二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

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嬉しいですが……

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 「さ、3人とも…そろそろ下りてもらえるとママは嬉しいんですけど……」

 「「「なんで?」」」

 なんでときたか。
 不思議そうに首を傾げる我が子たちは可愛いが、縁の身体はそろそろ限界を向かえつつある。
 下を見れば真と愛依が縁の両足に、後ろを見れば繋が背中におぶさっており、腕にはまだ幼い玲を抱え、肩にはスノーとカイが鎮座している。
 重い。重過ぎる。
 1人ずつの体重はそれほどではなく、スノーもカイも小さくはなっているが、それでも人数的不利は否めない。
 縁も男のため子どもたちを張り付けたまま歩けないというわけではないが、明らかに歩みは遅くなり体力の消費も激しく若干膝が笑っている。

 「ママはパパたちみたいに力がないんですよ。それにこうして歩くよりママはみんなと手を繋いで歩きたいです」

 スノーとカイはいいとして、子ども4人は流石にキツい。

 「「「…………」」」

 そんな縁の言葉に子どもたちは数分顔を見合わせるとスルスルと縁の上から下りていった。
 ついでと言ってはなんだが玲もアレンにお願いすることにした。
 少し寒いねと言っただけでこうなるとは誰が予想出来ただろうか。
 軽くなった身体に一瞬よろけたが、自由になった手足に開放感を感じた。

 「「「ママ、て」」」

 「あ~」

 言葉通り手を差し出してくる子どもたちだが、残念かな縁に手は2本しかない。
 どうしようかと迷っていれば……

 「ケイはぼくとつなごう?」

 「アズにぃと?うーん、いいよ!」

 「いいじゃん、いいじゃん。繋、オレとも繋いで?」

 「えへへ。いいよ!」

 明らかに困っていた縁を気遣いアズとエルが繋と手を繋いでくれた。
 優しい2人に礼を言うと未だ手を差し出したままだった双子の手を握る。

 「さっ、進みましょうか。足下に注意して下さいね」

 そう、縁たちは未だダンジョンの中におり奥へ奥へと誘われるがまま前に進んでいたのだ。
 周りは岩に囲われており時間経過をあまり感じられないが、すでに一晩は経っておりダンジョンに入ってからこれで2日目になる。
 依頼はすでに完遂しており、ならば帰っても問題なかったのだが帰ろうと言った途端子どもたちに反対されたのだ。
 もっと探検したいと。
 急ぎの用もなく、食料なども鞄には詰め込まれていたのでまぁいいかと縁も頷いた。

 「ならこのまま奥まで行ってみっか。もしかしたら攻略出来るかもしれねぇぞ」

 「…………攻略?何か謎解きでもあるんですか?」

 縁の中で攻略と言われ思い付くのは謎解きか勉強しかなかった。

 「「「…………」」」

 「お主は無知過ぎではないか?」

 もしや何か難しいお題でも出されるのかと不安になっていれば、番3人に溜め息をつかれ、リルには呆れたように言われた。
 言い返しようがないため素直に謝れば、縁だしなで納得された。解せぬ。
 
 「まぁ要は階の最後の最後まで行き着くことだ。所々に強いヤツはいるみてぇだが全部倒せば良いものが手に入る………はずだ」

 多少の知識はあれどジークもそれを見たことはないらしく宣言は出来ないらしい。
 だが良いものと言われ心が躍った。
 物語りでいう金銀財宝だろうか?強い剣や装備だろうか?
 もういい歳ではあるが子どもの頃母に読んでもらった絵本を思い出した。

 「…………でも私あんまりそこら辺の運が良くないんですけど出てくれますかね?」

 ふと浮かんだ疑問にジークを見る。
 醤油などの調味料は縁的には当たりではあったが冒険者としてはハズレである。
 タオルなどの粗品にしか見えなかった数々も役には立ったが冒険者としては……うん。
 
 「「「「…………」」」」

 皆が一斉に顔を逸らす。沈黙が答えなのだろう。
 
 「リル」

 「た、宝とは人それぞれだからな!其方が喜べばそれが宝と…その…言えるのではないか?」

 明らかに気遣いが見える言葉に苦笑いする。
 これほどフェンリルを困らせたのは自分が初めてではないだろうか。

 「まぁ一般的な宝にあまり魅力は感じないのは確かですね。それより美味しいものをみんなで一緒に食べたいです」

 勿論お金はあるに越したことはなく、剣など憧れはするが縁が持っていても宝の持ち腐れである。
 ならば家族みんなで美味しく味わえるものがいい。

 「ケイも!」
 「アイも!」
 「シンも」

 賛成!とばかりに手を上げる子どもたちに微笑む。
 スノーとカイも頬に擦り寄ってきたため賛成なのだろう。

 「そうだ。今日は翔もみんなでご飯………ロン、それって前見えてるんですか?」

 「そう見えてるならお前は医者にかかった方がいい」

 振り返って目に入ったのはロンの顔面に張り付く翔の姿。
 何がどうしてそうなったのか分からないがピルピル震えていることから何かに怯えているようだ。

 「さっき頭に水滴が落ちてきてびっくりしたみたい」

 苦笑いしながらもそう教えてくれたルーは前が見えないロンのために手を引いていることから翔が離れなかったのだろう。
 
 「ねぇ、やっばりドラゴンじゃないんじゃない?」

 あまりに弱気なドラゴンの姿にやはりルーは犬だったのではとエルは疑いをかけるのだった。
 
 


 
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