僕はひみこの夢を叶えた

クライングフリーマン

文字の大きさ
1 / 1

僕はひみこの夢を叶えた

しおりを挟む

 ============= フィクションです =============
 御子日美子(みこひみこ)。それが、僕の幼馴染みの名前だ。
 氷見子は、ポリオ、つまり小児麻痺の影響で、今でも、たまに脚を引きずる。
 日本では『根絶した』とされるが、飽くまでも統計上の話。
 姓名共に珍しいので、よくイジメに遭った。
 僕が庇うと、いじめっ子は、僕にもはやし立てた。
「ひみこさまの家来が何か言ってるぞ。」

 彼女は、勉強が出来た。
 いつも学年トップ。
 小学校の生徒会長に立候補した。
 いや、させられたのだ。いじめっ子の計略で。
 そして、当選すると、「おろし」が始まった。
 あらぬ噂を立てられた。買収したとかなんとか。「みこさんだから、超能力使った」とか何とか。

「おし。気にするな。俺がついてる。」
 僕は、名前をストレートに呼ばなかった。いじめっ子と区別する、あだ名を作った。
 姓は、先祖代々だし、名前は、死んだお祖母ちゃんと、お母さんの名前かららしい。
 お祖母ちゃんは日向子(ひなこ)、お母さんは美子(よしこ)。
 まさか、イジメの対象になるとは思っていなかっただろう。
 お母さんとお父さんは事故で亡くなっていた。

 叔母夫婦に厄介になっている為に、日美子はイジメを報告しなかった。
 全国、どこでもイジメに遭った時、学校側や教育委員会とやらは加害者側に立つ。
「虐められる方にも原因がある。」そう言って。
 例え、亡くなっても、警察に捕まっても、マスコミが加害者側に味方する。
 虐められ損だ。

 中学高校でも、同じことがあった。
 僕は、僕の両親と、彼女の叔母さん叔父さんに宣言した。
 僕が彼女を守る、と。
 彼女は、名前の方をお祖母ちゃんの名前に変え、僕の籍に入った。
 僕の名前は山田鎮(やまだまもる)。
 平凡でしょ?
 でも、神職なんだ。
 彼女は、『職業』として、巫女(みこ)になった。
 もう彼女を辱める者はいない。
 僕は今、「おし」と呼ばず、「ひみこ」と呼ぶ。
 やまだ、ひみこだ。

 ―おしまいー

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

この離婚は契約違反です【一話完結】

鏑木 うりこ
恋愛
突然離婚を言い渡されたディーネは静かに消えるのでした。

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

侯爵様の懺悔

宇野 肇
恋愛
 女好きの侯爵様は一年ごとにうら若き貴族の女性を妻に迎えている。  そのどれもが困窮した家へ援助する条件で迫るという手法で、実際に縁づいてから領地経営も上手く回っていくため誰も苦言を呈せない。  侯爵様は一年ごとにとっかえひっかえするだけで、侯爵様は決して貴族法に違反する行為はしていないからだ。  その上、離縁をする際にも夫人となった女性の希望を可能な限り聞いたうえで、新たな縁を取り持ったり、寄付金とともに修道院へ出家させたりするそうなのだ。  おかげで不気味がっているのは娘を差し出さねばならない困窮した貴族の家々ばかりで、平民たちは呑気にも次に来る奥さんは何を希望して次の場所へ行くのか賭けるほどだった。  ――では、侯爵様の次の奥様は一体誰になるのだろうか。

婚約破棄?いいですけど私巨乳ですよ?

無色
恋愛
 子爵令嬢のディーカは、衆目の中で婚約破棄を告げられる。  身分差を理由に見下されながらも、彼女は淡々と受け入れようとするが、その時ドレスが破れ、隠していた自慢のそれが解き放たれてしまう。

嫌われたと思って離れたのに

ラム猫
恋愛
 私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。  距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。

離婚すると夫に告げる

tartan321
恋愛
タイトル通りです

可愛らしい人

はるきりょう
恋愛
「でも、ライアン様には、エレナ様がいらっしゃるのでは?」 「ああ、エレナね。よく勘違いされるんだけど、エレナとは婚約者でも何でもないんだ。ただの幼馴染み」 「それにあいつはひとりで生きていけるから」 女性ながらに剣術を学ぶエレナは可愛げがないという理由で、ほとんど婚約者同然の幼馴染から捨てられる。 けれど、 「エレナ嬢」 「なんでしょうか?」 「今日の夜会のパートナーはお決まりですか?」  その言葉でパートナー同伴の夜会に招待されていたことを思い出した。いつものとおりライアンと一緒に行くと思っていたので参加の返事を出していたのだ。 「……いいえ」  当日の欠席は著しく評価を下げる。今後、家庭教師として仕事をしていきたいと考えるのであれば、父親か兄に頼んででも行った方がいいだろう。 「よければ僕と一緒に行きませんか?」

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

処理中です...