縁を求め傷付けようとするなど許されることではない。
 痛かったと言っていた箇所を確認してみれば、どれほど強い力で締め付けたのかと言うほど痣になっており、これをつけた男は絶対に許さないと誓った。

 「これは……痛いはずだ。すぐに治してくれ」

 こんなもの我慢して治るのを待つ必要はない。
 すぐに魔法でも何でもいいから治すよう言えば一瞬にして治していた。

 「また同じことがあったら容赦なく相手は沈めろ。この身体に残していいのは俺たちの愛情だけだ」

 痣があった場所に触れると消えろとばかりに口付けを落としていく。
 この美しい身体は自分たち番だけのものなのだ。
 口付け舐めてやれば感じビクビクと揺れ始めた腰に求められるがまま愛情を注いでやるのだった。

 「全て俺のものだ。俺だけで満たしてくれ」
 
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