『スキル0の俺が“女神の代行者”に指名されて、気づけば世界最強ハーレムでした』

春夜夢

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第26話『聖戦の始まりと、奪われた微笑み』

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――異世界《ヴァーネル》からの侵攻が始まった。

その第一波は、王都北東にある交易都市《マルセル》への奇襲だった。

「……っ、報告です! マルセルが襲撃されました!
 防衛線が突破され、指揮系統も寸断されています!」

アイリスが淡々と情報を投げる一方で、
リクの心は、冷たい鉛のように重く沈んでいた。

(マルセルには……)

そこには、ノアが一時的に滞在していたはずだった――。


---

数刻後、王都へ届いたのは、
重傷者と一緒に運ばれてきたノアの羽飾りだった。

「……うそ、だろ」

「……確認されているのは、市街地壊滅、魔獣兵投入による大規模蹂躙。
 ノア=スプリンクルの生死は“不明”です」
アイリスが震える声で続けた。

「ノア……!」

「リクさまのこと、……笑って話してたんです」
同じく避難民として戻ってきた少女が、涙ぐみながら言った。

「“必ず帰るから、大丈夫だよ”って。……最後まで、笑ってて……」


---

ノアがいない。
あの明るい声も、無邪気な笑顔も、今はもう届かない。

リクは拳を強く握った。

「アレス……!」

「やつは、お前を追い詰めようとしてる。
 “もっとも愛する者”から奪って、戦意を削ごうとしている」
リュミエールが静かに言った。

「だったらなおさら……負けられない」
リクの声が低く、震えた。

「絶対に、取り戻す。……ノアを、みんなを、笑顔も未来も全部!」


---

同時刻。
異世界ヴァーネルの前線拠点――“黒翼城”。

アレスは、冷たい眼差しで一人の少女を見下ろしていた。

ボロボロの服、かすかに震える手。
それでもなお、必死に祈るように抱きしめていたのは――

「リクさまの……風を、信じてます……」

ノアは、生きていた。

アレスは小さく笑った。

「ふーん。まだ壊れないか。いいよ。
 君は“最高の餌”だから、大切に保管してあげる」

「リクさまが……きっと……」

その声は、かすかでも確かに“信じていた”。


---

◆次回予告
第27話『奪還作戦・コードウィンド発動』
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