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マズいかもしれない……
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子どもたちと一緒にお茶をしていると、ふと気が付いた。
「エル……私はとても不味いことに気が付いてしまったかもしれません」
「え?何?」
同じく隣りでお茶に付き合ってくれていたエルがどうしたのかと尋ねてくる。
どうしよう。いや、どうしようもない。どうしようもないのだが………
「お婆ちゃんたちに玲を見せに行くの忘れてました」
「……………………………あっ」
エルも忘れていたのだろう。数分じっくり考え、そういえばそうだったと顔を青褪める。
出産時に縁が体調を崩してしまったこと、育児にサウルたちの様子見など色々やるべきことに追われていたこともあり、報告に行くのをすっかり忘れてしまっていたのだ。
「いや、もうここまできたら忘れた頃に挨拶に行ったほうがーー」
「あの2人がエニシのことで忘れることがあると思ってんの?」
「……………」
思わない。だが時には現実から目を背けたくなることも人にはあるのだ。
あの2人のことだ、きっと今か今かと待ってくれているだろう。
でも、いや、だからこそ「すっかり忘れてました。すいませ~ん」と会いに行くのは気が引ける。
悪いのは自分なのだが。
「ここは1つ、秘密兵器を投入しましょう」
「は?」
彼らが怒るとは縁も思ってはいない。
ただずっと心配していたと悲しませてしまったのは申し訳なく、ならばそれを埋めるためにも最大効力があるだろう我が娘(繋)を連れて行くのだった。
勿論エルも道連れだ。
「……お、お久しぶりです」
「本当に、久しぶりだね」
少々冷や汗をかきながらも、勇気を出し会いに来た。
ともすればギルドに入ろうとした瞬間腕を掴まれ部屋まで連れていかれ、だが相手がジンだと分かったため抵抗も出来ず大人しく挨拶する。
「ずっとね、待ってたんだ。いつもならそう時間を置かず会いに来てくれていたからね。だから待ってたんだ。次は男の子かな?女の子かな?ってマーガレットと一緒に話しながら。待ってたんだ」
い、今すぐ逃げ出したい。
待っていたと繰り返し言われる度に、申し訳なさに精神がゴリゴリと削られていく。
見れば隣りでも縁と同じくエルが青褪めている。
「じーじ、ママいじめちゃダメよ」
救世主(繋)が現れた!
「いっ、いじめてなんかないよ!た、ただ会えなくて寂しかったって言ってただけだから。じーじも繋ちゃんにずっと会いたかったんだよ」
繋の言葉に嫌われては敵わないと慌てて否定すると、久しぶりだねと繋を抱っこしていた。
「……………遅くなってすいませんでした」
「アンタが無事ならそれでいいさ。けど連絡ぐらいしておくれ。何も音沙汰がないから何かあったんじゃないかって心配してたんだよ」
安心したとホッとしたように抱きしめてくるマーガレットに、本当に自分は何をしていたんだと反省した。
「今回は女の子でした。あと、やっと人型が安定してきたのでこの子も連れて来ました」
腕の中の玲を見せると、背後でルーによって抱えられていた翔も紹介する。
安全も兼ね、人間の姿をとれるまで連れてくることが出来なかったのだ。
「ギャウウ……」
「あれ?翔どうしました?」
怯えたようにルーに張り付く翔の姿に首を傾げる。
今のところ人見知りする様子は見られなかったのだが、明らかにマーガレットたちを見た瞬間元気がなくなった。
「まだ子どもだからね。たぶん本能的に今の自分じゃ勝てない相手だって分かって怖がってるんだよ」
そう言い怯える翔の頭を撫でてやるルーに、そういえば彼女たちは元冒険者だったと今更思い出した。
なら私らは離れてるよと苦笑いし離れていこうとするマーガレットの手を掴む。
「翔、大丈夫です。お婆ちゃんは翔のこと傷付けたりしません。ママのことも、繋お姉ちゃんのことも大切にしてくれてます。翔のためにって服も靴もいっぱい買ってくれました。可愛い翔にも早く会いたいってずっと言ってくれてたんですよ」
「……………」
本能的なものは仕方がない。
だが今すぐには伝わらずとも、マーガレットたちが翔にとって恐れる対象ではないということを伝えておきたかった。
「ショウ、ばーばいい子よ。ケイ、ばーば大すき!」
ジンと遊び終わったのか駆け寄ってきた繋がマーガレットに抱き付くと、彼女も笑って繋を抱き抱えてくれた。
繋またお姉ちゃんになったのと笑顔で報告する繋に、それは良かったねとマーガレットとジンが笑っている。
ルーを手招くと翔の小さな手を掴み、そっとマーガレットの腕に触れさせた。
「この人は翔のばーばです。繋の、ママのばーばです。優しい優しいばーばです。翔にいたいいたいはしません」
彼女たちが縁を大切に想ってくれているのは知っている。
繋のこともそうであり、ルーに似ているからと翔のことを邪険にするような人たちではない。
時間がかかろうとも少しで良いからそれを理解してほしいと願うのだった。
「エル……私はとても不味いことに気が付いてしまったかもしれません」
「え?何?」
同じく隣りでお茶に付き合ってくれていたエルがどうしたのかと尋ねてくる。
どうしよう。いや、どうしようもない。どうしようもないのだが………
「お婆ちゃんたちに玲を見せに行くの忘れてました」
「……………………………あっ」
エルも忘れていたのだろう。数分じっくり考え、そういえばそうだったと顔を青褪める。
出産時に縁が体調を崩してしまったこと、育児にサウルたちの様子見など色々やるべきことに追われていたこともあり、報告に行くのをすっかり忘れてしまっていたのだ。
「いや、もうここまできたら忘れた頃に挨拶に行ったほうがーー」
「あの2人がエニシのことで忘れることがあると思ってんの?」
「……………」
思わない。だが時には現実から目を背けたくなることも人にはあるのだ。
あの2人のことだ、きっと今か今かと待ってくれているだろう。
でも、いや、だからこそ「すっかり忘れてました。すいませ~ん」と会いに行くのは気が引ける。
悪いのは自分なのだが。
「ここは1つ、秘密兵器を投入しましょう」
「は?」
彼らが怒るとは縁も思ってはいない。
ただずっと心配していたと悲しませてしまったのは申し訳なく、ならばそれを埋めるためにも最大効力があるだろう我が娘(繋)を連れて行くのだった。
勿論エルも道連れだ。
「……お、お久しぶりです」
「本当に、久しぶりだね」
少々冷や汗をかきながらも、勇気を出し会いに来た。
ともすればギルドに入ろうとした瞬間腕を掴まれ部屋まで連れていかれ、だが相手がジンだと分かったため抵抗も出来ず大人しく挨拶する。
「ずっとね、待ってたんだ。いつもならそう時間を置かず会いに来てくれていたからね。だから待ってたんだ。次は男の子かな?女の子かな?ってマーガレットと一緒に話しながら。待ってたんだ」
い、今すぐ逃げ出したい。
待っていたと繰り返し言われる度に、申し訳なさに精神がゴリゴリと削られていく。
見れば隣りでも縁と同じくエルが青褪めている。
「じーじ、ママいじめちゃダメよ」
救世主(繋)が現れた!
「いっ、いじめてなんかないよ!た、ただ会えなくて寂しかったって言ってただけだから。じーじも繋ちゃんにずっと会いたかったんだよ」
繋の言葉に嫌われては敵わないと慌てて否定すると、久しぶりだねと繋を抱っこしていた。
「……………遅くなってすいませんでした」
「アンタが無事ならそれでいいさ。けど連絡ぐらいしておくれ。何も音沙汰がないから何かあったんじゃないかって心配してたんだよ」
安心したとホッとしたように抱きしめてくるマーガレットに、本当に自分は何をしていたんだと反省した。
「今回は女の子でした。あと、やっと人型が安定してきたのでこの子も連れて来ました」
腕の中の玲を見せると、背後でルーによって抱えられていた翔も紹介する。
安全も兼ね、人間の姿をとれるまで連れてくることが出来なかったのだ。
「ギャウウ……」
「あれ?翔どうしました?」
怯えたようにルーに張り付く翔の姿に首を傾げる。
今のところ人見知りする様子は見られなかったのだが、明らかにマーガレットたちを見た瞬間元気がなくなった。
「まだ子どもだからね。たぶん本能的に今の自分じゃ勝てない相手だって分かって怖がってるんだよ」
そう言い怯える翔の頭を撫でてやるルーに、そういえば彼女たちは元冒険者だったと今更思い出した。
なら私らは離れてるよと苦笑いし離れていこうとするマーガレットの手を掴む。
「翔、大丈夫です。お婆ちゃんは翔のこと傷付けたりしません。ママのことも、繋お姉ちゃんのことも大切にしてくれてます。翔のためにって服も靴もいっぱい買ってくれました。可愛い翔にも早く会いたいってずっと言ってくれてたんですよ」
「……………」
本能的なものは仕方がない。
だが今すぐには伝わらずとも、マーガレットたちが翔にとって恐れる対象ではないということを伝えておきたかった。
「ショウ、ばーばいい子よ。ケイ、ばーば大すき!」
ジンと遊び終わったのか駆け寄ってきた繋がマーガレットに抱き付くと、彼女も笑って繋を抱き抱えてくれた。
繋またお姉ちゃんになったのと笑顔で報告する繋に、それは良かったねとマーガレットとジンが笑っている。
ルーを手招くと翔の小さな手を掴み、そっとマーガレットの腕に触れさせた。
「この人は翔のばーばです。繋の、ママのばーばです。優しい優しいばーばです。翔にいたいいたいはしません」
彼女たちが縁を大切に想ってくれているのは知っている。
繋のこともそうであり、ルーに似ているからと翔のことを邪険にするような人たちではない。
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