転生司教の憂鬱

双葉珠洲

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 私は『面が良い者』が好きだ。

 大好きだ。
 愛している。

 面の良さに貴賤はない。

 可愛い、美しい、凛々しい、勇ましい、渋い。
 老いも若きも、男も女も関係ない。

 もちろん種族人種は問わない。
 動物だって面が良ければ好きだ。
 何だったら魚類や植物だって面が良ければ推せる。


 私は兎に角、面が良い者が好きなのだ。

 そこに意味はない。
 別に信念めいた何かがあるわけでもないし、そこに矜持があるわけでもない。

 ただただ、『面が良い』という事に好感を覚えるだけ。

 それを愛でていたい。
 出来れば傍に置き囲っておきたい。

 それだけなのに。


「やはり、貴方様こそ開祖様の生まれ変わり。当代の聖人様であります。……貴方様が望むのはこの国、いやこの世界ですかな」


 どうしてこうなった。

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