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寝室のドアを静かに閉めると、
外の音がふっと遠のく。
部屋の明かりは小さく落とされて、
カーテン越しに月明かりが床を照らしていた。
ベッドのシーツの音と、
二人の足音だけがやさしく響く。
「……ふぁ~」
陽翔は小さなあくびをしながら、
ふわりとベッドに体を沈めた。
その動きがまるで猫みたいで、
蓮は思わず小さく笑いをもらした。
「……何笑ってんの」
「いや。ガキかよ」
「ひどっ。でも、あったかい~」
シーツの中にもぐりこんだ陽翔は、
気持ちよさそうに目を細めた。
仕事の疲れも、夜風の冷たさも、
この空間の中ではもう残っていなかった。
*
蓮もベッドの反対側に腰を下ろし、
ゆっくりと横になる。
枕の高さ、シーツの感触――
すべてが“ふたりの暮らし”の一部になっていた。
「……ねぇ、蓮さん」
「ん」
「この時間、好き」
「またそれか」
「いいでしょ。何回言っても飽きないもん」
「……バカ」
陽翔が蓮の方に少しだけ体を寄せると、
肩と肩がやわらかく触れた。
その温度が、眠る前の空気にしっとりと溶けていく。
「……あったかい」
「布団のせいだろ」
「ちがうよ、蓮さんのせい」
「……うるせぇ」
けれど、蓮は拒まない。
むしろ、自然と腕を伸ばして
陽翔の頭を自分の胸元へと引き寄せた。
*
二人の呼吸が静かに重なり合う。
部屋の空気がしんと落ち着いて、
時計の秒針だけがやさしく刻まれる。
「……蓮さん」
「なんだ」
「明日も、いっしょに朝起きられる?」
「当たり前だろ」
「へへ、よかった」
蓮の胸元に顔を埋めながら、
陽翔は小さく笑った。
その声が、夜の静けさにとけていく。
「……ほんと、お前うるせぇ」
「じゃあ、静かに寝るね」
「……最初からそうしろ」
「……でも」
「……?」
「“おやすみ”はちゃんと言いたい」
陽翔が顔を上げると、
至近距離で蓮の瞳と目が合う。
月明かりが差し込んで、
その横顔がやさしく浮かび上がった。
「……おやすみ、蓮さん」
「……おやすみ」
蓮は少しだけ陽翔の額に唇を落とした。
軽くて、やわらかくて、
“好き”が詰まった、ふたりの一日の終わり。
*
シーツの中で指先が重なり、
自然と手と手が絡む。
夜の静けさに包まれながら、
ふたりの体温だけがゆっくりと広がっていった。
「……蓮さん」
「今度はなんだよ」
「好き」
「……寝ろ」
「うん」
ふっと息が重なり、
陽翔のまぶたがゆっくりと閉じる。
夜は静かに、ふたりを包み込んでいた。
何も特別なことはないけれど――
この“穏やかな夜”が、ふたりの恋の一番の証だった。
🕊️ 第78話 予告:「朝のまどろみ」
翌朝、目を覚ます前の、
ふたりで過ごす“半分夢の中”の時間。
やさしい空気とぬくもりが、ふたりを包む。
外の音がふっと遠のく。
部屋の明かりは小さく落とされて、
カーテン越しに月明かりが床を照らしていた。
ベッドのシーツの音と、
二人の足音だけがやさしく響く。
「……ふぁ~」
陽翔は小さなあくびをしながら、
ふわりとベッドに体を沈めた。
その動きがまるで猫みたいで、
蓮は思わず小さく笑いをもらした。
「……何笑ってんの」
「いや。ガキかよ」
「ひどっ。でも、あったかい~」
シーツの中にもぐりこんだ陽翔は、
気持ちよさそうに目を細めた。
仕事の疲れも、夜風の冷たさも、
この空間の中ではもう残っていなかった。
*
蓮もベッドの反対側に腰を下ろし、
ゆっくりと横になる。
枕の高さ、シーツの感触――
すべてが“ふたりの暮らし”の一部になっていた。
「……ねぇ、蓮さん」
「ん」
「この時間、好き」
「またそれか」
「いいでしょ。何回言っても飽きないもん」
「……バカ」
陽翔が蓮の方に少しだけ体を寄せると、
肩と肩がやわらかく触れた。
その温度が、眠る前の空気にしっとりと溶けていく。
「……あったかい」
「布団のせいだろ」
「ちがうよ、蓮さんのせい」
「……うるせぇ」
けれど、蓮は拒まない。
むしろ、自然と腕を伸ばして
陽翔の頭を自分の胸元へと引き寄せた。
*
二人の呼吸が静かに重なり合う。
部屋の空気がしんと落ち着いて、
時計の秒針だけがやさしく刻まれる。
「……蓮さん」
「なんだ」
「明日も、いっしょに朝起きられる?」
「当たり前だろ」
「へへ、よかった」
蓮の胸元に顔を埋めながら、
陽翔は小さく笑った。
その声が、夜の静けさにとけていく。
「……ほんと、お前うるせぇ」
「じゃあ、静かに寝るね」
「……最初からそうしろ」
「……でも」
「……?」
「“おやすみ”はちゃんと言いたい」
陽翔が顔を上げると、
至近距離で蓮の瞳と目が合う。
月明かりが差し込んで、
その横顔がやさしく浮かび上がった。
「……おやすみ、蓮さん」
「……おやすみ」
蓮は少しだけ陽翔の額に唇を落とした。
軽くて、やわらかくて、
“好き”が詰まった、ふたりの一日の終わり。
*
シーツの中で指先が重なり、
自然と手と手が絡む。
夜の静けさに包まれながら、
ふたりの体温だけがゆっくりと広がっていった。
「……蓮さん」
「今度はなんだよ」
「好き」
「……寝ろ」
「うん」
ふっと息が重なり、
陽翔のまぶたがゆっくりと閉じる。
夜は静かに、ふたりを包み込んでいた。
何も特別なことはないけれど――
この“穏やかな夜”が、ふたりの恋の一番の証だった。
🕊️ 第78話 予告:「朝のまどろみ」
翌朝、目を覚ます前の、
ふたりで過ごす“半分夢の中”の時間。
やさしい空気とぬくもりが、ふたりを包む。
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