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そうですね
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起き出すだろうことは予想していたため、腕に抱き抱えながらもベッドへ寝かせることはしなかった。
暗い部屋の中、窓から差し込む月の光りを見つめながら昔を懐かしむ。
「…………起きちゃいました?」
ピクリと揺れた頭に、出来れば起きないでと撫でてみたが見上げるようにこちらを見た瞳に微笑む。
何かを探すように周りを見る姿は昔の自分もやっていたことだ。
「まだ外は暗いですから寝てていいですよ」
「………」
無理だろうとは分かっていたが、もう少し寝ていなさいと背を撫で促すが、やはりというか首を振る少女に苦笑いする。
「なら……少しお散歩しましょうか」
起き抜けで身体が辛いだろうと抱き抱えたまま部屋を出ると、ゆっくりと廊下を歩いていく。
昼間の冒険者たちがわいわいするギルドも、真夜中の今はシンと静まり返り少し寂しく感じる。
安心させるように頭を撫でてやりつつ、時々名前を呼んでやる。
「ここはね、ヨナちゃんのママたちを見つけてくれた人たちが働いている所なんですよ」
彼女を心配し、何か力になれればと部屋を貸してくれた。
本当はもっと手を貸したいのだろうが、何をしたらいいか分からず戸惑っているようだ。
「ママたちを寝かせてあげられるように用意もしてくれました」
職員の知り合いとは言え、他人にもかかわらずマーガレットたちは動いてくれた。
縁の頼みも嫌な顔1つせず聞いてくれ、今も心配なのか起きて部屋にいるらしく、灯りも漏れる部屋が1つだけあった。
「お婆ちゃん入っていいですか?」
「…………やっぱり起きてたのかい。いいよ、入ってきな」
寝ている可能性も考え小声で声をかけたが、案の定返ってきた声に良かったと少しお邪魔することにした。
「眠れないのかい?」
「さっきまで寝てたんですけど、ちょっと目が覚めちゃったみたいです」
ね?と微笑みかければ、マーガレットたちの存在に戸惑いながらも小さく頷いた。
「眠れないので少し散歩をしていたんですけど、マーガレットさんたちも無理せずきちんと休んで下さいよ」
あやれやこと世話を焼いてくれたマーガレットたちに早く休んでほしいと伝えたが、首を振り、仕事が残っているからと聞いてくれない。
「なら少し休憩しませんか?」
お茶をしようと誘えば、待ってましたとばかりに突如として現れたジンがさっとカップを差し出してきた。
………いつから用意していたのか。
「ヨナちゃんにはミルクにしたよ。飲めるかい?」
目の前のカップにキョトンとしていたが縁の方を見上げると、数秒黙り込みカップを受け取っていた。
縁が何も言わないことから大丈夫だと判断したらしい。
「ヨナちゃんにあげた袋、このお爺ちゃんが作ってくれたんですよ。すごいでしょ?おじさんは縫い物が下手なので無理でした」
「……アンタがおじさんなんて言うと違和感があるね」
「そうですか?私だってもういい歳ですよ」
子が成長すると共に縁だって日々成長していくのだ。
子どもたちのためにも少しでも長生きしたいが、悲しいかな時間は止まってくれない。
「私たちの中では君は出会った時の歳のままだからね。それに見た目だって変わらないじゃないか」
「そんなはずは………」
ある、かもしれない。
年々エルとの身長差は開いていき、アズにしてももうすぐ縁の肩程までになっている。
悔しいので口にはしないが、時々ズルイとエルに擽り攻撃を仕掛けている。
元々肉が付きにくいのか、一向に体重が増えることも筋肉がつく気配もない。
これはむしろ何か呪いでもかかっているのではと最近は疑っている。
「アンタはそのままでいいよ。ゴツいバカ共は毎日イヤでも目に入ってくるからね」
「ゴツい……」
胸元を見る。
数秒考え顔を上げれば、さっと顔を逸らされた2人にきっと協力は見込めないだろうと悟った。
「ヨナちゃん、明日は一緒にお肉を食べましょうか」
「?」
突然のことに首を傾げていたが、分かったとばかりに頷く頭を撫でてやる。
これで味方?仲間?が出来た。
「お婆ちゃんたちも一緒に食べましょ?」
「いいーー」
「いいね、いいね!何か他に必要なものはあるかい?」
賛成だとマーガレットが答える前にジンがいいねと食い気味に頷いてきた。
「お腹空いているんですか?」
あまりの勢いにまさかお腹が空いているのかと思ったのだが、久しぶりに一緒に縁の料理が食べられることを喜んでくれたらしい。
喜んでもらえるのは嬉しいが、そこまで凝った料理を彼らに作ったことはないため少々申し訳なくなった。
「それならアイツも呼んでやりな」
「アイツ?」
マーガレットが態々誰かを呼ぶのは珍しいなと思っていれば……
「ククルだよ。忘れてたが、アンタが来たら連絡してくれって言われてたんだ」
そういえばその後の話しを聞いていなかったなと今更思い出した縁であった。
暗い部屋の中、窓から差し込む月の光りを見つめながら昔を懐かしむ。
「…………起きちゃいました?」
ピクリと揺れた頭に、出来れば起きないでと撫でてみたが見上げるようにこちらを見た瞳に微笑む。
何かを探すように周りを見る姿は昔の自分もやっていたことだ。
「まだ外は暗いですから寝てていいですよ」
「………」
無理だろうとは分かっていたが、もう少し寝ていなさいと背を撫で促すが、やはりというか首を振る少女に苦笑いする。
「なら……少しお散歩しましょうか」
起き抜けで身体が辛いだろうと抱き抱えたまま部屋を出ると、ゆっくりと廊下を歩いていく。
昼間の冒険者たちがわいわいするギルドも、真夜中の今はシンと静まり返り少し寂しく感じる。
安心させるように頭を撫でてやりつつ、時々名前を呼んでやる。
「ここはね、ヨナちゃんのママたちを見つけてくれた人たちが働いている所なんですよ」
彼女を心配し、何か力になれればと部屋を貸してくれた。
本当はもっと手を貸したいのだろうが、何をしたらいいか分からず戸惑っているようだ。
「ママたちを寝かせてあげられるように用意もしてくれました」
職員の知り合いとは言え、他人にもかかわらずマーガレットたちは動いてくれた。
縁の頼みも嫌な顔1つせず聞いてくれ、今も心配なのか起きて部屋にいるらしく、灯りも漏れる部屋が1つだけあった。
「お婆ちゃん入っていいですか?」
「…………やっぱり起きてたのかい。いいよ、入ってきな」
寝ている可能性も考え小声で声をかけたが、案の定返ってきた声に良かったと少しお邪魔することにした。
「眠れないのかい?」
「さっきまで寝てたんですけど、ちょっと目が覚めちゃったみたいです」
ね?と微笑みかければ、マーガレットたちの存在に戸惑いながらも小さく頷いた。
「眠れないので少し散歩をしていたんですけど、マーガレットさんたちも無理せずきちんと休んで下さいよ」
あやれやこと世話を焼いてくれたマーガレットたちに早く休んでほしいと伝えたが、首を振り、仕事が残っているからと聞いてくれない。
「なら少し休憩しませんか?」
お茶をしようと誘えば、待ってましたとばかりに突如として現れたジンがさっとカップを差し出してきた。
………いつから用意していたのか。
「ヨナちゃんにはミルクにしたよ。飲めるかい?」
目の前のカップにキョトンとしていたが縁の方を見上げると、数秒黙り込みカップを受け取っていた。
縁が何も言わないことから大丈夫だと判断したらしい。
「ヨナちゃんにあげた袋、このお爺ちゃんが作ってくれたんですよ。すごいでしょ?おじさんは縫い物が下手なので無理でした」
「……アンタがおじさんなんて言うと違和感があるね」
「そうですか?私だってもういい歳ですよ」
子が成長すると共に縁だって日々成長していくのだ。
子どもたちのためにも少しでも長生きしたいが、悲しいかな時間は止まってくれない。
「私たちの中では君は出会った時の歳のままだからね。それに見た目だって変わらないじゃないか」
「そんなはずは………」
ある、かもしれない。
年々エルとの身長差は開いていき、アズにしてももうすぐ縁の肩程までになっている。
悔しいので口にはしないが、時々ズルイとエルに擽り攻撃を仕掛けている。
元々肉が付きにくいのか、一向に体重が増えることも筋肉がつく気配もない。
これはむしろ何か呪いでもかかっているのではと最近は疑っている。
「アンタはそのままでいいよ。ゴツいバカ共は毎日イヤでも目に入ってくるからね」
「ゴツい……」
胸元を見る。
数秒考え顔を上げれば、さっと顔を逸らされた2人にきっと協力は見込めないだろうと悟った。
「ヨナちゃん、明日は一緒にお肉を食べましょうか」
「?」
突然のことに首を傾げていたが、分かったとばかりに頷く頭を撫でてやる。
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「お婆ちゃんたちも一緒に食べましょ?」
「いいーー」
「いいね、いいね!何か他に必要なものはあるかい?」
賛成だとマーガレットが答える前にジンがいいねと食い気味に頷いてきた。
「お腹空いているんですか?」
あまりの勢いにまさかお腹が空いているのかと思ったのだが、久しぶりに一緒に縁の料理が食べられることを喜んでくれたらしい。
喜んでもらえるのは嬉しいが、そこまで凝った料理を彼らに作ったことはないため少々申し訳なくなった。
「それならアイツも呼んでやりな」
「アイツ?」
マーガレットが態々誰かを呼ぶのは珍しいなと思っていれば……
「ククルだよ。忘れてたが、アンタが来たら連絡してくれって言われてたんだ」
そういえばその後の話しを聞いていなかったなと今更思い出した縁であった。
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