大文字伝子が行く

クライングフリーマン

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146.女性アスリート杵築の災難

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======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
大文字伝子・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダーまたは行動隊長と呼ばれている。。
大文字(高遠)学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのアナザー・インテリジェンスと呼ばれている。
一ノ瀬(橘)なぎさ一等陸佐・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「一佐」または副隊長と呼ばれている。
久保田(渡辺)あつこ警視・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「警視」と呼ばれている。
愛宕(白藤)みちる警部補・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。
増田はるか三等海尉・・・海自からのEITO出向。
斉藤理事官・・・EITO司令官。EITO創設者。
夏目警視正・・・EITO副司令官。夏目リサーチを経営している。EITO副司令官。
大文字綾子・・・伝子の母。介護士。伝子に時々「クソババア」言われる。学を「婿殿」と呼ぶ。
藤井康子・・・伝子達の隣人。料理教室を開いている。
井関権蔵・・・警視庁鑑識課課長。
久保田嘉三・・・管理官。EITO前司令官。警視庁テロ対策室室長。あつこの夫誠の叔父。
高峰くるみ・・・みちるの姉。
高峰圭二・・・くるみの夫。元警視庁刑事だったが退職。今は警備員をしている。
早乙女愛・・・元EITO出向メンバー。今は交番勤務をしている。
物部一朗太・・・伝子の大学の翻訳部の副部長。故人となった蘇我義経の親友の妻であった同級生逢坂栞と結婚した。
青山たかし元警部補・・・以前は丸髷署生活安全課勤務だったが、退職。EITOに再就職した。
草薙あきら・・・EITOの警察官チーム。警視庁から出向の特別事務官。ホワイトハッカーの異名を持つ。
河野事務官・・・警視庁からのEITO出向。一般事務官。

==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
==エマージェンシーガールズとは、女性だけのEITO本部の精鋭部隊である。==

午前11時。新東陽町署。会議室(捜査本部)。
署長、副署長、久保田管理官、エマージェンシーガールズ姿の伝子となぎさが正面に座っている。
「ボルダリング?ボーリングじゃなくて?」と署長がぼけるので、「壁上りのことです。岩登りだったかな。」と副署長が説明した。
久保田管理官が、咳払いをして、立った。「幸い、野次馬整理に向かった早乙女巡査部長がガイシャを知っていたので、身元はすぐに割れた。早乙女君。」
早乙女は立った。「ガイシャは、私と同じボルダリングクラブのビルダー、杵築(きつき)睦子、31歳です。オーバー30の部門で勝ち抜いた、女性です。詳しい事は、クラブから資料が届き次第、配布します。」
「ガイシャは、背中の傷以外に両拳を砕かれていたらしいが、他の選手から恨まれる可能性はあるかね?詰まり、怨恨のセンだが。」「大いにあり得ると思います。選手は身体能力も知力も必要ですが、拳の力はボクサー並に必要です。背中まで傷つけたようですから、かなり恨んでいたホシの可能性があります。」
「うん。怨恨を中心に班分けして、聞き込みをしてくれ。早乙女君も捜査要員で入るように。向こうの署長には連絡済みだ。さて、EITO隊長。初見を伺おうか。」と、署長は言った。
「プラスチックカード1枚では、手掛かりとしては少なすぎます。ですが、以前、敵組織ダークレインボーは、数枚のプラスチックカードをばら撒き、捜査を混乱させたことがあります。ですから、この案件も同じ様な進捗になる可能性があります。」と、伝子が言い、なぎさも立って、「つまり、連続した事件になる可能性があります。まだ、手掛かりが少ないですが、緊密な連携で打開出来ると思います。」と言った。
午後1時。伝子のマンション。
高遠は、物部と電話で話していた。「『た』?訳が分からんな。何枚のカードが集まると、何かのヒントになるってパターンか。確かに以前、そういうことがあったな。詰まり、複数の犠牲者が出るかも知れないんだな。」
「その度にEITOは責められるんでしょうね、副部長。」「そう、なるよな。まあ、果報は寝て待て、さ。ああ、煎餅、工場出荷始まったってさ。さっき、メールが来た。」
物部との会話を終えて、高遠は暫くぼうっと考えていた。そして、今度謎解きが必要になった時、臆面なく、ひかるに相談しようと決心した。
午後4時。
伝子が帰って来た。「捜査本部にいなくていいの?」「一応警察と合同体制だからな。なぎさが残ると言うから、帰って来た。」
午後7時。
伝子と高遠は、早めに夕食を採り、DVDを再生していて、洋画を見ていた。
EITO用のPCが起動した。高遠は慌てて停止ボタンを押し、ディスプレイに理事官が映っている。不機嫌な顔だ。
「さっき、警察から連絡があった。調布市の農家の農具小屋で、死体が発見された。
死後24時間は経過している。ガイシャは、競輪の選手で、幸い所属しているクラブのユニフォームを着ていた。農具で膝と腰を痛め付けて放置したらしい。ボルダリングの選手同様、ゲリラ豪雨の中の犯行だ。目撃者はまずいない。雨の中の失血死だ。惨殺死体ということ以外にも、共通点があった。ガイシャの名前は、杵築(きつき)燿子。同じ名字だ。あ。待ってくれ。」
河野事務官が、画面に現れた。「警察が、ボルダリングの杵築選手の家人に確認したところ、奈良県の親戚だそうです。杵築燿子選手は、競輪選手になる為に上京。調布市内の競輪場で活躍中の現役選手です。それと、この写真が警視庁から届きました。」
画面にプラスチックカードが映った。『す』と読める。
「『す』ですか。」と高遠は、思わず叫んだ。
「これ以降、連続殺人が続いたら、ヒントが揃うのかねえ。ヒントと言えば、オクトパスのヒントは解けたかね、高遠君。」「いえ。しかし、この連続殺人は、オクトパスと無縁とは考えにくいですね。」
「じれったいが、地道にやるしかない、というのが、久保田管理官と一致した意見だ。大前君にも、類似事件の可能性があるから注意するようにと連絡しておいた。」
「ありがとうございます。理事官。ゲリラ豪雨も無関係ではないかも知れませんね。まだ見つかっていない死体があるとして、雨で色んな痕跡が流されているかも知れない。」
「流されて、か。先のボルダリング選手の所持品も、ドブさらいさせているらしい。早乙女君のお陰で身元はすぐ判明したものの、流された所持品に手掛かりがないとも限らないからな。特にスマホや財布は。会議は明日、午後1時。EITO会議室。警察の捜査本部は、早朝交代要員と交代して引き上げるように橘には、一ノ瀬には言ってある。」
PCはシャットダウンした。「なぎさちゃん、まだ旧姓というか通称を使わないの?」
「ああ。一ノ瀬家の嫁だからな。理事官は一佐と呼ぶこともあるが、一ノ瀬と呼ぶこともある。」
午後10時。DVDを見終わり、入浴も終った。伝子は早めに床に着いた。
高遠は、ひかるにメールを書き始めた。
午後1時。EITO本部。会議室。
「捜査本部には、増田を行かせているが、間もなく調布市の事件との合同捜査本部になるだろう。本格始動するまで、EITOしてはオブザーバーだ。交代で、常駐する。一佐はシフトを組んでおいてくれ。」「了解しました。」
「さて、実は非常に珍しいケースだ。ボルダー、ボルダリング選手の杵築睦子と競輪選手の杵築燿子は、所謂『またいとこ』だそうだ。事件の動機として、選手個人への怨恨かと思われていたが、杵築家自体が怨恨で狙われた恐れがある。警察でも、そのセンでも捜査している。」
「理事官。」青山が珍しく挙手して質問をした。
「それならば、杵築家で、他にアスリートをしている人があれば、狙われる可能性があるのでは?あるいは、まだ死体が発見されていない場合も考慮した方が・・・。」
「うん。青山、賢いぞ。我々EITOとしては、今の前者の場合を鑑みて、狙われる人がいれば、警護に回る必要がある。ダークレインボーが絡んでいる可能性もあるしな。当該人物はまだ、警察で調査中だ。先の両家にも確認するが、遠い親戚が選手になってしまっている・・・と言っていいか、その可能性もある。」
青山は。困惑していた。「賢いぞ、か。」と呟いた。隣の草薙がクスクス笑っている。
午後3時。
会議を休憩している間、捜査本部に行っている増田から、調布市から捜査員が来て合流した、と報告が入った。
午後4時。
3人目の被害者が判明した。アイススケーターの杵築徹子である。
杵築選手は、愛知県出身のスケーターだったが、翌日東京都内のクラブとの練習試合の為上京していた。彼女は高尾山入り口で発見された。ハイカーが倒れていると通報があり、到着した救急隊員が見た時に、足に大きな穴が明けられた姿だった。彼女の所属するクラブの会長は、彼女の亡骸に対面した時、ぽつりと言った。
「鬼畜。人間じゃない。」
午後5時。
臨時ニュースで、高遠は綾子と藤井と共に事件を知った。
「また同じ名字の女性アスリート。何かこの家は祟られているの?」
藤井の問いに、「いや、深く恨まれているとしか思えない。」と、高遠は応えた。
その時、高遠のスマホに、高峰くるみから電話があった。
「高遠さん、実はね、今日こんなことがあったの。」と、くるみは話始めた。
遡ること1時間半前。
高峰圭二は警備員の仕事を終え、妻のくるみを迎えにスーパーに来ていた。自転車置き場で困っている老人を見付けたので、声をかけた。
「どうしました?何か困ってらっしゃる?」「自転車のキーがね、入らないんですよ。これじゃ帰れない。」
老人は、自転車の後輪の錠に鍵を差し込もうとしているが、入りそうで入らない。
高峰が、その電動アシスト自転車から2メートル離れた所にも電動アシスト自転車があるのを見付けた。
「あ。ここにも電動アシスト自転車がある。流行っているんですねえ。やっぱり、普通の自転車より楽ですか?」と高峰は話しかけた。
老人は、ふと、目の前の自転車から、近くの自転車に目を移し、双方の自転車を見比べた。そして、近くの自転車の錠にキーを差し込んだ。
スコーン、という音と共に、錠は開いた。
「あ。間違えた。こっちだった。」老人は何度も高峰に頭を下げ、礼を言って去って行った。
午後5時過ぎ。伝子のマンション。
「それでね、高遠さん。主人が『間違い殺人』の可能性も考えてはどうか、って言うの。みちるに話をしようかとも思ったけど、怪我がまだ治ってないし、気が立って怒りはしないかって、思って。」と、くるみは、申し訳なさそうに言った。
「分かりました。EITOの本部にではなく、伝子に伝えます。すっかり警備員らしくなったけど、高峰さん、刑事のカンが戻ったのかな?」「よろしくお願いします。」
スピーカーをオンにしていたので、藤井も綾子も聞いていた。
「水をさすようだけど、杵築って名字と女性アスリートっていう共通点が見つかったところよ。」と綾子が言い、藤井も同調した。
「いや、あながち間違いとは言えない。お義母さんが言った共通点は、もし間違い殺人だったら、本命に当たった時に終了する。共通点全ての女性を襲うなら、もっと他の方法がありそうなものだ。言いながら、確信が持てたよ。警察も、EITOの警察組も高峰さんからのアイディアなら素直に受け入れないだろうから、僕の思いつきにするよ。」
「婿殿、素敵よ。」と綾子が抱きつきそうになったので、「僕には妻がいますから。」と、高遠は交わした。
藤井が笑いを堪えている。
午後5時半。EITOのPCが起動した。高遠だけ、移動した。
「まずは、杵築徹子。27歳。スケーターの彼女は、宿泊ホテルに荷物を預けたあと、ショッピングに出掛けた。何故高尾山で発見されたかは全く不明だが、犯人が遺棄しに行ったのだろう。井関さんによれば、死後硬直から考えて、足に穴を開けられたのは、生前だろうということだ。登山客が見付けた時点で所持品は近くにあった。お名前カードと一緒にプラスチックカードが見つかった。」
「そのプラスチックカードの文字は『け』ですか。」「その通りだ。何故分かる?」「もし、4番目の殺人があったら、『て』でしょう。」
「助けて、か。何故だ?それと、犯行現場とも考えられるので凶器等を捜索中だ。草薙!」
画面に草薙が映った。
「高遠さん。漸く『候補』が見つかりました。杵築家は、元々は九州大分県の出身ですが、一族は全国各地にあります。」
「大分・・・杵築城の城下町ですね。」「その通りです。それで、女性アスリートですが、後3人います。プロボウラーの杵築律子さん、アマチュアボクサーの杵築道子さん、登山家の杵築浜子さん。それぞれの家に警察の捜査員が向かったそうです。」
そこで、高遠は、先ほどの考えを理事官に言った。伝子は今、合同捜査本部だ。
「うーん。それは、犯人が手当たり次第探し出して殺している、決め手の手掛かりがない故に、ということか。それで、後3人を順に襲ったところで、本命に当たったら猟奇殺人は終了と?」
「闇サイトでしょうか?高遠さん。殺人の依頼者がいて、請負人がいる。依頼者が不完全な情報を与えた為に、殺人事件が連続している。」と、草薙は言った。
「そうです。そして、伝言ゲーム。依頼者と請負人の間に仲介者がいるのかも知れない。」
「つまり、仲介者が上手く依頼者の注文を伝えていない、ということか。とにかく、3人は至急保護しなくてはいけないな。」と、理事官は呟いた。
翌日。午前9時。墨田区。板ガラス工場。
出勤した社員が、死体を発見した。杵築道子は、手首を切られた状態で発見された。工場の機械が使われた形跡があった。切り離された手には『て』というプラスチックカードがあった。
午前11時。シネコン映画館。警視庁の記者会見場。
久保田管理官は、辛抱強く事件の経緯を説明した。
「我々が後手に回っていたことは事実です。殺人が起こることは分かっていても、手掛かりは少なかった。杵築家で女性アスリートは後2人。どうにか保護しました。これからが勝負です。」
どうやって捕まえるのか?という厳しい質問があったが、当然、応えなかった。
正午。シネコン映画館。EITOの記者会見場。
夏目警視正は、久保田管理官と同様の返答をした。
午後1時。EITO本部。
オスプレイに乗り込む、エマージェンシーガールズ。
伝子達の作戦は開始された。
―完―
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