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✿ 密着!カナメ様の学園生活
15時、ルヒト・ヘルストレーム:前編
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貴族の中には領地を持ちかつ王宮で何かしらの役職を持つ家もあれば、領地はないが王宮にて何かしらの役を持つ法服貴族、またその逆の領主貴族もある。
この領主貴族に対し、法服貴族の一部は田舎貴族などと言い下に見ることがある。
これを嘆かわしいと感じているのは、現国王のロドルフだ。
彼、ルヒト・ヘルストレームのヘルストレーム伯爵家はまさに領主貴族。
領地に姉と跡取りの長男、厳しくも頼りになる父と優しくも時には父より恐ろしい母、そして穏やかな祖母がいる。
彼は田舎貴族などと言われても気にしたことはない。
幼い頃は多少あったが、それでも領地の素晴らしさを知っている自分がそれに対し悲しんではいけないと思う気持ちがあるからだ。
それでも時々悲しくもなる。
学園には多くの様々な貴族子女があつまる。
そうなれば心無いことも言われるのだ。
一度、入学して少し、本当に落ち込んだ時があった。
その時だ。
──────そう。じゃあ、君たちは彼の領地のものはひとつたりとも家にないと言えるんだね?君たちは自分たちの領地だけで全てを賄っているの?君たちが言う田舎貴族が販売するものは何一つ使っていないんだね。そもそも君たちの家は法服貴族。領地はないと思うけれど、君たちのいう田舎貴族から何も購入はしていないの?
静かな声は教室を満たした。
そこにいたのは、囁かれるクールビューティーなんて言葉以上に冷たい目をした白銀の髪を持つ人だ。
ルヒトとカナメが初めて出会ったのはとある花壇の前。
その時カナメは一人で花壇の近くで立っており、どうやら従者もいないようだった。
超個人的理由から、ギャロワ侯爵家の人とは関わらないようにしようと心に決めていたにもかかわらず、
──────困っている人がいて、助けてあげられる範囲の事だったら、助けてあげなさいね。 さすればいずれその行いが、必ず貴方に返ってきますから。
という祖母の言葉を思い出し、頭の中から追い出したはずの
(一人で待ってるのかな?それってちょっと寂しくなったり、不安になったりしないかな?そもそも、何か困ってるのかもしれないし……)
という思いが再念。そして声をかけてしまったのだ。
どうやらカナメは自身の従者ではない従者──アルノルトのことである──を待っているところで、いつまでも来ないアルノルトをアーネが探しにいっているところだった。
いくら安全を謳う学園内でも有力貴族がひとりぽつんは危なくないか、とおせっかいをしたルヒトに「大丈夫。これでも自分一人守るくらいはなんとかできるよ」とカナメは涼しい顔──所謂あの外行の顔である──で言い
(おせっかいだったかなあ、やっぱり)
と申し訳ない気持ちになったルヒトは「でも、気にしてくれてありがとう」と続けて礼を言われ驚いた。
彼の兄のような噂は聞いたことはないけれど、素直に礼を言われるとは思いもしていなかったのである。
「なら少しだけ、付き合ってもらってもいい?せっかくだから」
なんていうカナメと互いに自己紹介をし、少しの間時間を共にした。
それだけで終わった関係だったのだが、先のようにカナメは花壇の前であったあの時の顔なんて忘れてしまいそうになるほどの顔で、ルヒトの前で言ったのだ。
──────彼の領地の伝統的な、まさに一級の芸術品とも言えるラグは国王陛下にも献上される素晴らしいもので、国王陛下は大層好んで私室にひいてらっしゃるようだけれど……そう。
心なしか室内の気温がグンと下がった気がするほどに感じたルヒトだが、自分を蔑んだクラスメイトの顔色はそれを抜きにしても異常に悪い。
それはそうだ。
彼らは「田舎貴族が作るものなんて家畜の餌のようなものだ。使う方の気が知れない」なんて言い切ったのだから。
しかもそれを聞いたのが王子殿下の幼馴染であり側近と噂されるカナメなのだ。
人生が終わったと思ってもおかしくはないと、ルヒトは彼らの顔色の理由に納得した。同情は一切しないが。
その上、どうやら入り口でこれまた全てを聞いていたらしいマチアスがカナメの視線を受け、全員がマチアスを見ている中でただ一度だけ頷いた。
もうきっと、生きた心地なぞしなかっただろう。
頷きの理由ははっきりいってルヒトにはさっぱり判断できなかったが、「確かに父はあのラグを好んでいる」の頷きだろうが、「この不快な話は全て聞いた」の頷きだろうが、「カナメの言葉は正しい」の頷きだろうがなんだろうが、恐怖しかない。
だって彼は頷いたのだから。
それから表立って田舎貴族だと言うものはこの学年にはいなくなったが、蔑んだ彼らは同時にルヒトに謝罪する機会も持てないまま三学年になった。
どうして謝罪の機会がなかったか。
それはカナメとルヒトが友人になった──問題発言をしたものからすれば、なってしまった、という心情だろうが──からである。
謝罪をしようにも二の足を踏んだのだろう。
あのカナメの顔と目つきに射抜かれて、謝罪する勇気が持てなかったのかも知れない。
しかし二人が友人関係として周知されるまでに謝罪する機会はあった。
この“国王陛下に献上したラグ事件”から、二人が友人だと周知されるまでの間には時間があったのだから。
さて、話を続ける前に、今後のためにルヒトがどうして『ギャロワ侯爵家の人とは関わらないようにしよう』と決めていたか、と言う話をしておこうと思う。
彼には姉と兄がいる。生まれた順番としては、ルヒトの三歳年上の姉、二歳年上の兄、そしてルヒト、という形になる。
一番の問題はこの姉リリーメイだ。
彼女は社交界の白薔薇様、そうカナメの母デボラの超熱狂的なファンなのである。
そのあまりの熱狂っぷりにより彼女は学園に入学したものの『病弱により通えない』とされ、自宅学習にて卒業している。
学園では病弱によりと言うことで通っていたのだが、彼女と親しい生徒が「学園にこれないって本気で落ち込んでるの。白薔薇様にお会いしたいってよく言っていたのに、領地では難しいじゃない?今度何か送ってあげようと思って」と話していたのをきっかけに尾鰭がつきまくって、リリーメイが「王都で一人なんて事になったらどんな暴走をするか想像出来ない」と戦々恐々した家族が訳あっての自宅学習を選んだのではという噂がうまれたほど。
まあ、噂は、真実だったのだ。
万が一、自分が白薔薇様のご子息と知り合いになったら、そう思うとルヒトにはある意味恐怖しかない。
なにせ「一度でいいから入れ替わって!!」と無理難題を言い続けたリリーメイである。何を言い出すか、恐ろしくてたまらないのだ。
では兄に対してはどうだったかといえば、毎週呪詛のようなものが書き綴られた手紙が届いていたと言う。
恐ろしかったと思い出しては身震いする兄ラヴィスだが、彼も大概である。
彼は黒薔薇様、つまりカナメの兄サシャに憧れているのだから。
どうやら先輩としてのサシャの姿を見ているうちに憧れる気持ちが膨らんだのだとか。
ラヴィスが領地経営についての本を探していた際、サシャの友人──おせっかいなリンスである──の一言でサシャがおすすめの本をいくつか見繕ってくれたことがあるようで、その際「今からそれだけ真剣に向き合えるのは、領地を愛している証拠なのだろうな。私もヘルストレーム領産のラグは気に入っているんだ」と言ったのも理由だとか。
まあ、どのような理由にしても、末っ子ルヒトからすればこの姉と兄を思うと、
「ギャロワ侯爵家の人とは関わらないようにしよう!」
となってしまったのだ。
まあ、彼の性格上難しかったし、彼が先輩だと慕う人間を思えば、無理だったと思う。
学園に入学した時は、俺はもう卒業しているけど、多分俺、卒業後もそのまま王都で仕事していると思うから、もし困ったら連絡して。
そう言ってくれたその人は、ルヒトの近状報告のような音信──文字通り音信公社に頼み文字を特殊な音に変え飛ばしてもらい、それを配送目的地のある音信公社で文字に変えて配送先へ届けてもらう仕組み。隣接の都市程度の距離であれば半日で相手側に手紙が届く。電報のようなものだ──に毎回毎回返信をくれた。
おかげでその人が学園を卒業しても連絡を取り合え、入学後お昼をご馳走になったこともある。
先輩先輩と懐いたルヒトを、彼もよく面倒を見て可愛がった。
その彼がリンス・アントネッリ。
そう、サシャが自他共に認める唯一の友人、親友であるあの男だ。
この領主貴族に対し、法服貴族の一部は田舎貴族などと言い下に見ることがある。
これを嘆かわしいと感じているのは、現国王のロドルフだ。
彼、ルヒト・ヘルストレームのヘルストレーム伯爵家はまさに領主貴族。
領地に姉と跡取りの長男、厳しくも頼りになる父と優しくも時には父より恐ろしい母、そして穏やかな祖母がいる。
彼は田舎貴族などと言われても気にしたことはない。
幼い頃は多少あったが、それでも領地の素晴らしさを知っている自分がそれに対し悲しんではいけないと思う気持ちがあるからだ。
それでも時々悲しくもなる。
学園には多くの様々な貴族子女があつまる。
そうなれば心無いことも言われるのだ。
一度、入学して少し、本当に落ち込んだ時があった。
その時だ。
──────そう。じゃあ、君たちは彼の領地のものはひとつたりとも家にないと言えるんだね?君たちは自分たちの領地だけで全てを賄っているの?君たちが言う田舎貴族が販売するものは何一つ使っていないんだね。そもそも君たちの家は法服貴族。領地はないと思うけれど、君たちのいう田舎貴族から何も購入はしていないの?
静かな声は教室を満たした。
そこにいたのは、囁かれるクールビューティーなんて言葉以上に冷たい目をした白銀の髪を持つ人だ。
ルヒトとカナメが初めて出会ったのはとある花壇の前。
その時カナメは一人で花壇の近くで立っており、どうやら従者もいないようだった。
超個人的理由から、ギャロワ侯爵家の人とは関わらないようにしようと心に決めていたにもかかわらず、
──────困っている人がいて、助けてあげられる範囲の事だったら、助けてあげなさいね。 さすればいずれその行いが、必ず貴方に返ってきますから。
という祖母の言葉を思い出し、頭の中から追い出したはずの
(一人で待ってるのかな?それってちょっと寂しくなったり、不安になったりしないかな?そもそも、何か困ってるのかもしれないし……)
という思いが再念。そして声をかけてしまったのだ。
どうやらカナメは自身の従者ではない従者──アルノルトのことである──を待っているところで、いつまでも来ないアルノルトをアーネが探しにいっているところだった。
いくら安全を謳う学園内でも有力貴族がひとりぽつんは危なくないか、とおせっかいをしたルヒトに「大丈夫。これでも自分一人守るくらいはなんとかできるよ」とカナメは涼しい顔──所謂あの外行の顔である──で言い
(おせっかいだったかなあ、やっぱり)
と申し訳ない気持ちになったルヒトは「でも、気にしてくれてありがとう」と続けて礼を言われ驚いた。
彼の兄のような噂は聞いたことはないけれど、素直に礼を言われるとは思いもしていなかったのである。
「なら少しだけ、付き合ってもらってもいい?せっかくだから」
なんていうカナメと互いに自己紹介をし、少しの間時間を共にした。
それだけで終わった関係だったのだが、先のようにカナメは花壇の前であったあの時の顔なんて忘れてしまいそうになるほどの顔で、ルヒトの前で言ったのだ。
──────彼の領地の伝統的な、まさに一級の芸術品とも言えるラグは国王陛下にも献上される素晴らしいもので、国王陛下は大層好んで私室にひいてらっしゃるようだけれど……そう。
心なしか室内の気温がグンと下がった気がするほどに感じたルヒトだが、自分を蔑んだクラスメイトの顔色はそれを抜きにしても異常に悪い。
それはそうだ。
彼らは「田舎貴族が作るものなんて家畜の餌のようなものだ。使う方の気が知れない」なんて言い切ったのだから。
しかもそれを聞いたのが王子殿下の幼馴染であり側近と噂されるカナメなのだ。
人生が終わったと思ってもおかしくはないと、ルヒトは彼らの顔色の理由に納得した。同情は一切しないが。
その上、どうやら入り口でこれまた全てを聞いていたらしいマチアスがカナメの視線を受け、全員がマチアスを見ている中でただ一度だけ頷いた。
もうきっと、生きた心地なぞしなかっただろう。
頷きの理由ははっきりいってルヒトにはさっぱり判断できなかったが、「確かに父はあのラグを好んでいる」の頷きだろうが、「この不快な話は全て聞いた」の頷きだろうが、「カナメの言葉は正しい」の頷きだろうがなんだろうが、恐怖しかない。
だって彼は頷いたのだから。
それから表立って田舎貴族だと言うものはこの学年にはいなくなったが、蔑んだ彼らは同時にルヒトに謝罪する機会も持てないまま三学年になった。
どうして謝罪の機会がなかったか。
それはカナメとルヒトが友人になった──問題発言をしたものからすれば、なってしまった、という心情だろうが──からである。
謝罪をしようにも二の足を踏んだのだろう。
あのカナメの顔と目つきに射抜かれて、謝罪する勇気が持てなかったのかも知れない。
しかし二人が友人関係として周知されるまでに謝罪する機会はあった。
この“国王陛下に献上したラグ事件”から、二人が友人だと周知されるまでの間には時間があったのだから。
さて、話を続ける前に、今後のためにルヒトがどうして『ギャロワ侯爵家の人とは関わらないようにしよう』と決めていたか、と言う話をしておこうと思う。
彼には姉と兄がいる。生まれた順番としては、ルヒトの三歳年上の姉、二歳年上の兄、そしてルヒト、という形になる。
一番の問題はこの姉リリーメイだ。
彼女は社交界の白薔薇様、そうカナメの母デボラの超熱狂的なファンなのである。
そのあまりの熱狂っぷりにより彼女は学園に入学したものの『病弱により通えない』とされ、自宅学習にて卒業している。
学園では病弱によりと言うことで通っていたのだが、彼女と親しい生徒が「学園にこれないって本気で落ち込んでるの。白薔薇様にお会いしたいってよく言っていたのに、領地では難しいじゃない?今度何か送ってあげようと思って」と話していたのをきっかけに尾鰭がつきまくって、リリーメイが「王都で一人なんて事になったらどんな暴走をするか想像出来ない」と戦々恐々した家族が訳あっての自宅学習を選んだのではという噂がうまれたほど。
まあ、噂は、真実だったのだ。
万が一、自分が白薔薇様のご子息と知り合いになったら、そう思うとルヒトにはある意味恐怖しかない。
なにせ「一度でいいから入れ替わって!!」と無理難題を言い続けたリリーメイである。何を言い出すか、恐ろしくてたまらないのだ。
では兄に対してはどうだったかといえば、毎週呪詛のようなものが書き綴られた手紙が届いていたと言う。
恐ろしかったと思い出しては身震いする兄ラヴィスだが、彼も大概である。
彼は黒薔薇様、つまりカナメの兄サシャに憧れているのだから。
どうやら先輩としてのサシャの姿を見ているうちに憧れる気持ちが膨らんだのだとか。
ラヴィスが領地経営についての本を探していた際、サシャの友人──おせっかいなリンスである──の一言でサシャがおすすめの本をいくつか見繕ってくれたことがあるようで、その際「今からそれだけ真剣に向き合えるのは、領地を愛している証拠なのだろうな。私もヘルストレーム領産のラグは気に入っているんだ」と言ったのも理由だとか。
まあ、どのような理由にしても、末っ子ルヒトからすればこの姉と兄を思うと、
「ギャロワ侯爵家の人とは関わらないようにしよう!」
となってしまったのだ。
まあ、彼の性格上難しかったし、彼が先輩だと慕う人間を思えば、無理だったと思う。
学園に入学した時は、俺はもう卒業しているけど、多分俺、卒業後もそのまま王都で仕事していると思うから、もし困ったら連絡して。
そう言ってくれたその人は、ルヒトの近状報告のような音信──文字通り音信公社に頼み文字を特殊な音に変え飛ばしてもらい、それを配送目的地のある音信公社で文字に変えて配送先へ届けてもらう仕組み。隣接の都市程度の距離であれば半日で相手側に手紙が届く。電報のようなものだ──に毎回毎回返信をくれた。
おかげでその人が学園を卒業しても連絡を取り合え、入学後お昼をご馳走になったこともある。
先輩先輩と懐いたルヒトを、彼もよく面倒を見て可愛がった。
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