12 / 31
12.墓参り殺人事件
しおりを挟む
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============================================
==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
山並郁夫とは、俺のこと。
俺は、『殺しの請負人』、いや『殺し屋』になる筈だった。
長い間、あちこちに『傭兵』で参加していた俺は、あるコミックを読んで『殺し屋』になることにした。
ところが、人生、思ったようにはいかない。
俺は、隊長大文字伝子と運命的に出逢ったことで、今後の方針を固めた。
それは、『闇サイトハンター』として、EITOに、いや、大文字伝子に協力していくことだ。
義理の姉に呼び出されて、渋々行ったら、何のことはない。
墓参りだった。
俺達の親の墓参りではない。義姉の亡夫の墓参りだ。詰まり、『府中のドンファン』の墓参りだ。
「墓参りくらい、1人で行けばいいじゃん。運転免許証もクルマもあるんだし。」
「郁チャンの意地悪。恐いから頼んでいるのに。」メソメソ泣き出した義姉を見て、思わず「分かったよ。」と言ったら、「じゃ、墓参り済んだら抱いて。」と言うので、「ダメ。きょうだいなんだから。」と、『お相手』は断った。
義姉は、『自由恋愛』が不得意なのだ。『男漁り』に行けなくなったことも事実だ。
亡夫は有名人だった。だから、「不審死」などと騒がれ、殺人の汚名を着せられた。
義姉が信用出来る人間は、もはや、俺だけになったのだ。
喪服を選んでいるので、「喪服は要らないんじゃない?」と言ったら、「だって、祥月命日よ。お坊さんは呼ばないけど、ムードは大事でしょ。」と返して来た。
今日は日曜日だが、曇り空なので、墓は閑散としていた。
「ぎゃー!!」『府中のドンファン』の墓参りを済ませて帰ろうとすると、悲鳴が聞こえた。
逃げようとする犯人をラリアットで転倒させ、現場に行ってみた。姉貴もやってきた。
現場には、例のナイフガンナイフがあった。
すぐに、自分のスマホに写真を撮ってから、「姉貴。110番だ。」と怒鳴った。
姉貴は、「ここの番地分からないわ。」と言うので、急いで、現場に行った。
「大丈夫だ。GPSで分かるから。」と言って聞かせた。
いち早く駆けつけた警察官が、「あなたがやったんですか?」と、間抜けなことを言った。
「犯人はこいつ。私が犯人で通報するのなら、安全圏に逃げてからにしますよ。」
すぐに救急隊員が搬送に来た。
「失礼なお巡りさんね。主人の祥月命日だから、お墓参りに来たのよ。発見者を殺人犯にしたら、何万円ボーナス出るの?弁護士の先生に連絡した方がいいかしら?」
姉貴は、無理矢理、亡夫の墓に連れて行った。
分が悪いと感じたのか、警察官は他の警察官に促され、去って行った。
ゴミ袋を所定位置に捨て、柄杓とバケツを所定位置に返した俺達は、帰路に着いた。
姉貴は気が立っているので、運転は俺がした。
それが幸いした。
高速道路に入った途端に「煽り運転」のクルマが追走してきた。
このクルマには当然ドラレコが着いている。
亡夫の亡くなった後、パパラッチが絶えないので、弁護士の助言で360度録画出来るドラレコが搭載されている。
俺の指示で、姉貴はまた110番することになった。
サイレンが近づくと、煽り運転のクルマは遠ざかって行った。
俺は、白バイ警官にナンバーと状況を説明した。
「運が良かったですね。丁度こちらに向かう途中でした。ご協力、ありがとうございました。ナンバー覚えていない人、多いんですよねー。失礼します。」
白バイが去った後、漸く帰宅した。
手作りのバターライスを食べていると、「ねえ。まだ興奮しているの、泊まって行ってよ。」
「ごめん。6時に約束があるんだ。こういう時はね、文章書くと落ち着くよ。小説に書いてもいいし、日記に書いてもいいし。俺にメールするのもいいし。」
「郁チャンの意地悪。半世紀先でも待ってるからね。」
台所に去った姉貴を見て、「下半身はオッケーでも、巻き込みたくないんだよ、俺の仕事に。」と、ひとりごちた。
午後6時。
俺は、早く切り上げて正解だと思った。
PCを起動して、「パラ・リヴァイアサン」の『声明』を発見したからだ。
「じゃ、闇情報検索スタートだな。」
―完―
============================================
==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
山並郁夫とは、俺のこと。
俺は、『殺しの請負人』、いや『殺し屋』になる筈だった。
長い間、あちこちに『傭兵』で参加していた俺は、あるコミックを読んで『殺し屋』になることにした。
ところが、人生、思ったようにはいかない。
俺は、隊長大文字伝子と運命的に出逢ったことで、今後の方針を固めた。
それは、『闇サイトハンター』として、EITOに、いや、大文字伝子に協力していくことだ。
義理の姉に呼び出されて、渋々行ったら、何のことはない。
墓参りだった。
俺達の親の墓参りではない。義姉の亡夫の墓参りだ。詰まり、『府中のドンファン』の墓参りだ。
「墓参りくらい、1人で行けばいいじゃん。運転免許証もクルマもあるんだし。」
「郁チャンの意地悪。恐いから頼んでいるのに。」メソメソ泣き出した義姉を見て、思わず「分かったよ。」と言ったら、「じゃ、墓参り済んだら抱いて。」と言うので、「ダメ。きょうだいなんだから。」と、『お相手』は断った。
義姉は、『自由恋愛』が不得意なのだ。『男漁り』に行けなくなったことも事実だ。
亡夫は有名人だった。だから、「不審死」などと騒がれ、殺人の汚名を着せられた。
義姉が信用出来る人間は、もはや、俺だけになったのだ。
喪服を選んでいるので、「喪服は要らないんじゃない?」と言ったら、「だって、祥月命日よ。お坊さんは呼ばないけど、ムードは大事でしょ。」と返して来た。
今日は日曜日だが、曇り空なので、墓は閑散としていた。
「ぎゃー!!」『府中のドンファン』の墓参りを済ませて帰ろうとすると、悲鳴が聞こえた。
逃げようとする犯人をラリアットで転倒させ、現場に行ってみた。姉貴もやってきた。
現場には、例のナイフガンナイフがあった。
すぐに、自分のスマホに写真を撮ってから、「姉貴。110番だ。」と怒鳴った。
姉貴は、「ここの番地分からないわ。」と言うので、急いで、現場に行った。
「大丈夫だ。GPSで分かるから。」と言って聞かせた。
いち早く駆けつけた警察官が、「あなたがやったんですか?」と、間抜けなことを言った。
「犯人はこいつ。私が犯人で通報するのなら、安全圏に逃げてからにしますよ。」
すぐに救急隊員が搬送に来た。
「失礼なお巡りさんね。主人の祥月命日だから、お墓参りに来たのよ。発見者を殺人犯にしたら、何万円ボーナス出るの?弁護士の先生に連絡した方がいいかしら?」
姉貴は、無理矢理、亡夫の墓に連れて行った。
分が悪いと感じたのか、警察官は他の警察官に促され、去って行った。
ゴミ袋を所定位置に捨て、柄杓とバケツを所定位置に返した俺達は、帰路に着いた。
姉貴は気が立っているので、運転は俺がした。
それが幸いした。
高速道路に入った途端に「煽り運転」のクルマが追走してきた。
このクルマには当然ドラレコが着いている。
亡夫の亡くなった後、パパラッチが絶えないので、弁護士の助言で360度録画出来るドラレコが搭載されている。
俺の指示で、姉貴はまた110番することになった。
サイレンが近づくと、煽り運転のクルマは遠ざかって行った。
俺は、白バイ警官にナンバーと状況を説明した。
「運が良かったですね。丁度こちらに向かう途中でした。ご協力、ありがとうございました。ナンバー覚えていない人、多いんですよねー。失礼します。」
白バイが去った後、漸く帰宅した。
手作りのバターライスを食べていると、「ねえ。まだ興奮しているの、泊まって行ってよ。」
「ごめん。6時に約束があるんだ。こういう時はね、文章書くと落ち着くよ。小説に書いてもいいし、日記に書いてもいいし。俺にメールするのもいいし。」
「郁チャンの意地悪。半世紀先でも待ってるからね。」
台所に去った姉貴を見て、「下半身はオッケーでも、巻き込みたくないんだよ、俺の仕事に。」と、ひとりごちた。
午後6時。
俺は、早く切り上げて正解だと思った。
PCを起動して、「パラ・リヴァイアサン」の『声明』を発見したからだ。
「じゃ、闇情報検索スタートだな。」
―完―
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
春に狂(くる)う
転生新語
恋愛
先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/
カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる