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第23話 “ただいま”と“おかえり”が同じ場所にある幸せ
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春の風が、街の桜をやさしく揺らしていた。
駅のホームに立つルカの胸は、少しだけ早鐘のように鳴っていた。
(ほんとに……この日が来たんだ)
改札の向こうに、小さなキャリーケースを引いたユノが現れた。
目が合った瞬間、ふたりは自然に駆け寄った。
「……ユノ!」
「ルカ……!」
何も言葉を交わさずに抱きしめたその時間が、すべてを物語っていた。
「……来たよ、ルカ。やっと“帰ってきた”って言える日が来た」
「……おかえり、ユノ。ずっと、待ってた」
ふたりで暮らす部屋は、小さなワンルーム。
でも、ルカにとっては世界一広くて、あたたかい場所だった。
玄関の棚にふたり分の靴。
キッチンに並ぶふたつのマグカップ。
そして、リビングには——
手紙を入れた大きな箱が、静かに置かれていた。
「これ全部……取っておいてくれたんだ」
「もちろん。だって、離れてた時間も、私たちの“恋”だったから」
ユノはその箱にそっと手を添えたあと、ルカの方を向いて微笑んだ。
「ねえ、今日からはもう、
“好きだよ”って言いたいときに、直接言ってもいいんだよね?」
「うん。声に出して、触れて、抱きしめられる」
「じゃあ……好きだよ、ルカ」
「私も。……大好き」
その夜、ふたりでスーパーに行って、カレーを作った。
途中、じゃがいもの皮をうまく剥けなくて笑い合って、
ルカが少し焦がして、ユノが味を調えて——
そんな当たり前の時間が、涙が出そうなほど幸せだった。
ベッドに並んで横になったあと、ユノがぽつりと呟いた。
「ねえ、これから毎晩、こうして一緒に眠れるんだね」
「うん。“またね”って言わなくていい」
「……夢みたいだね」
「でもこれは、ふたりで叶えた未来だよ」
ぎゅっと手を握り合って、最後に静かに、唇を重ねた。
そして、その夜から始まった。
“遠距離恋愛”ではない、
“ふたりで生きていく日々”が。
——「おかえり」「ただいま」が、同じ場所で言える日々が。
駅のホームに立つルカの胸は、少しだけ早鐘のように鳴っていた。
(ほんとに……この日が来たんだ)
改札の向こうに、小さなキャリーケースを引いたユノが現れた。
目が合った瞬間、ふたりは自然に駆け寄った。
「……ユノ!」
「ルカ……!」
何も言葉を交わさずに抱きしめたその時間が、すべてを物語っていた。
「……来たよ、ルカ。やっと“帰ってきた”って言える日が来た」
「……おかえり、ユノ。ずっと、待ってた」
ふたりで暮らす部屋は、小さなワンルーム。
でも、ルカにとっては世界一広くて、あたたかい場所だった。
玄関の棚にふたり分の靴。
キッチンに並ぶふたつのマグカップ。
そして、リビングには——
手紙を入れた大きな箱が、静かに置かれていた。
「これ全部……取っておいてくれたんだ」
「もちろん。だって、離れてた時間も、私たちの“恋”だったから」
ユノはその箱にそっと手を添えたあと、ルカの方を向いて微笑んだ。
「ねえ、今日からはもう、
“好きだよ”って言いたいときに、直接言ってもいいんだよね?」
「うん。声に出して、触れて、抱きしめられる」
「じゃあ……好きだよ、ルカ」
「私も。……大好き」
その夜、ふたりでスーパーに行って、カレーを作った。
途中、じゃがいもの皮をうまく剥けなくて笑い合って、
ルカが少し焦がして、ユノが味を調えて——
そんな当たり前の時間が、涙が出そうなほど幸せだった。
ベッドに並んで横になったあと、ユノがぽつりと呟いた。
「ねえ、これから毎晩、こうして一緒に眠れるんだね」
「うん。“またね”って言わなくていい」
「……夢みたいだね」
「でもこれは、ふたりで叶えた未来だよ」
ぎゅっと手を握り合って、最後に静かに、唇を重ねた。
そして、その夜から始まった。
“遠距離恋愛”ではない、
“ふたりで生きていく日々”が。
——「おかえり」「ただいま」が、同じ場所で言える日々が。
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