闇サイトハンター

クライングフリーマン

文字の大きさ
15 / 31

15.「全ては大文字伝子の為に」

しおりを挟む
 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============================================
 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==

 ※このエピソードは、「大文字伝子の冒険375」のエピソードに関連しています。

 山並郁夫とは、俺のこと。
 俺は、『殺しの請負人』、いや『殺し屋』になる筈だった。
 長い間、あちこちに『傭兵』で参加していた俺は、あるコミックを読んで『殺し屋』になることにした。
 ところが、人生、思ったようにはいかない。

 俺には俺のやり方がある。「全ては大文字伝子の為に」。
 かっこつけてもナア。世間的には、プー太郎のオッサンだしなあ。
 コンビニに向かう途中、珍しく鯉のぼりを見た。
 4匹?吊るし過ぎだろう?竿も立派みたいだが。親のエゴか?
 ああいうのって、子供が成長してくると、子供から「もう止めて欲しい」と言われて、お披露目終いをするらしい。
 イジメの原因にもなるしなあ。「鯉のぼり男の癖に」って。
 柏餅を買ったら、「ついでにこれも。」と義姉が言った。
「背比べする時、ちまき食べるんでしょ?」
「決まってねえし。」「せいくらべしよう。」
 はいはい。つまんないことに拘るなあ。義姉貴は。
 帰り道、「柱に傷つけたら、美観損ねるぜ。」と言ったら、「じゃ、テープ貼る。養生テープ。」と返された。
 成程。工事する人や引っ越し屋がよく使うが、最近は、セロハンテープみたいな養生テープが売っている。女子高生が製造工場に直談判して作らせたことで有名だ。カラフルで可愛い。確かに傷はつかない。剥がしやすいし。
 義姉は、意外と頭がいい。
 だから、風俗も拘らず簡単に辞めたし、亡き夫のプロポーズも断らなかった。
「財産目当て」と散々言われたが、実は頭がいいからだ。
 相思相愛は、見せかけでは無かった。
 だからこそ、亡くなった時、大袈裟に泣いたりはしなかった。
 人は「色眼鏡」をかけると、あまり外そうとしない。
 1分泣こうと1時間泣こうと「演技が上手い」と揶揄される。
 その頃、俺は外国にいて、交流が途絶えていたが、再会したときの目尻の皺で真相は理解出来た。
 帰ると、義姉はいそいそと準備を始め、俺を柱の前に立たせた。
 そして、浅黄色の養生テープを背の高さと同じ位置に貼った。
「今度、郁チャンが貼って。」
 俺は、義姉の横に立って、指定された青紫色の養生テープを貼った。
 見比べて、「12センチくらいかな?」と言ってメジャーを持って来た。
 ぴったり12センチだった。
 驚いている俺に、義姉は「美容師の勉強をしているの。美容師ってね、『目分量』が確かでないといけないのよ。今からじゃ無理かな?」
「そんなことは無いよ。義姉貴は頭良いし、上達も早い。サロン開いたら、商売繁盛だよ。」
「ありがとう、郁チャン。20センチになったり10センチに戻ったり、男は大変ね。帰る前に、お好み焼き食べようね。」
「え???ああ、その材料だったんだ。俺、料理出来ないからイメージ湧かなかった。」
 にっと笑った義姉は、「スキ!!」と言ってキッチンに向かった。
 ―完―






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

春に狂(くる)う

転生新語
恋愛
 先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。  小説家になろう、カクヨムに投稿しています。  小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/  カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

処理中です...