二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

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無礼講

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 「うまっ!」 
 「なにこれ美味しい!」
 「めちゃくちゃ美味いっす」

 それぞれが驚きながらもその美味しさに手が止まらない。
 当初はマーガレットたちとだけ食べようと思ったのだが、色々あり大人数になったため準備に時間はかけられないと焼き肉にすることにしたのだ。
 あまり広くはないがギルドの裏庭を借り、焼く準備をお願いすると皆大喜びで手伝ってくれた。
 その間に縁は焼き肉に最も必要となるタレを作っていたのだ。
 大体の材料は分かっていたが、分量は分からなかったためエルやククルと味を調整しながら完成させた。
 皆の喜ぶ姿にククルも大満足のようであり、どうせならこのタレも売り出そうと楽しそうだった。

 「お疲れ様です。ここは代わりますので貴方も食べてきて下さい」

 「え?いや、あの、そんな…これはオレの仕事なので」

 皿など世話係に徹していた獣人の男性に代わると言ったが、まさかそんなこと言われると思っていなかったのかかなり驚かれオロオロしていた。

 「なら食べ終わったらまた代わって下さい。こういうのは焼き立てが一番ですから。仲間の方と一緒に味わってきて下さい」

 縁が言いたいことが分かったのかエルも他の獣人たちにと代わってくれた。

 「少し休憩するだけですよ。ここに座って。はいどうぞ」

 それでも戸惑う彼らに山盛りの焼いた肉の皿とタレを渡す。
 
 「人それぞれ好みはありますがご飯を食べなければ誰もが動けなくなるでしょう?食べられる時に食べるのも大切ですよ」

 「そうだね。代わるのは後でいいから先に食べな」

 マーガレットの言葉で漸く彼らも頷くと獣人仲間と食べ始めた。
 最初こそ不安そうだったが、食べている内に笑顔も見え始め良かったと胸を撫で下ろす。

 「すまないね」

 いきなり謝られ何のことかと首を傾げる。
 そんな縁に苦笑いすると主人である自分たちが言ってやらねばならなかったのに気をつかわせたと謝られた。

 「いえ、私こそすいません。確かに彼らの主人はお婆ちゃんなんですから先に確認を取るべきでした」

 いくらこうした方がいいと縁が言ったところで彼らの雇い主であり主人はマーガレットなのだ。
 それを確認も取らずいいからと彼らの仕事を奪った縁の方が悪い。

 「いや、以前アンタに言われて自分でも考えてみたんだがやっぱりまだ行動に移すのは難しいね」

 「そう考えてくれていると分かっただけでも彼らは喜ぶと思いますよ。少しずつでいいんです。出来ることだけでいいんです。無理をして続かないより、それだけだと思えることでもいいから続けていくことが大切で彼らもきっと喜びます」

 いきなり接し方を大袈裟に変えたところで彼らも不安にしかならないだろう。
 それが続かず元に戻れば尚更不信感が募る。
 ならば少しでいい。少しでいいから彼らという存在を認めて欲しかった。

 「それに美味しいものは大勢で食べた方がもっと美味しいでしょ?」

 人間も、獣人も、魔族であるエルだって縁と同じご飯を食べ美味しいと言ってくれる。
 分かち合うことが出来るならば分かち合っていきたい。
 
 「ククルさんとエルと一緒に作ったんです。お婆ちゃんも食べてみて下さい」

 材料を混ぜ合わせただけで作ったとは言えないかもしれないが美味しいと食べてくれたら嬉しい。
 盛り付けた皿にタレをかけて渡せば美味しいよと微笑んでくれた。

 「味付けを変えるだけでも美味しいでしょ?塩や胡椒もいいですがタレもいいですよね」

 今回は人数もあり焼き肉にしたが、簡単にするならば炒め物でも美味しく時間がないならば漬けておくのもいいと言えばククルが目を輝かせていた。

 「初めて食べたけど美味しいね。これなら子どもも喜びそうだ」

 「お爺ちゃんも食べました?美味しかったならよかったです」

 皿を持ちながら寄ってきたジンにおかわりを差し出せば喜んで受け取ってくれる。
 
 「今日はありがとう。みんな喜んでくれてるよ。それはもう怖いほどね」

 焼けた端から肉を奪っていく職員たちには苦笑いしかない。
 その隣ではククルがこれまた楽しそうに味の感想を聞いて回っていた。
 なんとも言えない光景だったが本人たちが楽しんでいるならばいいかと放っておくことした。

 「こういうのも偶にはいいね。今度する時は繋も連れてきな」

 「そうします。すごく喜びそうです」

 今回ギルドに来る予定はなかったためおいてきたがこれなら行きたいと言うことだろう。
 ならば他にランたちも呼ぼうと話し合っていれば、食べ終えた先程の獣人たちが代わってくれた。

 「あの……ありがとうございました。その、すごくうまかったです」

 「こちらこそ喜んでもらえたようで良かったです。また今度一緒に食べましょうね」

 ぎこちないながら礼を言われ微笑めば、照れたように彼らも笑って頷いてくれるのだった。
 
 「エニシお腹空いた」

 「はいはい。エルも一緒に食べましょ」

 あの中に入っていくのは大変そうだなと思っていれば、何故か縁たちが皿を持って近づいていった瞬間サッと場所を開けてくれるのだった。

 「すごいね。どんな魔法?」

 「いや、使ってませんからね」

 今回提案した縁に対しての感謝の意だと思うが、折角なので礼を言うとエルと共に肉を味わうのだった。
 
 




 





 
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