二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

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ここまで

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 まだ外だと言うのに聞こえてきたふざけた声に皆一瞬足を止めた。

 「だ・か・ら~、オレらが受けてやるっつってんじゃん。けどオレたちもAランクなんだからそんな端金じゃ依頼なんて受けれねぇの」

 「ですがこれが定められた報酬額です。納得いただけないようでしたらお引き取り下さい」

 「そんなこと言って~、オレたちが受けなきゃあと誰が受けんの?Aランクなんて早々いないぜ」

 なんとも頭の悪い話し方である。
 何も言わず中に入って行くジンに縁たちも続く。
 
 「納得出来ないようなら受けていただかなくて結構。私たちも暇じゃないんだ。依頼を受ける気がないなら早々に出て行ってもらおう」

 至極まともなジンの言葉に、しかし頭の悪いのだろう男たちは空気まで読めなかったらしい。
 ニヤニヤと下品としかいいようがない笑みを浮かべる。

 「そんなこと言っていいのかな?オレたちがいなくなったら困んのはそっちだろ?」

 意味が分からずククルに尋ねれば、A.Sランクはその実力から戦力としてもギルドや国からも必要とされているらしい。
 国の防衛や難易度の高い依頼などのため自国に留めておきたいのだろう。

 「けどそのせいで態度がデカくなる連中もいるんです。確かに高ランクは珍しく実力もあるかもしれませんが、あの態度では周りからもよくは思われていないでしょう」

  ククルの説明に納得し、これがジンが言っていた厄介な奴等だったのだと分かった。
 だがジンとてバカではない。
 そんなこと分かった上で帰れと言っているのに男たちには伝わっていないらしい。

 「お爺ちゃん。こういう方達にははっきり言わないと伝わりませんよ。依頼を受ける気もないのにここにいられては迷惑だと。それに実力があると言って贔屓していてはギルドが成り立ちません」

 「ああ?んだとキサマ」

 波風立てぬようとジンたちも気を使っていたのだろうが、ここで折れても男たちは唯々調子にのりまた同じことを繰り返すだけだ。
 ならばその前に過ちを正し、その鼻っ柱をへし折ってくのも手。
 突然会話に割り込んできた縁に男たちが先程までの笑みを消しこちらを睨みつけてくる。

 「そうでしょう?なんのために報酬額が提示されていると思っているんです。そんなに報酬を上げて欲しいのであれば自身で依頼主に交渉するか、依頼内容以上の結果を見せなければ。ないものに余計に金を払えなんてただの詐欺ですよ」

 「ふざけんなっ!誰にもの言ってやがる!」

 貴方たちにですが?
 顔を合わせておきながら全く関係ない人間に話しているのとでも本気で思っているのだろうか?
 バカとは総じて人の話しを聞かな過ぎる。

 「貴方たち以外に言っているように見えるならそれは異常なのでお医者様にかかったほうがいいですよ」

 何故一々誰に言っているか確認しているのか理解に苦しむ。
 怒っているということは自分が言われたのだと分かっているだろうに。

 「そうだね。君たちが何と言おうと私たちが意見を変えることはこの先もない。納得出来ないようであればこのギルドとは言わず、この国から出て行ってもらって私たちは一向に構わないよ。はっきり言っておくが、このギルドにはAランクは他にも存在している。皆協力的だから君たちみたいな人間は必要ないんだよ」

 「っ!~~~もういいっ!お前ら帰るぞ!」

 そう言い帰り際入り口近くにいた縁に手を伸ばしてきたが、それをエルが黙って見ているはずもなく、縁に触れる前に払い落とされていた。
 最後の最後まで迷惑な人間である。

 「言い勝てなかったからと手を出すのは自分を小さく見せますよ」

 縁の忠告に男たちはまだ何やら叫びながらもギルドを後にするのだった。
 しんと静まり返る室内にどうしようかと周りを見渡そうとし、その瞬間温かい何かに抱きしめられた。

 「怪我は!?」

 心配し駆け寄ってきてくれたマーガレットに大丈夫だと返すと、逆に彼女に何ともないかと尋ねれば笑って再び抱きしめられた。

 「私のことを心配するのなんてジンかアンタぐらいだよ。アンタが無事ならよかった。私のためとは分かっているがそう簡単にケンカを売って危ない目には合わないでくれよ」

 確実に男たちには目をつけられただろうが、はっきり言って男たちに負ける気が縁はしてなかった。
 だからこその発言でもあったのが、それを知らないマーガレットたちにはかなり心配をかけてしまった。
 無事でよかったと抱きしめてくれるマーガレットの温かい手に亡くなった母の手を少し思い出した。

 「大丈夫ですよ。それより疲れてお腹は空いてませんか?ギルドも先程の騒ぎで人もいませんし、今日はお昼の時間だけ閉めてみなさんでご飯を食べません?頼んでいた醤油がやっと出来たのでみなさんに食べてもらって味の感想をククルさんに教えて上げて欲しいです」

 「確かに。やはり直に意見をもらえた方が私としても大変助かります」

 ククルからの援護により偶にはいいかと頷いてくれたマーガレットに、縁だけでなくギルド職員全員が手を上げて喜ぶのだった。
 

 



 
 
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