『聖女の力が暴走した結果、無自覚にヤンデレ皇子を落としてしまった件』

春夜夢

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『第19話:君の中の命は、世界の理すら変える』

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聖域の空が、神の刃で裂かれた。

白銀の刺客が舞うたびに、異界の草木が消え去り、
時間すら歪んでいく。

「これが、神の本気……!」

レオン様が剣を掲げ、私の前に立つ。

「……下がっていろ。お前の命を守るためなら、
この世界ごと叩き壊しても構わない」

けれど私は、その手を取った。

「レオン様。今の私は、守られるだけの存在じゃない」

腹部に手を当てる。

「この子が、教えてくれるんです。
“愛によって奇跡は起こる”って」

その瞬間、私の体から光があふれた。

指先、髪、瞳までもが、まるで星の粒を散らすように輝いていく。

「……これは……っ」

「リディア、お前……!」

「聖女最終覚醒形態、“星の巫女”……」

神の遣いが、わずかに息を呑んだ。

「あなたの中の子、その命……
それは、“神の光”と“人の愛”が融合した、
世界に二度と生まれぬ存在……!」

「それが、罪だと言うのですか?」

私の声に、空間が震えた。

「罪ではない。だが、それは“秩序”の外だ。
予測不能な存在……神でさえ、制御できない可能性」

「だったら、私たちが証明します。
この子は、世界に幸福をもたらす命だって――!」

白銀の刺客が剣を構え直す。

「ならば、その信念……この神刃で証明してみせよ」

「上等だ……!」

レオン様が横に立ち、剣を交差させる。

「聖女と神敵の共闘だ。見せてやるよ、“神すら超える愛の形”ってやつを!」

その瞬間、私たちの力がひとつになった。

レオン様の漆黒の魔力と、私の星光の癒しが交差し――
巨大な光輪となって、神の刺客を包み込む。

「っ、ああああああああっ!!」

――そして、すべてが静かになった。

空が晴れ、草木が戻り、空間が穏やかに脈動する。

私は、ふたたびお腹に手を当てる。

この子は、きっと――世界を変える。

でもそれは、力や支配じゃない。
“愛”という形で、世界を照らす存在になると、確信していた。
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