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69.【自治体首長(head of local government)】
しおりを挟む======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは、『自の国』。
俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
俺には聞こえる。殺してくれ、と。
どこの次元でも聞こえている。
跳んで来たのは、知事執務室。
俺に気づいた知事は、机の手前のボタンを押した。
誰も来ない。
机のネームプレートを見て、俺は全てを話した。
途中から、鈴村知事は、ソファーを指さし、俺を招いた。
俺の話に熱心に耳を傾けた知事は、「貴方を指揮している、いや、貴方に指示を与えている『神様』は、指令書や直接の指示は嫌い或いは出来ないらしい。貴方は、『殺してくれ』という声に導かれ、パラレルワールドを旅する『特殊な殺し屋』さん。今回、貴方を呼んだのは、恐らくは私ではなく、隣の自治体からでしょう。」
「どういうことでしょう?」
「貴方が辿ってきた次元の世界で『太陽光型発電』と言う、不自然な、再生エネルギーへの転換が問題になった場合があったのですよね。我が国『自の国』でも、大変由々しい問題になっている。私には住民の民意を汲んで、途中で工事を止めさせて、山林を戻す工事をさせています。住民税等ではまかない切れないので、クラウドファウンディングで寄付も募っています。それほど、『自然破壊』は深刻なのです。ある自治体では、『防風林』を壊してまで『根がそらあ』を設置しています。馬鹿げた話です。政府が国民から絞り取った税金を自治体に『報奨金』とか『推奨金』という名目でばら撒いた結果、自然を潰して行ったのです。今からでも遅くはないのです。まずは中止をさせないといけない。隣の自治体では、ここよりかなり深刻な事態です。住民運動を無視して知事は工事をさせている。お金だけでなく、色んなトラップにかかって、後戻り出来ない、とも言われています。」
「色と欲、後は脅し、ですか。権力者がよく使う手ですね。黒幕は中央政府と隣国ですか。」
「はい。自然破壊は、やがて災害を呼び込むと言われています。地質学者によると、山林が多く、島国であるから自然の脅威を乗り越えてきたのに、根底から覆すなんて、自ら災害を呼び込むなんて、信じられない愚行だそうです。」
「分かりました。取り敢えず、隣の自治体に行ってみます。」
俺が消える時、鈴村知事は、手を合わしていた。
それだけ、深刻な事態なのか。
隣の自治体葦屋県。県庁舎。
広い庁舎を行き来して調べ回った俺は、外で『辞めろ』デモをしている連中を、庁舎案内ツアーで来ている外国人客の集団に混ぜた。
そして・・・館内の大型ビジョンに映し出された知事執務室の『睦言』を生中継した。
外国の客は驚いただけだったが、『辞めろ』デモ隊は、執務室に直撃した。
デモ隊は、SNSで全世界に生中継した。
「ねえ、今度いつ来日してくれるの?体が疼いて仕方がないの。」
「『根がそらー』をもっと国中に作ってくれたらね。」
妖艶な女性とイケメンの男性はにっこり笑った。
ドアを蹴破り、乱入した女性達は口々に言った。
「オンナの敵よ、アンタは。何が地元ファーストよ、自分ファーストじゃないの。」
「住民のオンナはレイプされても平気なのは、アンタが変態だからじゃないの。リコールよ。」
「嘘つきに知事は務まらない。今すぐ辞めろ!!」
「一般住宅の太陽光発電も『根がそらー』も要らない。電気代下げないで何がエコよ。エゴおんな!!」
「服着なさい、白昼堂々何やってんの!!」
彼女達の足の下は、職員の男性達だった。
「オンナの敵!!オンナの敵!!オンナの敵!!」
シュプレヒコールは止まる様子がなかった。
撤去するより前に、先ず停止。鈴村さん、これでいいかな?
俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
さ、次の世界が待ってるぜ。
―完―
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