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第1章_ベースとギルドと大阪と
梅田の影
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翌朝のギルドロビーは、普段よりも空気が張り詰めていた。
昨日手に入れた「謎のカードキー」が、掲示板の中央に貼り出されているせいだ。
「これ、やっぱり梅田絡みか」
「やろな。普通の地下ラットが持っとるもんちゃう」
ギルド員たちがざわつく。
堂島龍臣は腕を組んだままスティックをコン、コンと机に当てて皆を静めた。
「落ち着け。証拠がないうちは騒ぐな。けど……まあ、“あいつ”の匂いやろな」
「あいつ……?」俺は思わず尋ねた。
「梅田ギルドの幹部、南条剛。武器は指揮棒や。あいつの前に立ったら、気ぃついたら足が勝手に動いてる。支配されるんや」
⸻
【敵対勢力:梅田ギルド】
【幹部:南条 剛】
【武器:指揮棒】
【特徴:精神支配型。集団戦で真価を発揮】
⸻
「……うわ、ボス感すご」
「いや幹部やけどな」智樹が冷静に突っ込む。
「支配って……こっちの自由意思が奪われるってこと?」雅の声が少し震えた。
「そうや。仲間同士で斬り合わされることもある」堂島が低く答える。
ロビーが静まり返る。
誰もが冗談抜きで恐ろしさを理解していた。
「ただし」堂島は口角を上げた。「奴はまだ動いてへん。問題は、梅田が“間者”を送り込んでくることや」
「間者……スパイか」智樹が呟く。
「昨日のカードキーは、その証拠かもしれんな」
舞さんが補足するようにタブレットを操作し、空中に小さな窓を開いた。
⸻
【新任務:情報収集】
『梅田ギルドの動向を探れ』
条件:市内での不審行動を確認
推奨:複数人での行動
報酬:金貨+装備強化券
⸻
「お前ら新人組にも、いずれは関わることになるやろ」堂島は俺たちをまっすぐ見た。
「ただし今はまだ足固めや。今日の任務は“市内巡回”。小さなノイズ掃除をしながら、不審な動きを探せ」
「了解」
「了解」
「了解」
三人で声を揃えると、堂島がにやりと笑った。
「ええ返事や。……ただし、間者は見つけても追うな。呼べ。ええな?」
「呼ぶ、了解」
「逃げる・呼ぶ・片づける、やな」俺は指を三本立てて復唱する。
「なんか地味やけど、だいたい正しいのよね」雅が苦笑する。
⸻
昼下がり。俺たちは難波の商店街を巡回していた。
ノイズスライムを二、三体片づけたところで、智樹がふと立ち止まる。
「……あれ、怪しくないか?」
路地の奥、スーツ姿の男が一人。だが、歩き方が妙にぎこちない。
よく見ると、腕や足の動きがまるで“操られている”かのように同じリズムで揺れている。
「……やっぱ、梅田の支配や」
「え、もう出たん!?」俺は思わず声を上げた。
「静かに」雅が制止する。
男はこちらを振り返り、無表情のまま小さなカードキーを掲げた。
その先に見えたのは、黒いスーツの人影。背筋を伸ばし、片手に白い指揮棒を握っている。
遠すぎて顔ははっきり見えない。
でも、空気の冷たさだけでわかった。
「あれが……南条剛」
⸻
【システム通知】
【新敵影確認:南条 剛(梅田ギルド幹部)】
【危険度推定:B】
【推奨:撤退】
⸻
「……出るの早すぎやろ!」
「撤退よ! 今は戦う段階じゃない!」雅が叫ぶ。
「了解! 逃げるぞ!」智樹が俺の腕を引く。
俺たちは全力で駆け出した。
背後から聞こえるのは、規則正しく打ち鳴らされる四拍。
心臓を鷲掴みにされるような不快なリズムが、遠くまで追いかけてきていた。
昨日手に入れた「謎のカードキー」が、掲示板の中央に貼り出されているせいだ。
「これ、やっぱり梅田絡みか」
「やろな。普通の地下ラットが持っとるもんちゃう」
ギルド員たちがざわつく。
堂島龍臣は腕を組んだままスティックをコン、コンと机に当てて皆を静めた。
「落ち着け。証拠がないうちは騒ぐな。けど……まあ、“あいつ”の匂いやろな」
「あいつ……?」俺は思わず尋ねた。
「梅田ギルドの幹部、南条剛。武器は指揮棒や。あいつの前に立ったら、気ぃついたら足が勝手に動いてる。支配されるんや」
⸻
【敵対勢力:梅田ギルド】
【幹部:南条 剛】
【武器:指揮棒】
【特徴:精神支配型。集団戦で真価を発揮】
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「……うわ、ボス感すご」
「いや幹部やけどな」智樹が冷静に突っ込む。
「支配って……こっちの自由意思が奪われるってこと?」雅の声が少し震えた。
「そうや。仲間同士で斬り合わされることもある」堂島が低く答える。
ロビーが静まり返る。
誰もが冗談抜きで恐ろしさを理解していた。
「ただし」堂島は口角を上げた。「奴はまだ動いてへん。問題は、梅田が“間者”を送り込んでくることや」
「間者……スパイか」智樹が呟く。
「昨日のカードキーは、その証拠かもしれんな」
舞さんが補足するようにタブレットを操作し、空中に小さな窓を開いた。
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【新任務:情報収集】
『梅田ギルドの動向を探れ』
条件:市内での不審行動を確認
推奨:複数人での行動
報酬:金貨+装備強化券
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「お前ら新人組にも、いずれは関わることになるやろ」堂島は俺たちをまっすぐ見た。
「ただし今はまだ足固めや。今日の任務は“市内巡回”。小さなノイズ掃除をしながら、不審な動きを探せ」
「了解」
「了解」
「了解」
三人で声を揃えると、堂島がにやりと笑った。
「ええ返事や。……ただし、間者は見つけても追うな。呼べ。ええな?」
「呼ぶ、了解」
「逃げる・呼ぶ・片づける、やな」俺は指を三本立てて復唱する。
「なんか地味やけど、だいたい正しいのよね」雅が苦笑する。
⸻
昼下がり。俺たちは難波の商店街を巡回していた。
ノイズスライムを二、三体片づけたところで、智樹がふと立ち止まる。
「……あれ、怪しくないか?」
路地の奥、スーツ姿の男が一人。だが、歩き方が妙にぎこちない。
よく見ると、腕や足の動きがまるで“操られている”かのように同じリズムで揺れている。
「……やっぱ、梅田の支配や」
「え、もう出たん!?」俺は思わず声を上げた。
「静かに」雅が制止する。
男はこちらを振り返り、無表情のまま小さなカードキーを掲げた。
その先に見えたのは、黒いスーツの人影。背筋を伸ばし、片手に白い指揮棒を握っている。
遠すぎて顔ははっきり見えない。
でも、空気の冷たさだけでわかった。
「あれが……南条剛」
⸻
【システム通知】
【新敵影確認:南条 剛(梅田ギルド幹部)】
【危険度推定:B】
【推奨:撤退】
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「……出るの早すぎやろ!」
「撤退よ! 今は戦う段階じゃない!」雅が叫ぶ。
「了解! 逃げるぞ!」智樹が俺の腕を引く。
俺たちは全力で駆け出した。
背後から聞こえるのは、規則正しく打ち鳴らされる四拍。
心臓を鷲掴みにされるような不快なリズムが、遠くまで追いかけてきていた。
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