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145.トーナメント戦

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 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 大文字伝子・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダーまたは行動隊長と呼ばれている。。
 大文字(高遠)学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのアナザー・インテリジェンスと呼ばれている。
 一ノ瀬(橘)なぎさ一等陸佐・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「一佐」または副隊長と呼ばれている。
 久保田(渡辺)あつこ警視・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「警視」と呼ばれている。
 愛宕(白藤)みちる警部補・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。
 増田はるか三等海尉・・・海自からのEITO出向。
 田坂ちえみ一曹・・・陸自からのEITO出向。
 新町あかり巡査・・・みちるの後輩。丸髷署からの出向。
 結城たまき警部・・・警視庁捜査一課からの出向。
 日向さやか(ひなたさやか)一佐・・空自からのEITO出向。
 馬越友理奈二曹・・・空自からのEITO出向。
 稲森花純一曹・・・海自からのEITO出向。投げ縄と鞭を得意とする。
 小坂雅巡査・・・元高速エリア署勤務。警視庁から出向。
 斉藤理事官・・・EITO司令官。EITO創設者。
 夏目警視正・・・EITO副司令官。夏目リサーチを経営している。EITO副司令官。
 愛宕寛治警部・・・伝子の中学の書道部の後輩。丸髷警察署生活安全2課勤務。
 大文字綾子・・・伝子の母。介護士。伝子に時々「クソババア」言われる。学を「婿殿」と呼ぶ。
 藤井康子・・・伝子達の隣人。料理教室を開いている。
 大蔵太蔵(おおくらたいぞう)・・・EITOシステム部長。
 井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。
 井関五郎・・・鑑識の井関の息子。EITOの爆発物処理担当。
 青山たかし元警部補・・・丸髷署生活安全課だったが、退職して、EITOに再就職。
 窪内真二郎・・・窪内組組長。元々反社だったが、今はテキ屋に徹している。組員は、縁日等がない日々は、アルバイトをしている。野球が好きで、遠山組と交流試合をすることもある。ある事件がきっかけで、EITOの救援に駆けつけることもある。
 筒井隆昭・・・伝子の大学時代の同級生。伝子と一時付き合っていた。警視庁副総監直属の警部。色んな部署に配置されていたが、今はEITO準隊員扱いである。
 大前英雄管理官・・・EITO大阪支部の管理官。夏目警視正と、警察学校同期。
 EITO大阪支部では、コマンダーと呼ばれている。
 久保田嘉三・・・管理官。EITO前司令官。警視庁テロ対策室室長。あつこの夫誠の叔父。

 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
 ==エマージェンシーガールズとは、女性だけのEITO本部の精鋭部隊である。==

 午後3時半。廃校になった小学校、上岸田小学校のプール。
「こんな悪意、見たことない。もうパウダースノウ、やっつけたんだろう?」
 プールの水は、もうすぐ抜ける。感電したに違いない人間が見える。
 鑑識の井関の問いに、「いえ、パウダースノウの枝や葉っぱ、つまり、生き残りがまだいる可能性があると聞いたばかりです。」と、愛宕は応えた。
 エマージェンシーガールズ姿のなぎさと馬越が到着した。
 プールの水は引いたようだった。4人は死体の前に移動した。
「やっぱり、パウダースノウの残党ね。」と、なぎさは言った。
「1ヶ月の猶予を与えるくらいだから。まだ何もしない、ということですか、オクトパスは。」
 馬越の言葉に、「うむ。少なくとも、工場経営者殺しとスイミングクラブ経営者殺しの犯人と同一人物あるいは同一グループだろうな。副隊長。後で資料を送るが、死に至る外傷らしきものは無い。感電死したんだ、生きてる内にな。酷いことしやがる。これはEITOの案件だ。必要な情報は、幾らでも提供するぞ。なあ、愛宕。」と井関は愛宕を振り返って言った。
「勿論です。」4人は死体に合掌した。
 午後5時半。EITO本部。会議室。
「廃校だと言ったな。電気はどうしたんだ?」と、理事官は言った。
「バッテリーを持ちこんだんじゃないかと。水は、ため池状態だったから、わざわざ引かなくても良かったのではないか、とのことです。」馬越はメモを読んだ。
「バッテリーで死ねる、いや、殺せるんですか?」小坂は誰にともなく言った。
 誰も応えないので、大蔵が「理科で習わなかったか?伝導体のケーブルのプラスとマイナス、体に繋いでプールに突き落とす。それでオッケーだ。やってみるか、小坂。」と言うと、「いえ、結構です。」と言って小坂は震えた。
 皆は爆笑した。
「スイミングクラブ経営者の時も、バッテリーで電流を流したんでしょうか?あ。黒焦げじゃなかったけど。」と、増田は言った。
「違う方法でしょうね。全裸にして辱めてるし。」と、結城は言った。
「で、身元は?」と夏目が言うと、河野事務官が、「さっき、FAXが入りました。山辺商会の専務、山辺悦郎。42歳。半グレの会社の幹部ですね。厄年ですかね。」と言った。
「半グレか。筒井。情報屋を当たってくれ。」と、夏目は筒井に指示し、筒井は出て行った。
「確かなことが浮かんできたわね、おねえさま。」と、あつこが言った。
「金森達が危ないな。オクトパスは金森達を名指ししてきたが、パウダースノウの『枝』が素性を知っていても、おかしくはない。皆、気を引き締めてかかってくれ。こっちは期限付きじゃないからな。」と、伝子は応えた。
「よし。当番の者以外は帰れ。解散。」
 午後7時。伝子のマンション。
 キーマカレーを食べながら、「学、腕上げたね。愛情たっぷりで嬉しいわ。」と、伝子は、珍しく甘いおんなの声で言った。
「愛情たっぷりで嬉しいわ。」トイレから出てきた綾子が言った。
「まだいたのかよ、クソババア。帰ったんじゃないのか。」
「もう。高齢者虐待で訴えてやる。」「どうぞどうぞ。高齢者じゃ無い癖に。」
 綾子は、踵を返して出て行った。
 10分後。チャイムが鳴った。「毎回違う音色って、いいわね。はい。」
 藤井が入って来て、言った。「素直じゃないからね、伝子さん、誕生日なんだって?」
 藤井は、高遠に箱を渡して出て行った。高遠が箱を開けると、ハイヒールが入っていた。高遠は、サイズを確認した。サイズはぴったりだ。
「学。敬老の日って、いつだっけ?」と、伝子は呟いた。
 午後10時。
 入浴を済ませた2人は寝室に向かおうとしたら、大前から電話があった。
「伝子さん。ヘレンが誘拐された。」「ヘレンって、あの・・・確か芦屋ビルの中にいるんじゃあ・・。」「事情知らん社員がヘレンと買い物に出てもうたんや。そこで、犯人に尾行されて誘拐された。」
「応援送りますか?」「いや、今の所、闘争になる可能性はないからな。総子が落ち込んでてやあ。南部さんもなだめているけど、ウチが悪いウチが悪いって自分を責めててなあ。総子が奮起せんことには士気が上がらん。」
「了解しました。任せて下さい。作戦で困るようなら、学に相談して下さい。」
「ありがとうございます。」電話は切れた。
 今夜のセックスはお預けだな、と考えた高遠は嬉しくもあり、淋しくもあった。
 翌日。午前2時。
 漸く、伝子は総子との電話を切った。そして、ベッドに潜り込んで来た。
「どうするの?応援に行くの?」「行かない。こちらからは誰も。あっちはあっちで何とかするさ。なあ、学。一回だけ、しよ?あ、一回だけお願い出来ないかしら?」
 午前10時。
 2人は、遅い朝食を採っていた。
 EITO用のPCが起動した。
 理事官が画面に映っている。「まだ、朝食だったか。後にしようか?」「いいえ、大丈夫です。」
 伝子は、ピーナッツバターとマーマレードをたっぷり塗ったトーストで汚れた唇を拭った。
「大阪支部の元メンバーが誘拐されたそうだが・・・。」「まだ、ダークレインボー絡みかどうかは、はっきりしません。ヘレンの実家に誘拐したという脅迫電話があったらしいです。小柳警視正と大前さんは、取り敢えず『通常の誘拐事件』として扱う、と言っています。ダークレインボー絡みの事件があったら、そちらを優先しないといけないし。」
「詰まり、大阪府警の案件、ということかね、今のところ。了解した。救援があった場合のみ、対処しよう。それで、あの焼死体の事件だが。井関さんが言った通り、バッテリーを持ち込んで、殺している。片づけも含めて、2人以上の犯行だ。目撃者は、あの学校が廃校なので、期待薄だと思っていたが、夏目リサーチの人間が、月水金に午前8時頃、パンの移動販売をしていることを教えてくれた。それで、中津興信所で聞き込みをしたら、あっさり目撃証言が出た。昨日の会議で、工場経営者殺しの頃の防犯カメラ映像を徹底して調べた結果出てきた映像からの写真を中津興信所の調査員がパン屋に見せると、焼死体事件の当日見かけた、と証言した。それで、警察では、範囲を広げ時間を広げ目撃証言がないか調べている。以上だ。今日は待機でいい。高遠君。目に隈が出てるぞ。」
 PCは自動的にシャットダウンした。「見抜かれてるな。」伝子は呟いた。
 午後3時。山辺商会。
 窪内組組長が久保田管理官と共に訪れた。
「おやおや。反社の組長さんともあろう方が、警察の護衛付きですか?」と、山辺悦喜は言った。
「2つ、訂正してくれ。窪内組はなあ、解散はしていないが、タダのテキ屋だ。縁日の売り上げでやりくりしている。関係のない者からシノギを取ったりしない。それと、丸腰で来るのは危険だから、立会人として久保田の旦那に頼んでついて来て貰った。お前の息子をやったのは、ウチじゃない。本気でヤルなら、ナイフ1本で足りる。何で感電死させる?」
 窪内の言葉に、山辺は1枚のFAXを差し出した。
 久保田管理官と窪内は大笑いした。窪内は言った。「旦那、ウチの若いもんでも、こんな間違いしませんぜ。」「だろうな。お前の息子をやった奴は、必ずお縄にしてやる。首洗って待ってろ。これは貰っていく。」と、久保田管理官は言った。
 文面にはこうあった。
 《
 うちのぶつに手を出すのは、上めろ。くぼうち
 》
 午後4時。EITO本部。会議室。
 マルチディスプレイに久保田管理官が映っている。
「勘違いで狙われちゃ、窪内もたまらんだろうな。山辺は、所謂『闇金』をやっている。恐らく、ヤミ金被害者が、闇サイトを見て、殺して下さい、と願い出たのだろう。」
「違うかも知れませんね。山辺の息子殺しは、おびき出す為の手段かも知れませんね。」と久保田管理官に続けて夏目警視正が言った。
「おびき出す?誰を?」と、なぎさが言うと、「パウダースノウ、そして、EITO。」と、あつこが言った。
 マルチディスプレイに、写真が2枚映った。
「この2人が、工場経営者殺しの、そして、中道の母親殺しのヒットマンあるいは関係者だとすると、50人の殺人予告リストに載っていた山辺の息子をまだ狙っていたと考えられる。」「載っていたんですか?リストに。」と田坂が尋ねると、「載っていたんだろうな。だが、我々が見たのは焼死体だ。」と夏目は応えた。
「詰まり、山辺の息子は生きている。奴は、パウダースノウが亡くなった後に帰国していた。」と言いながら、筒井が入って来た。
「入れ替わったということですか?」という静音に、「うん。被害者でなく、加害者がな。」と、筒井が応えた。
「ちょっと、いいですかあ?」と、画面の向こう側から、高遠が発言した。
「今のところ、僕の妄想に過ぎないんですけど、もし、山辺が、パウダースノウの殺し屋に、自分を『表面的に』殺してくれ、と持ちかけていたら?もし、オクトパスが帰国時に山辺の息子に鉢合わせして、その計画を話してしまったら?」
 青山が、「それって、都合よすぎませんか?高遠さん。」と言った。
「多分ね。もう一つ、『もし』を重ねると、オクトパスがパウダースノウの残党を残すと、また『えだは会』みたいな組織が出来るかも知れない、と考えたら?」
 高遠の言葉に、今度は草薙が質問した。「山辺の息子は、どこに行ったんですか?」
「どこかに監禁されている、と考えるのが普通かな?パウダースノウの殺し屋と取引する為に。」
「取引?」と馬越が驚いて言った。「ひょっとしたら、パウダースノウの殺し屋って、山辺の息子の身内ですか?警視。」と結城が言った。
 あつこは頷き、マルチディスプレイにもう1枚写真を出した。
「2課で調べさせたの、山辺の周辺を。10年前に離婚した女が、これ。先日、再活躍した、『人相想定システム』で照合したら一致したわ。彼女、山辺祐子、旧姓床島祐子は、高校の物理の教師を『旧姓』で勤めている。金森達のハネムーンは後3日。」
「じゃ、3日後に?」と、あつこを遮ってみちるが言うと、「直接で無ければ、オクトパスは約束を破ったことにならないわ。」と、日向が言った。
 伝子は話を締めた。「つまり、パウダースノウの殺し屋の名前で、EITOに接触がある。床島祐子は、恐らくはオクトパスの用意した兵隊と共に挑んでくる。ヒットマンは、集団で行動しないから、注意が必要だ。金森達の警護は引き続き、少人数で行う。狡猾な相手は、それなりに闘う。それだけだ。なぎさ、班分けをしておいてくれ。ああ、あかり。窪内組の件は、フェイクだ。そうですよね、管理官。」
「その通り。流石だな、大文字君。窪内も言っていたが、身内が亡くなった直後にしては、落ち着き過ぎていた。詰まり、替え玉殺人だ。」
 午後7時半。伝子のマンション。
 夕飯を終えた2人だったが、EITO用のPCが起動したのでもしや、思ったら、やはりだった。
「粉雪の娘、と名乗る者から警視庁久保田管理官宛にメールが来た。午後3時。芝公園もみじ谷だ。皆には、こちらから知らせる。君はどうするね?」
「現地に行かせて下さい。『秘密兵器』として。」「了解した。」
 翌日。午後3時。芝公園もみじ谷。
 エマージェンシーガールズが行くと、50人位の集団がいた。最初、なぎさは観光客かと思ったが、警察から臨時閉園の指示をして、周辺は警察車両が止まっている筈だ。
「日本語の話せる者はいるか?」そう聞いて、近寄って来た人物がいた。
「私が出来る。後は那珂国人だ。急なことで、これくらいしか集まらなかった。パウダースノウ配下として集まった5000人には、程遠いな。どうだ、提案だ。どうせなら、トーナメント戦にしないか。勝ち抜き線だ。選手はリーダーが決める。相手のえり好みはしない。飛び道具は無しだ。但し、刀剣は真剣を使わせて貰う。実を言うとな。俺は花粉症なんだ。あの胡椒の弾は苦手だ。」
「面白い奴だ。我々は、規約で火薬や剣は使えない。だから、その、胡椒の弾を使ったりする。では、こちらからもルールだ。こちらの武器が使用不能または本人が戦闘不能になったら負けを認め交代させる。そちらもそうして貰えるかな?」
「いいだろう。しかし、スポーツじゃないからな、人数のハンディはリスクになるぞ。」
「構わない。じゃ、お前から行け。」と、なぎさが肩を叩いたのは、愛川静音だった。静音は剣道4段だ。静音はバトルスティックを持ち、待っている、相手方の先鋒に対峙した。
 午後3時。芝公園こども平和塔。
 山辺の息子、本物の山辺悦郎が縛られている。体にダイナマイトが巻き付けられている。エマージェンシーガールズ姿の、あつこと伝子が到着した。
 すぐに、あつこはDDバッジを押した。DDバッジとは、EITOのオスプレイを通じて、合図を送れる通信機だ。所在を知らせる場合だけでなく、予め決められた合図を送れる。『オッケーの合図』を受け取った井関五郎がエレガントボーイの格好でホバーバイクで到着した。ホバーバイクとは、民間開発の『宙に浮くバイク』をEITOが採用、改造したマシンで、運搬だけでなく、後方支援にも役立てている。
 あつこと井関で爆破装置を解除した時、女が現れた。
「息子を助けてくれるのか?」「今の所、息子は被害者のようだしな。あんたも狙われているようだな。」
 一瞬のことだった。伝子は後方から山辺悦郎に刺された。
「成程な。」紫頭巾の格好をし、狐面を被った女が現れた。
 女は面を外した。「貴様、大文字伝子!」「私って、有名人だったんだな、やっぱり。サイン書いてやろうか?」
 伝子だった筈のエマージェンシーガールは伊地知だった。伊地知は自ら身代わりを買って出た。胸から尻までは、新素材で出来た防弾チョッキだった。本郷隼人の発明品の一つだ。ナイフは刺さったが、貫通はしていない。
「隊長。ちょっと破けちゃいましたあ。」と、伊地知はわざとお茶目に報告をした。
 伝子は長波ホイッスルを吹いた。長波ホイッスルとは、犬笛に似たホイッスルで、通常の人間の耳には聞こえない。緊急連絡にも使われるが単純連絡にも使われる。
 間もなく、愛宕率いる警官隊が山辺親子を逮捕連行した。
「じゃ、よろしく。」と、あつこは愛宕に言って、走り出した。
 伝子は井関のホバーバイクで移動した。伊知地は、ナイフが刺さったまま、後を追った。
 午後4時。もみじ谷。
 静音に続いて闘っている、みちるが三節棍で次々と倒し、後はリーダーのみとなった。
 皆、地面に寝ているか、蹲っている。
 リーダーは五節棍を取り出し、対峙した。
「ちょっと待った!」伝子は素顔のまま、ストップさせた。
 伝子は井関から五節棍を受け取り、みちるに渡した。
「面白い。では、勝負だ。」リーダーは汗一つかかず、一時間半、みちると闘った。
 遂に、リーダーは膝を折った。
 ふいに、何かが飛んできた。咄嗟に、稲森が鞭で叩き落とした。
 誰もが見たこともない、刃物だった。どこかで見ていたヒットマンが投げたのだろう。
「飛び道具じゃないからね。」と稲森は言った。
 遠雷が鳴っていた。「さ、引き上げるぞ!」皆は力強く応えた。「おう!!」
 リーダーは、1人笑っていた。
 ―完―
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