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40.コスプレイヤー失踪事件
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======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
大文字伝子・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダーまたは行動隊長と呼ばれている。。
大文字(高遠)学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのアナザー・インテリジェンスと呼ばれている。
一ノ瀬(橘)なぎさ一等陸佐・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「一佐」または副隊長と呼ばれている。EITO副隊長。
久保田(渡辺)あつこ警視・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「警視」と呼ばれている。EITO副隊長。
愛宕(白藤)みちる警部補・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。愛宕の妻。EITO副隊長。
愛宕寛治警部・・・伝子の中学の書道部の後輩。丸髷警察署の生活安全課刑事。
斉藤理事官・・・EITO司令官。EITO創設者。
増田はるか3等海尉・・・海自からのEITO出向。副隊長補佐。
金森和子二尉・・・空自からのEITO出向。副隊長補佐。
馬場力(ちから)3等空佐・・・空自からのEITO出向。
馬越友理奈二曹・・・空自からのEITO出向。
大町恵津子一曹・・・陸自からのEITO出向。
田坂ちえみ一曹・・・陸自からのEITO出向。
浜田なお三曹・・・空自からのEITO出向。
新町あかり巡査・・・みちるの後輩。丸髷署からの出向。副隊長補佐。
結城たまき警部・・・警視庁捜査一課からの出向。
安藤詩三曹・・・海自からのEITO出向。
日向さやか(ひなたさやか)一佐・・空自からのEITO出向。伝子の影武者担当。
飯星満里奈・・・元陸自看護官。EITOに就職。
稲森花純一曹・・・海自からのEITO出向。
愛川静音(しずね)・・・ある事件で、伝子に炎の中から救われる。EITOに就職。
工藤由香・・・元白バイ隊隊長。警視庁からEITO出向。
江南(えなみ)美由紀警部補・・・元警視庁警察犬チーム班長。EITOに就職。
伊知地満子二曹・・空自からのEITO出向。ブーメランが得意。伝子の影武者担当。
葉月玲奈二曹・・・海自からのEITO出向。
越後網子二曹・・・陸自からのEITO出向。
小坂雅巡査・・・元高速エリア署勤務。警視庁から出向。
下條梅子巡査・・・元高島署勤務。警視庁から出向。
高木貢一曹・・・陸自からのEITO出向。剣道が得意。
筒井隆昭・・・伝子の大学時代の同級生。警視庁からEITO出向の警部。伝子の同級生。
青山たかし元警部補・・・以前は丸髷署生活安全課勤務だったが、退職。EITOに再就職した。
河野事務官・・・警視庁からのEITO出向。
財前直巳一曹・・・財前一郎の姪。空自からのEITO出向。
仁礼らいむ一曹・・・仁礼海将の大姪。海自からのEITO出向。
橋爪警部補・・・丸髷署生活安全課刑事。愛宕の相棒。
中津健二・・・中津興信所所長。
中津(西園寺)公子・・・中津興信所所員の1人だが、中津健二と結婚している。
中津敬一警部・・・中津健二の兄。捜査一課、捜査二課、公安課、EITOとの協同捜査等を経て、副総監付きの特命刑事となる。警視庁テロ対策室所属。村越警視正の部下。
高崎八郎所員・・・中津興信所所員。元世田谷区警邏課巡査。
泊哲夫所員・・・中津興信所所員。元警視庁巡査。元夏目リサーチ社員。
根津あき所員・・・中津興信所所員。元大田区少年課巡査。
蛭田玲於奈医師・・・池上病院の泌尿器科医師。実は毒の研究家。
須藤桃子医官・・・陸自からのEITO出向。
大文字綾子・・・伝子の母。介護士。高遠を婿殿と呼ぶ。伝子に「クソババア」と呼ばれることがある。
池上葉子・・・池上病院院長。高遠の中学卓球部後輩彰の母。彰は故人。
=================================================
==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
==エマージェンシーガールズとは、女性だけのEITO本部の精鋭部隊である。==
午前9時。中津興信所。
愛宕と橋爪警部補が訪ねてきた。
「コスプレイヤー?」中津健二の大きな声に驚いて、出掛けようとしていた所員達は一瞬振り向いた。
「高速エリア署の生活安全課に、私の後輩がいるんですが、失踪して半年になる。何とか探して欲しい、と毎日親が押しかけて来るんです。それで、愛宕警部に相談したら、ここに依頼しようか?ということになったんです。」と橋爪警部補が言った。
「実は、大文字先輩に相談したら、中津さんに助けを求めよ、と。費用は先輩が出すから、と。」愛宕が言った。
「費用は後で精算時に相談しましょう。愛宕さん、その女性の資料は?」と中津健二が言うと、愛宕は書類の入ったケースを渡した。
「半年ですから、生きていることが前提です。歯科医院にはかかったことがないそうです。死体で見つかった場合は手掛かりになるんですが。」
「取り敢えず、交友関係からですね。学校関係だけでなく、コスプレの店やコスプレ関係のSNSに投稿があるかも知れない。」
「ダーリン。潜入捜査なら、出来るわよ。」と、事務服を着た地味な女性が愛宕達にお茶を出しながら言った。
「ダーリン?」「所員で妻の公子です。大学にもまだ籍があります。」
愛宕と橋爪は、顔を見合わせた。
午前11時。池上病院。伝子の病室。
「先輩。ホントにいいんですか?費用。」愛宕が言うと、「いいわよ。もし、EITOの案件になりそうなら、EITOに払って貰う。」と、伝子は平然と言った。
「半年なら、ダークレインボーとは関係ないかも知れませんね。」と、高遠は言った。
「コスプレなら、みちるの手下の出番ね。」「手下?ああ。あのコスプレ店の店長ですか。」「理事官は『白藤の手下』って呼んでるの。」
「手下か。面白いわね。大文字さん、リハビリの時間よ。」と、池上院長が入って来て言った。
午後1時。コスプレ衣装店「ヒロインズ」。
私服の愛宕と、中津興信所の泊と公子が入って来る。
「店長さんは?」と、入り口近くの女性泊が尋ねると、「そちらに。」と、吹き抜けの2階を指した。
3人が2階に行くと、「店長の川俣と申します。」と泊に挨拶をした。泊と公子は名刺を出したが、川俣店長は名刺を出さなかった。
「店長は男性、とお伺いしているのですが・・・転勤ですか?」と、愛宕が尋ねると、「前の店長は辞めました。今月から、私が店長です。」
不審に思いながらも、泊は「実は、行方不明の女の子を探しているのですが・・・。今月からだと、店長さんはご存じないですよね。」
「そうですね。店員に尋ねてみましょう。」と、川俣は降りて行った。泊と公子は、釣られて1階に降りた。
愛宕は「スクランブルケータイ」を出して、EITOに電話をかけた。このスクランブルケータイとは、盗聴の恐れがある場合に緊急に使うガラケーで、EITOのメンバーとDDメンバーが持っている。愛宕は警察官でEITOのメンバーではないが、DDメンバーではある。
5分程して、愛宕は階下に降りて行った。
泊が、「見覚えないそうです。」と愛宕に報告した。
愛宕は手錠を出し、店長と女性店員の腕にかけた。「緊急逮捕します。容疑は、取り敢えず詐欺、公務執行妨害かな?」
「何ですって?」と2人は暴れたが、サイレンの音がして、橋爪警部補と警官隊がやって来た。
警官隊の一部が2人を連行し、愛宕は、橋爪警部補に「2階です。」と言って駆け上がった。
橋爪警部補と警官隊、それに続いて泊と公子が2階に戻ると、警官隊の1人の警官が電気ドリルで、奥の部屋の鍵を壊した。
愛宕が、ドアを開けると、がんじがらめに括られた、みちると店長と「男性」店員2人がいた。皆猿ぐつわをしている。
愛宕と皆で手分けして、彼らを開放した。
みちるは、皆の見ている前にも拘わらず、愛宕に抱きついた。
「DDバッジ、どうした?」「バッグの中。」公子が、みちるのバッグを愛宕に渡した。
午後2時半。中津興信所。
「ピンポイントで位置が分かるようになった?」「そうです。愛宕警部の話によると、誘拐された時、エリアしか分からない旧型のものでは、捜索に困難になるということで、DDバッジが新しくなったそうです。で、白藤警部補は、新しいバッジを所持されていたそうですが、店長を人質に取られ、バッグを取り上げられて、仕方無く捕まったそうです。DDバッジって、何ですか?」と、泊が中津に尋ねた。
「俺が兄貴から聞いた話だと、元々陸自バッジという物があって、災害救助の時に使っていたらしい。ま、その発展形だな。DDというのは。大文字伝子さんの学生時代の先輩後輩グループで、探偵ごっこをしていたらしい。その大文字伝子探偵倶楽部のメンバーは、危険な目に遭うことが多い。特に大文字伝子がEITOのリーダーになってから。そこで生み出されたのが、通称DDバッジだ。DDバッジは実は、EITOのエマージェンシーガールズも持っている。持っているだけで、どの辺のエリアかはEITOで確認出来るらしいが、ピンポイントの位置はDDバッジを押さないと分からなかったらしい。今度の改良版は、持っているだけでピンポイントの位置が分かる。実は、エマージェンシーガールズは逮捕権がない。実際は警察からも出向しているが、メンバーの正体はトップシークレットだ。連携している警察に連絡する時にも、DDバッジを押すこともあるし、上空で待機しているオスプレイに『作戦終了』とか、『この位置に急行せよ』という合図にも使うらしい。」
「あのー。ボス。」「なんだ、根津。」「どうして、私たちに詳しく教えてくれるんですかあ?」
「EITOの正式な下請け機関として認められたから。部外秘は部外秘だ。この店舗付き住宅、何で貸してくれたと思う?空き家じゃ勿体ないって理由だけじゃないんだ。」
「責任重大ね、健二・・・所長。」と、公子が言った。
それまで黙っていた、高崎が言った。「心意気や心づもりは理解出来ました。それで、何で愛宕警部は、旧式のDDバッジで、その奥の部屋、分かったんですか?まだ新式のDDバッジは携帯していなかったんですよね、白藤警部補は。」
「EITOの草薙さんの話だと、偶然スイッチが入ったんだろうと。白藤警部補は、幽閉されている時に、自分のバッグを蹴ったそうだ。」
中津の話に、泊は声を上げた。「偶然ですか?」
「だな。」と、中津は、ニッと笑った。
午後5時。ヒロインズの店の前。方角の加減で、辺りは少し暗かった。
そして、店のガラス戸にはブラインドが降りていた。
マイクロバスが停まった。中から、男が出てきて言った。
「女達は?」「6人です。」「よし、店締めて、お前らも乗れ。」
出てきた男達は、両手を後ろ手に縛られ、猿ぐつわをされた女性6人を、素早くマイクロバスに連れ込んだ。
店仕舞いをしてきた2人の店員も、マイクロバスに乗り込んだ。
午後6時。品川区。東京総合車両センター。
大勢の男達が、整備用の車両の前にいた。
「連れて来たか?」「ここに。」
「どこだ?いないぞ。」「ここだよ、おバカさん。見たところ、半グレか。反社の連中より間抜け面だな。」と、なぎさは言った。
半グレの社長らしき男は、言った。「おいおいおい。誰がエマージェンシーガールズを連れて来いって言ったんだよ、アホが。」
「アホはお前らも同じだろ?向こうにいる連中は、お前らの取引相手の那珂国人か。何か那珂国語で怒っているぞ。」
反対側の車両の陰から、那珂国人の集団が出てきた。
「やっちまえ!」と、社長は叫び、那珂国人のリーダーも何か叫んだ。3機のオスプレイが飛来し、3台のホバーバイクが降りて来た。
ホバーバイクとは、民間開発の「宙に浮くバイク」でEITOが採用、改造した乗り物で、運搬や迎撃に利用される。
すぐに、オスプレイから、エマージェンシーガールズがスパイダーシュートを伝って降りて来た。スパイダーシュートとはEITOが開発した、蜘蛛が蜘蛛の巣を伝って降りるような、オスプレイから迅速に地上に降りる為の装備である。
エマージェンシーガールズは、ペッパーガン、冷凍ガン、こしょう弾を使って、半グレや那珂国集団の銃や機関銃を封じた。
その後、すぐにシュータやブーメランで敵を攪乱した。シュータとは、うろこ形の手裏剣で、先端に痺れ薬が塗ってある。
仕上げはバトルスティックで半グレも那珂国集団も粉砕した。
午後7時半。池上病院。
「おねえさま。おにいさま。今回も後方支援ありがとうございます。」
なぎさは、土下座をした。入って来た綾子は言った。
「あら、一佐。おいた、したの?ここ、病院だから、『お仕置き部屋』ないのよね。」
後から入って来た池上院長は、「高遠君、お芝居のお稽古?お邪魔だったかしら?」と言った。
高遠と伝子は爆笑した。
―完―
============== 主な登場人物 ================
大文字伝子・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダーまたは行動隊長と呼ばれている。。
大文字(高遠)学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのアナザー・インテリジェンスと呼ばれている。
一ノ瀬(橘)なぎさ一等陸佐・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「一佐」または副隊長と呼ばれている。EITO副隊長。
久保田(渡辺)あつこ警視・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「警視」と呼ばれている。EITO副隊長。
愛宕(白藤)みちる警部補・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。愛宕の妻。EITO副隊長。
愛宕寛治警部・・・伝子の中学の書道部の後輩。丸髷警察署の生活安全課刑事。
斉藤理事官・・・EITO司令官。EITO創設者。
増田はるか3等海尉・・・海自からのEITO出向。副隊長補佐。
金森和子二尉・・・空自からのEITO出向。副隊長補佐。
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橋爪警部補・・・丸髷署生活安全課刑事。愛宕の相棒。
中津健二・・・中津興信所所長。
中津(西園寺)公子・・・中津興信所所員の1人だが、中津健二と結婚している。
中津敬一警部・・・中津健二の兄。捜査一課、捜査二課、公安課、EITOとの協同捜査等を経て、副総監付きの特命刑事となる。警視庁テロ対策室所属。村越警視正の部下。
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泊哲夫所員・・・中津興信所所員。元警視庁巡査。元夏目リサーチ社員。
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=================================================
==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
==エマージェンシーガールズとは、女性だけのEITO本部の精鋭部隊である。==
午前9時。中津興信所。
愛宕と橋爪警部補が訪ねてきた。
「コスプレイヤー?」中津健二の大きな声に驚いて、出掛けようとしていた所員達は一瞬振り向いた。
「高速エリア署の生活安全課に、私の後輩がいるんですが、失踪して半年になる。何とか探して欲しい、と毎日親が押しかけて来るんです。それで、愛宕警部に相談したら、ここに依頼しようか?ということになったんです。」と橋爪警部補が言った。
「実は、大文字先輩に相談したら、中津さんに助けを求めよ、と。費用は先輩が出すから、と。」愛宕が言った。
「費用は後で精算時に相談しましょう。愛宕さん、その女性の資料は?」と中津健二が言うと、愛宕は書類の入ったケースを渡した。
「半年ですから、生きていることが前提です。歯科医院にはかかったことがないそうです。死体で見つかった場合は手掛かりになるんですが。」
「取り敢えず、交友関係からですね。学校関係だけでなく、コスプレの店やコスプレ関係のSNSに投稿があるかも知れない。」
「ダーリン。潜入捜査なら、出来るわよ。」と、事務服を着た地味な女性が愛宕達にお茶を出しながら言った。
「ダーリン?」「所員で妻の公子です。大学にもまだ籍があります。」
愛宕と橋爪は、顔を見合わせた。
午前11時。池上病院。伝子の病室。
「先輩。ホントにいいんですか?費用。」愛宕が言うと、「いいわよ。もし、EITOの案件になりそうなら、EITOに払って貰う。」と、伝子は平然と言った。
「半年なら、ダークレインボーとは関係ないかも知れませんね。」と、高遠は言った。
「コスプレなら、みちるの手下の出番ね。」「手下?ああ。あのコスプレ店の店長ですか。」「理事官は『白藤の手下』って呼んでるの。」
「手下か。面白いわね。大文字さん、リハビリの時間よ。」と、池上院長が入って来て言った。
午後1時。コスプレ衣装店「ヒロインズ」。
私服の愛宕と、中津興信所の泊と公子が入って来る。
「店長さんは?」と、入り口近くの女性泊が尋ねると、「そちらに。」と、吹き抜けの2階を指した。
3人が2階に行くと、「店長の川俣と申します。」と泊に挨拶をした。泊と公子は名刺を出したが、川俣店長は名刺を出さなかった。
「店長は男性、とお伺いしているのですが・・・転勤ですか?」と、愛宕が尋ねると、「前の店長は辞めました。今月から、私が店長です。」
不審に思いながらも、泊は「実は、行方不明の女の子を探しているのですが・・・。今月からだと、店長さんはご存じないですよね。」
「そうですね。店員に尋ねてみましょう。」と、川俣は降りて行った。泊と公子は、釣られて1階に降りた。
愛宕は「スクランブルケータイ」を出して、EITOに電話をかけた。このスクランブルケータイとは、盗聴の恐れがある場合に緊急に使うガラケーで、EITOのメンバーとDDメンバーが持っている。愛宕は警察官でEITOのメンバーではないが、DDメンバーではある。
5分程して、愛宕は階下に降りて行った。
泊が、「見覚えないそうです。」と愛宕に報告した。
愛宕は手錠を出し、店長と女性店員の腕にかけた。「緊急逮捕します。容疑は、取り敢えず詐欺、公務執行妨害かな?」
「何ですって?」と2人は暴れたが、サイレンの音がして、橋爪警部補と警官隊がやって来た。
警官隊の一部が2人を連行し、愛宕は、橋爪警部補に「2階です。」と言って駆け上がった。
橋爪警部補と警官隊、それに続いて泊と公子が2階に戻ると、警官隊の1人の警官が電気ドリルで、奥の部屋の鍵を壊した。
愛宕が、ドアを開けると、がんじがらめに括られた、みちると店長と「男性」店員2人がいた。皆猿ぐつわをしている。
愛宕と皆で手分けして、彼らを開放した。
みちるは、皆の見ている前にも拘わらず、愛宕に抱きついた。
「DDバッジ、どうした?」「バッグの中。」公子が、みちるのバッグを愛宕に渡した。
午後2時半。中津興信所。
「ピンポイントで位置が分かるようになった?」「そうです。愛宕警部の話によると、誘拐された時、エリアしか分からない旧型のものでは、捜索に困難になるということで、DDバッジが新しくなったそうです。で、白藤警部補は、新しいバッジを所持されていたそうですが、店長を人質に取られ、バッグを取り上げられて、仕方無く捕まったそうです。DDバッジって、何ですか?」と、泊が中津に尋ねた。
「俺が兄貴から聞いた話だと、元々陸自バッジという物があって、災害救助の時に使っていたらしい。ま、その発展形だな。DDというのは。大文字伝子さんの学生時代の先輩後輩グループで、探偵ごっこをしていたらしい。その大文字伝子探偵倶楽部のメンバーは、危険な目に遭うことが多い。特に大文字伝子がEITOのリーダーになってから。そこで生み出されたのが、通称DDバッジだ。DDバッジは実は、EITOのエマージェンシーガールズも持っている。持っているだけで、どの辺のエリアかはEITOで確認出来るらしいが、ピンポイントの位置はDDバッジを押さないと分からなかったらしい。今度の改良版は、持っているだけでピンポイントの位置が分かる。実は、エマージェンシーガールズは逮捕権がない。実際は警察からも出向しているが、メンバーの正体はトップシークレットだ。連携している警察に連絡する時にも、DDバッジを押すこともあるし、上空で待機しているオスプレイに『作戦終了』とか、『この位置に急行せよ』という合図にも使うらしい。」
「あのー。ボス。」「なんだ、根津。」「どうして、私たちに詳しく教えてくれるんですかあ?」
「EITOの正式な下請け機関として認められたから。部外秘は部外秘だ。この店舗付き住宅、何で貸してくれたと思う?空き家じゃ勿体ないって理由だけじゃないんだ。」
「責任重大ね、健二・・・所長。」と、公子が言った。
それまで黙っていた、高崎が言った。「心意気や心づもりは理解出来ました。それで、何で愛宕警部は、旧式のDDバッジで、その奥の部屋、分かったんですか?まだ新式のDDバッジは携帯していなかったんですよね、白藤警部補は。」
「EITOの草薙さんの話だと、偶然スイッチが入ったんだろうと。白藤警部補は、幽閉されている時に、自分のバッグを蹴ったそうだ。」
中津の話に、泊は声を上げた。「偶然ですか?」
「だな。」と、中津は、ニッと笑った。
午後5時。ヒロインズの店の前。方角の加減で、辺りは少し暗かった。
そして、店のガラス戸にはブラインドが降りていた。
マイクロバスが停まった。中から、男が出てきて言った。
「女達は?」「6人です。」「よし、店締めて、お前らも乗れ。」
出てきた男達は、両手を後ろ手に縛られ、猿ぐつわをされた女性6人を、素早くマイクロバスに連れ込んだ。
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午後6時。品川区。東京総合車両センター。
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「連れて来たか?」「ここに。」
「どこだ?いないぞ。」「ここだよ、おバカさん。見たところ、半グレか。反社の連中より間抜け面だな。」と、なぎさは言った。
半グレの社長らしき男は、言った。「おいおいおい。誰がエマージェンシーガールズを連れて来いって言ったんだよ、アホが。」
「アホはお前らも同じだろ?向こうにいる連中は、お前らの取引相手の那珂国人か。何か那珂国語で怒っているぞ。」
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「やっちまえ!」と、社長は叫び、那珂国人のリーダーも何か叫んだ。3機のオスプレイが飛来し、3台のホバーバイクが降りて来た。
ホバーバイクとは、民間開発の「宙に浮くバイク」でEITOが採用、改造した乗り物で、運搬や迎撃に利用される。
すぐに、オスプレイから、エマージェンシーガールズがスパイダーシュートを伝って降りて来た。スパイダーシュートとはEITOが開発した、蜘蛛が蜘蛛の巣を伝って降りるような、オスプレイから迅速に地上に降りる為の装備である。
エマージェンシーガールズは、ペッパーガン、冷凍ガン、こしょう弾を使って、半グレや那珂国集団の銃や機関銃を封じた。
その後、すぐにシュータやブーメランで敵を攪乱した。シュータとは、うろこ形の手裏剣で、先端に痺れ薬が塗ってある。
仕上げはバトルスティックで半グレも那珂国集団も粉砕した。
午後7時半。池上病院。
「おねえさま。おにいさま。今回も後方支援ありがとうございます。」
なぎさは、土下座をした。入って来た綾子は言った。
「あら、一佐。おいた、したの?ここ、病院だから、『お仕置き部屋』ないのよね。」
後から入って来た池上院長は、「高遠君、お芝居のお稽古?お邪魔だったかしら?」と言った。
高遠と伝子は爆笑した。
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