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第6話『最初の都市へ、冒険の始まり』
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「この世界に、“代行者”として正式に立つ準備が整いました」
リュミエールが微笑みながら告げた。
「リク、最初の任務として人間界の都市《ベルナール》へ降り立ってもらいます」
「ベルナール……?」
「東方の交易都市です。そこに、魔族と人間の衝突を狙う“影の勢力”が暗躍しています」
「いきなり国際問題レベルかよ……」
「ですが心配いりません。あなたの力は、もはや国家を動かせるレベルに近い」
「そう簡単に言わないでくれ……」
---
旅立ちの日。
ノア、アリア、セリナの三人が、それぞれの装備で同行することになった。
「当然です。リクさまのお供は、私にお任せを!」
「こいつを野放しにしてたら、他の女にさらわれるからな」
「私は命を賭けて、あなたを守ります。……それが“私の誓い”ですから」
……なんだろう、もうツッコむ気力もない。
---
転移魔法陣を通じて、俺たちはベルナールの外れにある丘へと降り立った。
「わあっ、風が気持ちいいですね!」
ノアが両手を広げて駆けていく。
アリアは険しい顔で空を見上げ、セリナは周囲の警戒を怠らない。
「……これが、外の世界」
俺にとっても、初めての本格的な“冒険”だった。
---
ベルナールの街並みは、活気に溢れていた。
石畳の通りには露店が並び、
子どもたちが遊び、音楽と香辛料の香りが混ざる。
「リクさま、あれっ! あの串焼き美味しそうです!」
「ちょ、ノア、はしゃぎすぎ……!」
「私が買ってくる。少し待て」
アリアが金貨を取り出して、串焼きを三本買ってきた。
「……なにこれ、うまっ!」
「……ふふ。人間の味も、悪くないな」
(……こうしてると、ただの旅みたいだ)
だがその幸せな時間は、突然破られた。
「きゃあああっ!」
街の中央広場で悲鳴が上がる。
駆け寄ると、黒いローブを纏った者たちが、
魔術で広場を封鎖していた。
「リク、あれは――」
「“暗黒連盟”です」
セリナが剣を抜く。
「かつて魔王軍と契約していた残党。その中でも最も凶悪な“影の教団”です」
その中心に、ひとりの少女が立っていた。
黒いチャイナドレスに身を包み、
紫の瞳をこちらに向けて微笑む。
「初めまして、“代行者”さま。ようこそ、この街へ」
「……お前は?」
「わたくし? 名をアイリス。“影の使徒”を名乗らせていただいております」
「……敵か?」
「いえ、興味があるだけ。あなたがどんな存在か、近くで確かめたくて」
そう言って彼女は、小さく頭を下げた。
「ご挨拶がわりに、街の治安部隊を“眠らせ”ました。
さあ、“代行者”さま。わたくしと“遊んで”いただけませんか?」
---
新たな敵? それとも――?
俺の冒険は、いきなり波乱の展開を迎えることになる。
---
◆次回予告
第7話『影の使徒アイリスと、対峙する者たち』
リュミエールが微笑みながら告げた。
「リク、最初の任務として人間界の都市《ベルナール》へ降り立ってもらいます」
「ベルナール……?」
「東方の交易都市です。そこに、魔族と人間の衝突を狙う“影の勢力”が暗躍しています」
「いきなり国際問題レベルかよ……」
「ですが心配いりません。あなたの力は、もはや国家を動かせるレベルに近い」
「そう簡単に言わないでくれ……」
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旅立ちの日。
ノア、アリア、セリナの三人が、それぞれの装備で同行することになった。
「当然です。リクさまのお供は、私にお任せを!」
「こいつを野放しにしてたら、他の女にさらわれるからな」
「私は命を賭けて、あなたを守ります。……それが“私の誓い”ですから」
……なんだろう、もうツッコむ気力もない。
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転移魔法陣を通じて、俺たちはベルナールの外れにある丘へと降り立った。
「わあっ、風が気持ちいいですね!」
ノアが両手を広げて駆けていく。
アリアは険しい顔で空を見上げ、セリナは周囲の警戒を怠らない。
「……これが、外の世界」
俺にとっても、初めての本格的な“冒険”だった。
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ベルナールの街並みは、活気に溢れていた。
石畳の通りには露店が並び、
子どもたちが遊び、音楽と香辛料の香りが混ざる。
「リクさま、あれっ! あの串焼き美味しそうです!」
「ちょ、ノア、はしゃぎすぎ……!」
「私が買ってくる。少し待て」
アリアが金貨を取り出して、串焼きを三本買ってきた。
「……なにこれ、うまっ!」
「……ふふ。人間の味も、悪くないな」
(……こうしてると、ただの旅みたいだ)
だがその幸せな時間は、突然破られた。
「きゃあああっ!」
街の中央広場で悲鳴が上がる。
駆け寄ると、黒いローブを纏った者たちが、
魔術で広場を封鎖していた。
「リク、あれは――」
「“暗黒連盟”です」
セリナが剣を抜く。
「かつて魔王軍と契約していた残党。その中でも最も凶悪な“影の教団”です」
その中心に、ひとりの少女が立っていた。
黒いチャイナドレスに身を包み、
紫の瞳をこちらに向けて微笑む。
「初めまして、“代行者”さま。ようこそ、この街へ」
「……お前は?」
「わたくし? 名をアイリス。“影の使徒”を名乗らせていただいております」
「……敵か?」
「いえ、興味があるだけ。あなたがどんな存在か、近くで確かめたくて」
そう言って彼女は、小さく頭を下げた。
「ご挨拶がわりに、街の治安部隊を“眠らせ”ました。
さあ、“代行者”さま。わたくしと“遊んで”いただけませんか?」
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新たな敵? それとも――?
俺の冒険は、いきなり波乱の展開を迎えることになる。
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◆次回予告
第7話『影の使徒アイリスと、対峙する者たち』
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