気づいたら日本まるごとゲーム世界でした!?

黒鳥カラス

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第1章_ベースとギルドと大阪と

大規模抗争、開戦

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 その夜。
 難波ギルドのロビーは、かつてないほどの緊張感に包まれていた。
 昼間の潜入で梅田に気づかれた。報復は必ず来る――誰もがそれを分かっていた。

 壁一面のマップに赤い点が次々と浮かぶ。
 北から、東から、西から。梅田ギルドの部隊が一斉に進軍を開始していた。



【緊急システム通知】
【事案:梅田ギルド大規模侵攻】
危険度:A(初回)
敵勢力:50~60名+支配下プレイヤー多数
目的:難波ギルド本拠地制圧



「……本気やな」智樹が低く呟く。
「昨日までの小競り合いとは桁が違う」雅が魔導書を握る手を強める。
「いやいやいや、数エグすぎやろ……!」俺はサニーを抱え直し、無意識にストラップを強く引いた。

 堂島龍臣がスティックをコン、コンと鳴らす。
「聞け! ここで退いたら終わりや! 街も仲間も、全部梅田に飲まれる!
 けど俺らは難波や! 最後まで笑うんが俺らやろ!」

 ギルド員たちの目に炎が宿った。



 前線は三つ。
 俺たち新人組は、東の防衛線に配置された。
 狭い路地を抑えることで数を減らす作戦だ。

「ここで踏ん張るぞ!」智樹が剣を構える。
「うん。……遼、しっかり頼む」雅の声は震えているけど、芯が強い。
「任せろ。床、ガチガチに作ったる!」



 そして――敵が現れた。
 黒い制服に身を包んだ梅田の部隊。
 支配下のプレイヤーを前列に立て、冷たいリズムに揃って進軍してくる。

コン、コン、コン、コン――!

 空気が震え、俺の心臓まで持っていかれそうになる。
 だが、すぐにE弦を叩きつけた。

ドゥゥゥン! ドゥゥゥン!



【スキル発動:アンカーリズム】
効果:味方全員の精神を固定/支配干渉を無効化
持続:短時間



「止まった!」
「抜くぞ!」智樹が突撃し、最前列を弾き飛ばす。
 雅の光弾が一斉に炸裂し、後列をまとめて足止めする。

「まだまだ来るで!」俺はさらに低音を叩き込み、リズムをずらす。
 支配下の兵たちが半拍遅れ、隊列が乱れる。



【討伐:支配下プレイヤー×10】
【ドロップ:黒いリズム片×5】



「おおっ、効いてる!」
「まだ油断するな!」智樹が叫んだ瞬間、奥から巨大な影が迫ってきた。

 全身を黒い装甲で覆い、両腕にリズム片を埋め込んだ巨漢。
 動くたびに重低音のような振動が響く。



【敵性存在:リズムゴーレム】
【危険度:B】
備考:支配片を多数融合させた強化体。物理耐久高



「なにあれ!? モンスターやん!」
「いや、人間を核に作られてる……」雅が顔を強張らせる。
「考えるな! 壊すしかない!」智樹が剣を握り直す。

「了解……サニー、いくぞ!」

 俺はアンカーリズムからグルーヴシールドに切り替え、仲間の足を固定する。
 智樹が真正面からぶつかり、雅が光弾で隙を作る。
 だがゴーレムは倒れない。

「くそっ……硬ぇ!」
「じゃあ、物理や!」
 俺はベースを振りかぶり、渾身のフルスイングを叩き込んだ。

ゴガァン!

 リズム片が一部砕け、ゴーレムの動きが一瞬止まる。
「今や!」
 智樹が渾身の一撃を叩き込み、ゴーレムはようやく崩れ落ちた。



【リズムゴーレム討伐】
ドロップ:リズム片(大型)×1
経験値+大



「……はぁ、はぁ……」
「遼、やるじゃない」雅が笑みを浮かべる。
「飯のために全力や!」

 だが、まだ赤いマーカーは消えない。
 梅田の本格侵攻は、これからが本番だった。
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