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狩りも無事終わり、では帰ろうかと皆で歩いていたのだが……
「鶏肉だけでよかったんですけどリルたちのおかげでたくさんとれたのでみなさんにお裾分けしまーーわっ!」
「大丈夫か!?」
隣を歩いていたアレンを振り返った途端足下の石に蹴躓いてしまい転びそうになったところを咄嗟に腕を掴まれ助けられた。
おかげで膝をつくこともなく怪我もないと心配顔のアレンたちに笑うと、こんなところにあっては危ないと石をどかそうし手が止まった。
「縁?」
「ひっ」
それを見た瞬間悲鳴を上げ即座にアレンの背に身を隠す。
そんな今まで見たことがない縁の反応に皆が首を傾げていた。
「「ママ?」」
「縁?」
「どうしたのだ?」
一体どうしたのかとアレンが振り返ろうとしたが、そんな恐ろしいことするなとばかりに腰に腕を回し背に張り付く。
敵に背を向けるなどそんな危険なこと許されない!
「おい縁?本当にどうした?これじゃ動けないぞ」
「カ、カカカカカカエ、カエッーー」
「「かえ?」」
「カエルッ!!」
「「「「…………かえる?」」」」
ムリムリムリ!本当にムリ!
掴む前に気付けたことは幸運だったが、今度はヤツがいつ動き出しこちらに向かってくるか分からず恐怖でしかない。
「もしかしてだが…………其方カエル如きが苦手なのか?」
「如き!?カエルですよ!カエル!」
何故そんなに落ち着いていられるだと呆れたような顔をするリルに叫ぶ。
ヤツらは如きなどと言えるような生優しい生き物ではない!
「「ママかえるさんきらい?」」
「ひっ、ダメダメダメ。ダメです。2人とも絶対触っちゃダメですからね!」
「「?、はーい」」
怖くないよとばかりにヤツに触れようとした双子を必死に引き留める。
ダメダメダメ。ムリムリムリ。そんなもの触らないで!
「我がどこかにやってくるか?」
あまりの縁の怯えようにリルがヤツをどこぞにやろうとしてくれたが、それは即ちリルがヤツを咥えるということであり、そんなおぞましいことしてほしくない。
したが最後暫くはリルに近づけなってしまう。
今にも泣き出しそうな顔でブンブンと首を振れば、ではどうするのだと溜息をつかれた。
「ア、アレン……抱っこ」
「はいはい」
子どもの前で何とも情けない姿だがアレンに抱き抱えてもらいヤツから離れる。
その間もヤツが動き出さないかと目は離さない。
恐怖で抱き付く腕に力がこもってしまい申し訳なかったが、逆にアレンはそれが嬉しいとばかりに楽しそうに笑っていた。
「まぁ可愛い見た目じゃないけど何がダメなんだ?」
「全部」
「…………」
あの色も、形も、質感も、全てにおいて受け付けない。
「昔……小さい頃ですけど今みたいに石だと思って掴んでしまったことがあったんです。そしたらーーー」
「そしたら?」
「驚いて後ろにひっくり返ったところを宙を舞ったヤツが顔面に張り付いてきてあまりの気持ち悪さに気絶しました。あの時の感触といったら………」
思い出しただけで全身鳥肌が立つ。
あの時は大きさもそれなりにあり、雨が降っていたこともあってすぐにカエルだと気付かず掴んでしまったのだ。
あのザラザラとした皮にブヨブヨとした感触が何とも言えない。
あれからというもの大きさにかかわらずカエル全てがダメになった。
「それは……俺もいやだな」
分かってくれようで何より。
手で掴むことが出来る人であっても一度顔面で受け止めてみればそれも無理になるだろう。
ヤツが見えなくてなっても安心することが出来ず、申し訳ないが家まで抱えて運んでもらうのだった。
「ママ!おかえりな…さ、い?」
待ってましたとばかりに出迎えてくれた繋だが、抱きつこうとしたママが何故か抱えられていることに気付き首を傾げている。
追ってきたセインもどうしたのかと驚いていた。
「まぁ色々あってな」
情けないが苦手なカエルに遭遇し家まで抱えて運んでもらったと言えば苦笑いしながらも無事で良かったと言われた。
「にしても縁にも苦手なものなんてあったんだな」
「そりゃあありますよ。逆にない方がおかしくないですか?」
そんな完璧人間今まで見たことがないと言えば、それもそうかと頷かれた。
「ほら繋、ママも苦手なことがあるみたいだが嫌いになるか?」
「ううん。ケイ、ママだいすき」
「そうだな。ならもう出来ないからって気にするな」
「うん!」
何のことか分からなかったが、ご機嫌な繋の様子に呆れられていないようだとそっと胸を撫で下ろすのだった。
カエルがダメなんてカッコ悪いと言われたらかなり傷付く。
「なので申し訳ないですがみんなカエルを見ても触らないように。もし触ったら私は暫くその人には近付けな……いえ、近付きませんので」
「「え」」
「「「はーい」」」
素直にお返事する子どもたちとは別に、大人たちは絶対触らないでおこうと心に刻みつけるのだった。
縁に触れられないなど彼らにとっては死に近い。
「リルもですよ」
「分かった分かった」
言ったからには彼も約束を破りはしないだろう。
これで一安心と思ったが、その夜見た夢は巨大なカエルに押し潰されるという悪夢だった。
翌朝目覚めが悪かったのは言うまでもない。
「鶏肉だけでよかったんですけどリルたちのおかげでたくさんとれたのでみなさんにお裾分けしまーーわっ!」
「大丈夫か!?」
隣を歩いていたアレンを振り返った途端足下の石に蹴躓いてしまい転びそうになったところを咄嗟に腕を掴まれ助けられた。
おかげで膝をつくこともなく怪我もないと心配顔のアレンたちに笑うと、こんなところにあっては危ないと石をどかそうし手が止まった。
「縁?」
「ひっ」
それを見た瞬間悲鳴を上げ即座にアレンの背に身を隠す。
そんな今まで見たことがない縁の反応に皆が首を傾げていた。
「「ママ?」」
「縁?」
「どうしたのだ?」
一体どうしたのかとアレンが振り返ろうとしたが、そんな恐ろしいことするなとばかりに腰に腕を回し背に張り付く。
敵に背を向けるなどそんな危険なこと許されない!
「おい縁?本当にどうした?これじゃ動けないぞ」
「カ、カカカカカカエ、カエッーー」
「「かえ?」」
「カエルッ!!」
「「「「…………かえる?」」」」
ムリムリムリ!本当にムリ!
掴む前に気付けたことは幸運だったが、今度はヤツがいつ動き出しこちらに向かってくるか分からず恐怖でしかない。
「もしかしてだが…………其方カエル如きが苦手なのか?」
「如き!?カエルですよ!カエル!」
何故そんなに落ち着いていられるだと呆れたような顔をするリルに叫ぶ。
ヤツらは如きなどと言えるような生優しい生き物ではない!
「「ママかえるさんきらい?」」
「ひっ、ダメダメダメ。ダメです。2人とも絶対触っちゃダメですからね!」
「「?、はーい」」
怖くないよとばかりにヤツに触れようとした双子を必死に引き留める。
ダメダメダメ。ムリムリムリ。そんなもの触らないで!
「我がどこかにやってくるか?」
あまりの縁の怯えようにリルがヤツをどこぞにやろうとしてくれたが、それは即ちリルがヤツを咥えるということであり、そんなおぞましいことしてほしくない。
したが最後暫くはリルに近づけなってしまう。
今にも泣き出しそうな顔でブンブンと首を振れば、ではどうするのだと溜息をつかれた。
「ア、アレン……抱っこ」
「はいはい」
子どもの前で何とも情けない姿だがアレンに抱き抱えてもらいヤツから離れる。
その間もヤツが動き出さないかと目は離さない。
恐怖で抱き付く腕に力がこもってしまい申し訳なかったが、逆にアレンはそれが嬉しいとばかりに楽しそうに笑っていた。
「まぁ可愛い見た目じゃないけど何がダメなんだ?」
「全部」
「…………」
あの色も、形も、質感も、全てにおいて受け付けない。
「昔……小さい頃ですけど今みたいに石だと思って掴んでしまったことがあったんです。そしたらーーー」
「そしたら?」
「驚いて後ろにひっくり返ったところを宙を舞ったヤツが顔面に張り付いてきてあまりの気持ち悪さに気絶しました。あの時の感触といったら………」
思い出しただけで全身鳥肌が立つ。
あの時は大きさもそれなりにあり、雨が降っていたこともあってすぐにカエルだと気付かず掴んでしまったのだ。
あのザラザラとした皮にブヨブヨとした感触が何とも言えない。
あれからというもの大きさにかかわらずカエル全てがダメになった。
「それは……俺もいやだな」
分かってくれようで何より。
手で掴むことが出来る人であっても一度顔面で受け止めてみればそれも無理になるだろう。
ヤツが見えなくてなっても安心することが出来ず、申し訳ないが家まで抱えて運んでもらうのだった。
「ママ!おかえりな…さ、い?」
待ってましたとばかりに出迎えてくれた繋だが、抱きつこうとしたママが何故か抱えられていることに気付き首を傾げている。
追ってきたセインもどうしたのかと驚いていた。
「まぁ色々あってな」
情けないが苦手なカエルに遭遇し家まで抱えて運んでもらったと言えば苦笑いしながらも無事で良かったと言われた。
「にしても縁にも苦手なものなんてあったんだな」
「そりゃあありますよ。逆にない方がおかしくないですか?」
そんな完璧人間今まで見たことがないと言えば、それもそうかと頷かれた。
「ほら繋、ママも苦手なことがあるみたいだが嫌いになるか?」
「ううん。ケイ、ママだいすき」
「そうだな。ならもう出来ないからって気にするな」
「うん!」
何のことか分からなかったが、ご機嫌な繋の様子に呆れられていないようだとそっと胸を撫で下ろすのだった。
カエルがダメなんてカッコ悪いと言われたらかなり傷付く。
「なので申し訳ないですがみんなカエルを見ても触らないように。もし触ったら私は暫くその人には近付けな……いえ、近付きませんので」
「「え」」
「「「はーい」」」
素直にお返事する子どもたちとは別に、大人たちは絶対触らないでおこうと心に刻みつけるのだった。
縁に触れられないなど彼らにとっては死に近い。
「リルもですよ」
「分かった分かった」
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