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72.【接点(contact)】
しおりを挟む======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは、『???』。
俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
俺には聞こえる。殺してくれ、と。
どこの次元でも聞こえている。
跳んで来たのは・・・ここは、どこだ?
気が付くと、色んな器具が体に付けられ、ベッドに拘束されていた。
「ここは、どこですか?」
白衣を着た女性が、同じく白衣を着た男性を呼んできた。
「気が付いた?忍者くん。私は、早乙女と言う。」
「忍者?」「天井に貼り付いていたから。次の瞬間、床に横たわった。で、気絶した。説明出来るかな?」
俺は、正直に話し、短く瞬間移動し、近くの椅子に腰掛けた。
「殺し屋、って今言ったけど、忍者っぽいよ、オジサン。」
「オジサン?」「おにいさんにしとく?それとも、仮名でいいから名乗る?」
「じゃ、天宮一太郎。」「嘘っぽい。でも、いいか。」
「今、思い出しました。前の世界から跳んだ時、目の前にいた老人が、崖を隔てた向こうにもいたんです。その人が、向こうに呼びかけたが、向こうは気づかない。それで、跳び直したら・・・。」
「この脳科学研究所の天井だった。慌ててたんだな。」
「この次元は、『接の国』では?」
「『火乃本』国だが・・・ん?君が出発した国は?『火乃本』国と言わなかったか?」
「あ。じゃ、戻ったのかな?」
「いや・・・みちる。あの風船、持ってきなさい。」
みちると呼ばれたギャルっぽい白衣の女の子が持って来たのは、不思議な風船だった。
「普通は、シャボン玉で作るんだけどね。二重になっているだろう?」
「はい。」「君が何故、次に跳ぶ国の名前を知っているのか知らないが、君と、その老人は、内側の風船から見たんだよ。詰まり、別の次元のクレパスにいたんだ。恐らく、外側の風船の世界からも見えない、いや、見えにくい筈だ。何らかの原因でパラレルワールドの干渉が起きたんだ。この国は、The IIIImmが無くなり、新しい『国のトップ』が政府を作り直して、皇室が内閣と連携する政治体制に変わって平和だ。その崖の場所は分かるかね?ああ、その万能腕時計なら行けるかも。じゃ、神様の使命を果たしたまえ、殺し屋の天宮君。」
俺は腕時計を強く握って、あの崖をイメージした。
老人はいなかった。
改めて、跳んだ。
図書館だった。新聞を見た。間違いなく『接の国』だった。
ここでの問題は・・・やはり、新しい『国のトップ』の為の、与党代表選挙だった。
今日が、その当日だ。
新聞記事によると、代表候補3名は、何度も危ない目に遭っている。
無事なのは、現役の代表だ。
国民の誰もが嫌っているにも拘わらず、再立候補している。
投票箱が開放され、代表候補者の名前が次々に読み上げられていく。
何て原始的な儀式だ。
代表が決まった。
前代表には、たった1票入っただけだ。
「貴様ら、裏切ったな!!」前代表は拳銃を出した。
水鉄砲だった。
「何の余興ですか?前代表??」
進行役の前副代表が尋ねた。
「和やかな」代表選挙は、テレビで生中継された。
SNSで、世界中に発信された。
さ、今度は、「間違い無く」次の世界に跳ぶぞ。
俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
また、貴重な人達と出会った気がした。
みちる。また、いつか会おうな。
―完―
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