ハーミタリアン

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Romans 5:3 And not only so

Day240★★★★ Way Home(帰り道)

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男は東に歩き続ける
男は疲れていた
男は本当に疲れていた
男はもう歩きたくなかった

それでも男が歩き続けられる理由が3つ

1つ目は食べ物と飲み物が消費されわずかだが 本当に僅かだが軽くなった荷物

2つ目は目的をやり終えた達成感

ただ これら2つは本当に軽い理由だ
それでも男は歩き続ける
重い荷物を載せたカートを引きながら崖の上の高台を
それは

3つ目 男の願望

ああ シャワーを浴びたい

純粋なる欲望
シャワー
あか、疲れ、そしてカサカサの肌
それらを水で押し流したい
歩き疲れで棒のようになっている足
それらをシャワーでいやしたい

だから男は歩き続ける

日が沈んでいく
それでも歩き続ける

まだ 力には余裕がある
僅かながらの空元気
最後の方に残った容器にこびり付いてるようなマヨネーズの残りみたいに
そのような僅かな力を全て集めて進んでいく

何故なら ここからは下り坂のように
毎日 歩くスピードが遅くなるであろう
そんな事を考えながら歩いていたが 直ぐに限界を迎える
テントを組み立て男は横になる


Day241
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ごつごつしている 岩場の上
寝袋を敷いたとしても背中が痛い

ああ マットレス 何と偉大な発明だ

そんな事を考えながら足を引きづる様に男は歩く
足が痛い
寝ても疲れが取れていない
自分の体臭で常に嫌な臭い
馬鹿だと思うかもしれないが コロンを持ってくればよかった

何より コーヒーが尽きた

残りは竹の筒の水筒の水のみ
ただこの水 竹の匂いが充分に染みこんでいる
その上 よどんだ感じだ
竹の成分が染み出し それが常温のままであったからであろう

それでも他に水源が無い
まずくても 腹を壊そうとも 病気になろうとも これを飲むしかない

それでも歩き続ける
まるで修行僧のように
それでも歩き続ける

ただシャワーを浴びたい

日が沈んでいく

止まったら間違いなく動けなくなる
だから男は歩き続ける
それでも直ぐに限界が来る
そして男はテントの中の寝袋へ


Day242
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

もう嫌だ! 歩きたくない

それでも 男は歩き続ける
関所を超え 巨大都市が見える
その景色の違いが男を駆り立てるように
そして そのおかげで男は歩き続ける

竹の水筒の水の匂いが異様だ
飲もうとしたが体が拒絶反応を起こした
口に含んで飲み込もうとした瞬間 吐き出した

男は指ですくい 乾いたくちびるに水を含ませる
この行動は本当に水が無い時にする行動
これで生きながらえた海上での漂流者を知っている
周りが海水で飲む水がない
その為 結露を集め唇をに当てがっていたという

ただその漂流者は船の上にただよっていた人間
心と精神は止んでいたが 体は大丈夫だったはずだ 体を酷使していない
でも男は違う
歩き続けなければならない
動いている体に僅かな水分 それを唇にだけ
酷使する体 これでは水が明らかに足りない

そして 干し肉を食べようとするが 飲み込めない
ただ ここで食べなければ明日か明後日には確実に
男の体は干し肉も拒絶するであろう

とても嫌な臭いのする水筒の水を含み
強引に干し肉を飲み込んでいく
そして歩き続ける

町が見えてくる
ワイズと名付けたんだっけ
日が沈んだワイズの町
ここまで来たんだ
夕焼けの町をタブレットで写真を撮ってから
テントを作り寝袋で寝る


Day243
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

疲れた
足が痛い
背中が痛い
お腹が空いた
それに喉が渇いた

雨でも降ってくれれば。。。

そんな望みも薄く今日もいい天気

男は歩き続ける
疲れた足を引きずって
男は歩き続ける
ここまで来たんだ 帰り道の半分は超えている

その日の夕方には湖が見える場所へ

ショートカット 
湖に跳べばショートカットが出来るのでは?
高跳び台とは高さが違う
またこの湖には狂暴な魚がいる
飛んだら 間違いなく死んでしまうであろう

でも それもいいかも

そんな誘惑が余りにも強い

辛い
本当に辛い
泣きたいが泣く為の水分が体にはもうない
テントに入り寝袋で休みを取る

Day244
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

背中が痛い
それでも疲れから寝袋から出たくない
そんな矛盾を抱えながら なんとか寝袋から出る

それでも歩かなければ

ダメかもしれない
ここまで辛いとは

移動を車 ハンティングでも軽めのリュック
歩き続けたとしても1日あるかないか
それがアメリカでの日常であった

この異世界でも遠出は半日から1日
そして馬が手に入ってからは 移動は馬を使うように

そんな男が重い荷物を載せたカートを引きづりながらの10日近く移動
想像はしていた
本当に疲れた
ここまで来たんだ
今日も歩かなければならない

その辛さが簡単に想像でき どんよりする

男   :「Oh god I'm so tired (神よ 私は疲れました) 
      I am so exhausted (本当に疲れました)」

それでも男はテントを畳み 荷物をカートに載せようとする
そしたらリュックを倒してしまう
そして

”コロッ”

それは半開きのリュックのポケットから転げた飴玉
いざという時に入れていたプロテインバーと飴玉

これ以上 ジャーキーを噛む力がない
食べる力がない 食べようとも思えない 飲み込む力がない

そんな男の問題を解決するような飴玉

ただ口に含むだけでいい
溶けるのは勝手にしてくれる
甘さが元気を満たしてくれる
男はその存在を忘れていた

男   :「Oh God, I thank you for this blessing(神よ 感謝します)」

飴玉を口に含め もう少しの家路を頑張り始める

男は歩き続ける
重い荷物を載せたカートを引きづりながら

竹の水筒の水の半数は捨てた
どうせ飲めないんだ ならカートを軽くした方が良い

日が暮れる頃には崖の上から男の家が見える

ただ回り込んで坂を降りないといけない
直接 空を飛んでいくわけにはいかない
テントに入り寝袋で休みを取る


Day245
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

プロテインバーを口に含む
噛む力がもうない
そんな余裕はない
口の中で ゆっくりゆっくり と溶けていく

そして男はついに坂道にたどり着く

カートを坂へ押しだしたらダメか。。。
ダメに決まっている 壊れたら替えが利かない
竹の水を全て捨て カートを折り畳み
カートと大きなリュックを背負って坂を降り始める

カートがどんだけ楽だったかを思い知らされる
背中が痛いのに背負わなければいけないリュック
まるで拷問を受けている様に痛い
でも坂道だけだ
その後はまた カートを組み立てればよい

ゆっくりとゆっくりと坂道を降りてく
途中で数回 すべってしまう

滑るのはいい
でも立ち上がるのに苦労する

それでも最後の力を振り絞り男は坂を下りきる

ああ 本当に疲れた

あと ちょっとなのに体が動いてくれない
そう思って地面を見ていた男
そこに少し大き目の影が
顔を上げると それはそこに居た


白く優雅な馬


男   :「Faith oh Faith(シロ馬 ああ シロ馬よ)」
男は涙がでないが泣きながらシロ馬を呼ぶ

放牧されていたシロ馬は主である男が坂道を降りているのに気付いた
たまたま少し東側に居た
本当に偶然だ
それが男を出迎える

男   :「Oh Faith, Please take me home(シロ馬よ 家へ連れて行ってくれ)」
”ぶるるるる”
ゆっくりと荷物を馬に乗せ 縄で固定して
男は馬に乗る
そして倒れ掛かる様に
それが当たり前だと言わんばかりに馬は
男が落ちない早さで草原を駆け抜けていく



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