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第15話:告白と決断、そして新たな敵
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数日後――王都の政庁内でひとつの“騒ぎ”が起きていた。
「カースウェル家の次期当主候補、レオン・カースウェル殿が、叔父ヴィルヘルム卿の王政派違法資金流用を告発――だと?」
貴族議会内に走った衝撃は大きかった。
血縁に刃を向けるなど、通常の貴族であれば「裏切り者」として排斥される覚悟が必要だ。
それでもレオンは、自らの署名と印をもって正式告発を行った。
「……これが、俺の答えだ」
その報せはすぐにクラリス・エルフォードのもとにも届いた。
「……本当に、やり遂げたのね。あの人は」
クラリスは窓辺に立ち、静かに空を見上げた。
どれほどの決意が必要だったか、想像するだけで胸が痛くなる。
それと同時に、彼女の元にはもう一人――ユリウス・ルーベルトからの招待が届いていた。
ユリウスが用意したのは、彼の私邸の奥にある静かなサロン。
そこには、二人きりの空間が広がっていた。
「本日は、仕事ではなく――あなた“個人”と向き合いたくて、お呼びしました」
クラリスは驚いた表情を見せる。
「いつも“閣下”としての顔しか見せなかったあなたが、珍しいですわね」
「君は私にとって、もう“ただの補佐”ではない。……それを、きちんと伝えたかった」
そう言って、ユリウスは小さな箱をテーブルの上に置く。
「これは……?」
「ルーベルト家に伝わる、婚約の意志を示す印。もちろん、今すぐ答えをくれとは言わない。だが――私は君と、政治でも、人生でも、並び立つ未来を願っている」
クラリスの指が、その小箱の縁に触れる。
(私の前には、誠実に未来を示してくれる人が二人いる)
一人は、血を越えてでも信念を貫いたレオン。
一人は、地位と責任の中でなお彼女を“選んだ”ユリウス。
どちらかを選ぶということは、もう一方との未来を閉じるということ。
クラリスは、微笑んだ。
「……ありがとうございます。お返事は、もう少しだけ先にさせてください。今はまだ――“やるべきこと”がありますから」
ユリウスは静かに頷いた。
「それでこそ、私が惚れた女性だ」
その夜。
クラリスが屋敷に戻ると、密偵のひとりが息を切らして駆け込んできた。
「ご報告を……“舞踏会事件”、真の黒幕が判明しました!」
「……誰?」
「侯爵家のひとつ、“グラストン家”です。裏で王政派急進派と結びつき、舞踏会の混乱を利用してユリウス閣下の立場を失墜させる計画だったようです」
「……そう。ついに、繋がったのね」
クラリスは目を閉じ、ゆっくりと立ち上がる。
「ならば、あとは――“裁きの舞台”を整えるだけですわね」
逆転劇は、最終局面へ。
偽りと陰謀の帳が、いま、引き裂かれようとしている。
「カースウェル家の次期当主候補、レオン・カースウェル殿が、叔父ヴィルヘルム卿の王政派違法資金流用を告発――だと?」
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「これは……?」
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クラリスの指が、その小箱の縁に触れる。
(私の前には、誠実に未来を示してくれる人が二人いる)
一人は、血を越えてでも信念を貫いたレオン。
一人は、地位と責任の中でなお彼女を“選んだ”ユリウス。
どちらかを選ぶということは、もう一方との未来を閉じるということ。
クラリスは、微笑んだ。
「……ありがとうございます。お返事は、もう少しだけ先にさせてください。今はまだ――“やるべきこと”がありますから」
ユリウスは静かに頷いた。
「それでこそ、私が惚れた女性だ」
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「……そう。ついに、繋がったのね」
クラリスは目を閉じ、ゆっくりと立ち上がる。
「ならば、あとは――“裁きの舞台”を整えるだけですわね」
逆転劇は、最終局面へ。
偽りと陰謀の帳が、いま、引き裂かれようとしている。
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