有限会社芸者ネットワーク

クライングフリーマン

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6.『寺社汚しキャンペーン』

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 ========== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 島代子(しまたいこ)・・・有限会社芸者ネットワーク代表。元芸者。元プログラマー。小雪の先輩らしいが、小雪以外には、本名は知られていない。芸者の時の芸名は『小豆』。また、本部の住所も極秘である。後輩達には堅く口止めしてあるのだ。
 飽くまでも、私的組織だが、警察にはチエを通じて協力している。可能なのは、情報提供だけである。
 戸部(神代)チエ・・・京都府警警視。東山署勤務だが、京都市各所に出没する。戸部は亡き母の旧姓、詰まり、通称。
 烏丸まりこ・・・芸者ネットワークの事務員。
 貴志塔子・・・代子がプログラマー時代、組んでいた相棒。ネットワークシステムは、2人の合作だ。
 西川稲子・・・代子と塔子の、プログラマー修行時代の仲間。
 戸部(神代)チエ・・・京都府警警視。東山署勤務だが、京都市各所に出没する。戸部は亡き母の旧姓、詰まり、通称。
 茂原太助・・・東山署生活安全課警部補。

 =====================================

 ※京都には、京都伝統伎芸振興財団(通称『おおきに財団』)と京都花街組合連合会という組織が円山公園の近くにある。両者は、芸者さん舞妓さんの『芸術振興』の為にある。オフィシャルサイトも存在する。
 現在、京都花街組合連合会に加盟している花街として、祇園甲部、宮川町、先斗町、上七軒、祇園東の5つの花街があり、総称して五花街と呼んでいる。 鴨川の東側、四条通の南側から五条通までの花街。
 ※この物語に登場する『芸者ネットワーク』とは、架空の組織であり、外国人観光客急増に伴って犯罪が増加、自衛の為に立ち上げた、情報組織である。
 リーダーは、『代表』と呼ばれる、芸者経験のある、元プログラマーの通称島代子(しまたいこ)である。本部の場所は、小雪しか知らないが、『中継所』と呼ばれる拠点が数十カ所あり、商店や寺社と常に情報交換している。
 ※六波羅蜜寺とは、天暦5年(951)、醍醐天皇の皇子・光勝空也上人が建立した真言宗智山派の寺院。都に流行していた悪疫退散のため、自ら十一面観音像を刻んで市中を曳き廻り、病人に茶を授け歓喜踊躍しつつ念仏を唱えて病魔を鎮めたという。その茶は皇服茶、念仏は六斎念仏として今に伝えられている。西国三十三所霊場の第十七番札所でもある。令和館(宝物館)には地蔵菩薩像をはじめ、空也上人像、平清盛像、運慶像、湛慶像などの仏像を安置している。

 午後1時。芸者ネットワーク本部。
 固定電話が鳴った。
 烏丸は、まだ休憩から戻っていない。
 稲子が電話に出た。
「ふむふむ・・・社長、着物レンタルの『もふもっふ』さんからです。」
 稲子が社内電話の切り替えを行い、代子が出た。
「お電話変わりました。まあ、お久しぶり・・・ええ、六波羅蜜寺言うたら、そこから目と鼻の先ですわね。分かりました。」
 固定電話を切ると、代子は塔子に「この前と同じパターンだわ。舞妓さんの着物レンタルをしに来た外国人のツレの男性が、ライトバンに白いペンキの缶を大量に積んでいるのを見た、って言うの。」と言った。
「また、闇サイトかな?社長、調べてみるわ。」と、稲子が言った。
「お願いね。」と代子は言い、ホットラインの電話の受話器をとった。
 有限会社芸者ネットワーク本部と東山署は『IP電話』のホットラインで繋がっている。
 IP電話(Internet Protocol電話)とは、インターネット回線を利用して電話をするサービスです。メールや画像と同様に音声をデジタルデータに変換して送受信することで、電話回線を使わずに通話することができる。そのため、『インターネットで検索する為』という名目で電話を利用することにしたのだ。従って、経費として計上するのは、『インターネット諸費用』で済む。
「もしもし。」今日は、東山署の茂原刑事が出た。
 代子が情報を話すと、茂原は、「了解しました。白ペンキで六波羅蜜寺の仏像その他を汚す危険性があるのですね。すぐ、警視に連絡します。いつもありがとうございます。」と言った。
 午後3時。
 代子のスマホに、戸部チエから電話が入った。
「丁度、警邏中で、間に合いました。やはり、舞妓衣装は囮で、白ペンキで、そこら中にぶちまける予定だったようです。ありがとうございました。」
「あ。今ね、ウチの稲子に調べさせた所、『京都の寺社を汚して回ろう』というSNSのキャンペーン投稿があったらしいの。10カ所以上だと賞品が出るらしい。異常ね。煽る方も乗る方も。」
「了解しました。」
 チエも困るだろう。こういう輩は逃げ足も速い。そして、厄介なことに『模倣犯』が出やすい。大抵は『後手』に回るのだ。
 この会社の情報網を使って、出来るだけ未然に防ぐことで抑止力にするしかない。
 黙っていると、塔子が同じことを言った。
「塔子は、『読心術』も出来たのね。知らなかった。」
 また、固定電話が鳴った。
 今度は烏丸が受話器を上げた。
 ―完―


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