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Nemo

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1 音の倉庫

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 俺はこの○○駅の駅員をしている者だ。そして俺はこの駅で1番長く働いている。どうしてかというと見つかったら辞めていったからだ、辞めていった人からは何やら幽霊やら心霊現象やら言って辞めていったのだ。しかし俺は長年ここを働いてそんな幽霊やら何やらを見たことないのだ。もし幽霊だとしても此処で死んだ人を俺は聞いたことない。でもやはり駅員が辞めるほどだ。この駅には何かがある。俺はそう思った。
 その日の夜、女性の駅員が駅の倉庫近くを歩った。すると奇妙な声がした。「お~い姉ちゃんよぉ~」「えっ?」後ろを振り向いても誰もいない。そして電車の音がした。しかし電車は来てない。「な、何よこれ、気持ち悪い」女性の駅員はすぐに階段を登り帰っていった。
 次の日俺はいつも通り仕事部屋に入った。すると女性の社員が青ざめた顔で話していた。「本当だって・・本当に聞こえたんだって。人の声と無いはずの電車の音が」また言ってやがると俺は思いながら席に座った。するとこんな声も聞こえた「そういえば前の社員が辞めた時も声が聞こえるっていうので怖くて辞めたんですよね?」「そうそう。いつもあの倉庫の近くから」俺は言った「倉庫に何か異常があるのか?あるんだったら俺が夜様子を見てもいいが」まったくどいつもこいつも幽霊なんていやしないのに何を怖い怖いと言っているんだ。倉庫に異常が起きてるのなら言えばいいのにと思いながら少しイラついていた。これを言うと笑われるが、一番社員が辞める理由を知りたいのは俺だ。でもその理由が幽霊やら何やらだと思うと腹が立つ。みんな一生懸命やってるのに最近の奴と言ったらまったく。
 そう思いながら夜になり最終電車が過ぎすっかり夜中になった頃だった。俺は1人で社員達が騒ぐ倉庫へと向かった。確かに街灯の光もあまり届かない不気味といえば不気味なところだった。しかししばらく待っていても何も起こらない。やはり社員はワザと理由をくっつけてと思ったその時だった。「きゃー、ちょっとやめてよ」という声が倉庫の方から聞こえた。「誰かいるのか?」そしてまた声がした。「こんにちは」確かに社員が心霊現象というのも分かる。しかしやはりおかしい。この声は明らかに幽霊というよりは、まるで音を録音してそれを再生したかの様な音だった。そして俺は倉庫の鍵を使い倉庫の扉を開けた。しばらく使ってないのもあったので独特な匂いが倉庫内をただよっていた。「誰かいるのか?」と言ったが誰もいない。するとさっきよりも大きな音で聞こえた。「あ、もしもし」俺は音のする方向へ歩って行った。するとそこにはバッタのような昆虫がいた。そしてその昆虫は羽を絶妙に揺らして音を出した。それは電車の音だった。そこでやっと原因が分かった。このバッタのような昆虫が周囲の音を録音してそれを再生する生き物だった。よく見ると倉庫のあちこちにその昆虫がいた。俺はそのうちの1匹をポケットに入れて仕事部屋に持って帰り社員に見せた。「お前らが幽霊と言ってるのはこれか?」と言った瞬間にその昆虫は羽をこすり鳴いた。「仕事面倒くさいよなぁ~」周りの社員も驚いていた。が、仕事面倒くさいよなの声が何処かで聞いた声だったので少し腹が立ったがまぁ原因が分かった事で社員も納得してるようだから何も言わない事にしよう。
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