48 / 73
48.【矛盾(contradiction)】
しおりを挟む======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは、『溌の国』。
俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
俺には聞こえる。殺してくれ、と。
どこの次元でも聞こえている。
跳んで来たのは、「え?」
ここは、『溌の国』防営大臣室の隣の控え室か。
防営大臣端居滋は、記者会見から戻って来た。
「全く、総理の仕事をなんだと思っているんだ。選挙に負けたら責任持って辞めるべきなんだ。だよな?」
事務次官が、苦笑してる。防営省の加療トップだ。
端居の心を読むと、ただひたすら『溌の国』のトップ、詰まり、総合大臣になりたいと願っているようだ。
今まで跳んで来た次元の例で言うと、こいつが後の時代に総合大臣になる筈だが、表向きはまともなことを言っているように思える。
いけない。事務次官が入って来た。
「誰だ?」「新しい秘書官の頓宮です。よろしくお願いいたします。」
「ああ。水曜日担当の秘書官は病気退職したんだったな。じゃあ、早速だが夕方の後援会主催の食事会の段取りを頼む。」
「かしこまりました。」
事務次官が控え室から出て行くと、俺は大臣室に入った。
「誰だ?」「新しい秘書官の頓宮です。よろしくお願いいたします。」
「そうか。何かようか?」「総理から、ご足労願えないか?と伺ってまいりましたが。」
「そうか。じゃ、行こうか。」
俺が端居を連れて行ったのは、この時間軸の総理の部屋ではなく、『元の時間軸』の総合大臣室だった。総理官邸ではなく、国議会議事堂内の控え室だ。
俺がノックをして入って行くと、端居は、もう1人の端居と体面した。
「誰だ?」「お前こそ誰だ?俺に変装したりして、ここは総理の部屋だぞ。誰が呼んだか知らないが、『そっくりさん』は出て行け。」
「はあ?『そっくりさん』はお前だろう、凝ったメイクしやがって。防営大臣時代の私に似せて。私は、『総理』の端居だ、偉いんだぞ。面会出来て良かったな。警備員を呼ばない内に出ていけ。」
「なんだ、偉そうに。今の総理は県(あがた)さんだ。県さんも気に入らないが、そっくりさんのお前も気に入らないな。おい、秘書官。頓宮と言ったな。誰が拵えた茶番か知らないが、警備員を呼べ。」
「かしこまりました。」
俺は、出て行く振りをして、部屋の死角に隠れて見守った。
「私は、県さんに、退陣を要求した。総選挙して、選ばれるのは、この私だ。そうだ。折角だから、私の『影武者』をやらせてやろう。これだけ似ていれば、誰も気づかん。名誉だと思え。」
「何を言っている。どこの劇団の役者だ?玄通が手配したのか?もう演技はいい。お前こそ私の『影武者』を担え。偽物は偽物だがな。」
「偽物はお前だろうが。この、偽物。」
とうとう、取っ組み合いが始まった。
過去の端居が現在の端居を刺した。
夕方、行われたのは、端居の後援会の食事会ではなく、新総理の記者会見だった。
大林新総理は、開口一番に言った。
「先ほど、角義決定を致しました。議員の収入は50%カット、議員の定年は55歳、集金税廃止、『外国人優遇』撤廃、デカソーラー使用禁止と撤去、隣国との往来は有事であろうと普通時であろうと禁止、電波オークションによる放送局再編成、新聞社に貸与している土地没収、包装袋リサイクル法廃案、土地売買規制法発出、スパイ防止法発出、帰化していない他民族は永住権剥奪、L〇BT理解しましょう法廃案、洗濯性夫婦別氏法廃案、『天下り』を防ぐ為議員の再就職禁止、NPO法人法廃案、他民族の健康保険適用禁止、他民族への年金積み立て義務化、取りあえず、これだけです。『自国ファースト』、どの国も同じです。外国へのいかなる支援も国議会を通した法案なしに実行されません。尚、記者会見、選挙演説は全て『リモート』に切り替えます。理由は議員の安全確保、以上。」
かくして、総理総裁は、自分で『相殺』した。下手な洒落だな。新総理は期待出来そうだ。
過去の時間軸に跳んだのは、『暴君の過去とは』と一瞬考えたせいだろう。
さあ、今度の世界の『国のトップ』は、どういう人物かな?いや、ターゲットはトップとは限らないか。
―完―
0
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪役令嬢の逆襲
すけさん
恋愛
断罪される1年前に前世の記憶が甦る!
前世は三十代の子持ちのおばちゃんだった。
素行は悪かった悪役令嬢は、急におばちゃんチックな思想が芽生え恋に友情に新たな一面を見せ始めた事で、断罪を回避するべく奮闘する!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる