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第24話 この日常がずっと続くなら、その先を願ってもいい
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朝の光がカーテン越しに部屋を照らす。
ユノがルカの隣で、まだ眠そうに目をこすった。
「……ん。おはよう、ルカ」
「おはよう。もう少し寝てていいよ」
「だめー。ルカが先に起きちゃうと、朝ごはん作っちゃうから。
今日は私が作るって言ったの、覚えてる?」
「……あ、はい」
ユノが頬をふくらませながらベッドから抜け出す姿に、ルカは思わず笑った。
キッチンから漂う焼きたてパンの香りと、紅茶の香り。
ふたり分の食器。
向かい合って座る時間。
「……ほんとに、夢みたいだね」
「毎日そう言ってる」
「だってほんとに、そうなんだもん」
ユノはバターを塗ったトーストをルカの皿にすっと差し出した。
「はい、今日の“好き”のかたまり」
「ふふ……ありがとう。じゃあ、今日の“ありがとう”は、お弁当で返す」
「うれしい……ふたりで過ごす毎日が、お互いへの贈り物みたい」
その夜、夕食後にソファでくつろぎながら、ユノがぽつりと呟いた。
「ねえ、ルカ。ずっとこのままでいたいって、思う?」
「うん。思うよ。毎日、ちゃんと同じ屋根の下にいて、
一緒に笑って、疲れたらそばにいて……それが、当たり前であってほしい」
「……でもね、私はちょっと思ってるの」
「なにを?」
ユノは、ほんの少し照れながらも、真っ直ぐに言った。
「“このまま”もいいけど、
“この先”も、ちゃんと決めたいなって。
——ふたりで、名前を並べて生きていく未来を」
ルカの胸が跳ねた。
(それは、まるで……)
「それって……」
「ううん、今はまだ“言わない”。でもね、
きっともうすぐ、そういう話をしたくなると思うの。
それくらい、ルカのことが大切だから」
そっと、ふたりの指が重なった。
今日の幸せは、今日で終わらない。
積み重ねていくことで、
きっとふたりは、同じ“未来”を描けるようになる。
——そのとき、あらためて“恋人以上”の言葉を口にしよう。
明日も同じベッドで目覚めて、
“おはよう”が言える未来の先へ。
ユノがルカの隣で、まだ眠そうに目をこすった。
「……ん。おはよう、ルカ」
「おはよう。もう少し寝てていいよ」
「だめー。ルカが先に起きちゃうと、朝ごはん作っちゃうから。
今日は私が作るって言ったの、覚えてる?」
「……あ、はい」
ユノが頬をふくらませながらベッドから抜け出す姿に、ルカは思わず笑った。
キッチンから漂う焼きたてパンの香りと、紅茶の香り。
ふたり分の食器。
向かい合って座る時間。
「……ほんとに、夢みたいだね」
「毎日そう言ってる」
「だってほんとに、そうなんだもん」
ユノはバターを塗ったトーストをルカの皿にすっと差し出した。
「はい、今日の“好き”のかたまり」
「ふふ……ありがとう。じゃあ、今日の“ありがとう”は、お弁当で返す」
「うれしい……ふたりで過ごす毎日が、お互いへの贈り物みたい」
その夜、夕食後にソファでくつろぎながら、ユノがぽつりと呟いた。
「ねえ、ルカ。ずっとこのままでいたいって、思う?」
「うん。思うよ。毎日、ちゃんと同じ屋根の下にいて、
一緒に笑って、疲れたらそばにいて……それが、当たり前であってほしい」
「……でもね、私はちょっと思ってるの」
「なにを?」
ユノは、ほんの少し照れながらも、真っ直ぐに言った。
「“このまま”もいいけど、
“この先”も、ちゃんと決めたいなって。
——ふたりで、名前を並べて生きていく未来を」
ルカの胸が跳ねた。
(それは、まるで……)
「それって……」
「ううん、今はまだ“言わない”。でもね、
きっともうすぐ、そういう話をしたくなると思うの。
それくらい、ルカのことが大切だから」
そっと、ふたりの指が重なった。
今日の幸せは、今日で終わらない。
積み重ねていくことで、
きっとふたりは、同じ“未来”を描けるようになる。
——そのとき、あらためて“恋人以上”の言葉を口にしよう。
明日も同じベッドで目覚めて、
“おはよう”が言える未来の先へ。
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