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序章の色
第4話 幸先の色
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「う....そ....」
「な、なんで抜けるんですか!? だっ、だって筋肉隆々の冒険者が三人揃っても抜けなかったんですよ!」
いや、それはこっちが聞きたい、てかなんで三人がかりで抜こうと思ったの? 仮にも人の物だと思ったんだよねっ!
「な、なんか抜けちゃったけど....って、その今振りかぶってるの下ろしてくださいっ!」
「だ、大丈夫です。い、痛いのは一瞬ですから!」
この人マジでやばい、とにかく彼女を落ち着かせて椅子の上に座らせるとベットから出て、自分の姿を確認する。ズボンと上は発掘現場でも動きやすいようにときてきた地球の作業着だ、おそらくだがズボンのベルトを通すところにその剣のベルトがはまっていたということなのだろう。
そこで、抜いた剣を一旦床に置き観察を始めるとする。
「この文字読めますか?」
「いえ、今まで見たこともない文字です。少数民族の文字でもありませんし....」
剣は、プラスチックみたいな質感で、金属並みの強度は持っていると思うがなんとも不思議な材質だ、その刀身は曇りなく真っ白でそこには黒く幾何学的な模様と図形のような文字が彫られている、この世界の文字なのかと思ったが彼女も全く知らないらしい。
「でも何か魔術文字ではあると思うのですが....」
「魔術?」
「ええ、それもかなり古いですね」
「ま、待ってください、この世界には魔術が存在するんですか?」
「は、はい。この世界の常識ですよ?」
「常識と言われても....」
彼女の説明によれば、この世界をお造りなった神様みたいな人がこの世界に住む者に平穏と安泰を与えるためにこの世界の住人に魔術を与えたとされていて、その魔術は人によって変わり、それはその人がそれぞれ持つ魂の色によって決まるとされているらしい。
「これがこの世界の魔術です」
「おお~」
にしても本当にここは地球じゃないんだなあ、どこか感慨深いところがある。
ん?
「そういえば、今更なんですけど、ここってギルドの中なんですか?」
「いいえ、ここ私の家ですよ?」
は....い?
「え、ちょ、わ、私、の、いっ、家?」
「ええ、そうですよ」
いや、いくらなんでもいきなり人の家とかハードル高すぎる、てか女性だし。
「な、なんで?」
聞けば、あの兵隊に気絶させられた際、この受付嬢さんのオトコというレッテルが貼られてしまい、それで仕方なく自分の家に連れ帰ったと....にしても。
「本当にすみませんでした....」
「本当ですよ! あなた結構重かったんですからね!」
「重くてすみませ・・・ん?」
「どうしたんですか?」
「重かったってことは、僕、あなたにおぶさってきたってことですか?」
そう言うと彼女の顔はみるみる赤く染まっていき、だんだんと涙目になってきた、上目遣いでこちらを睨みつけている。
やばい、ちょっとかわいいかも....
「だってぇ、街中で男の人をおぶさるのって初めてだったんですよぉ、周りの人にぜぇったい勘違いされてますよぉ~、どぉしてくれるんですかぁ」
もはや、涙声になっている、散々人にからかわれたか、好奇な目で見られたことだろう、ちくしょおぉ、起きてりゃあ良かった。
「なんか色々、ありがとうございます....」
「お礼よりもまず謝ってください!」
「ココロヨリ、モウシワケアリマセンデシタ」
「一瞬で....」
「本当にすみませんでした」
彼女はため息を吐いて、手に持っている凶器を床に降ろし、これからどうするかを考えている。しばらく沈黙があった後におもむろに話しかけられた。
「あの、あなたは宿とかとられたりされているんですか?」
「いえ、この世界に来たばっかで金もないですし、わからないことだらけですから」
「そうですか....でしたら今日はここに泊まっていかれてください」
「ええ、わかりました荷物をまとめてそこらへんで野宿でも....今なんて言いました?」
「ですから、泊まっていってくださいと言ったんです!」
どうやら本当に俺は狂ったらしい、美人でモデルみたいな体型のしかもエルフさんの家に向こうから泊まってくださいと。HAHA、やっぱり親父には悪いけどこれきっと夢だわ。
「トマッテクダサイ、トマッテクダサイ、トマッテクダ・・・」
「だ、大丈夫ですか!」
「すみません、ちょっと頭がついていけなくて....てか俺男ですよ!しかも知り合ったばっかのっ! ガード薄すぎません?あなたいくつですか?」
「今年で216歳ですが?」
oh・・・さっすがエルフ、やっぱ長生きだ。
「で、とにかく泊まるんですか? それともノジュ....」
「ぜひ、泊まらせていただきます!」
「わかりました、では部屋はここを使ってください。もともと客室だったんで気になさらず」
「ありがとうございます」
この世界に来て幸先がいいのは確かだとわかった。
「そういえば、この世界の食事って初めてですか?」
「えぇ、そうですが?」
「そうですか、でしたら今日は私が腕によりをかけるんで! 準備できたらお呼びしますね」
「は、はい」
本当に幸先が良すぎる。
「な、なんで抜けるんですか!? だっ、だって筋肉隆々の冒険者が三人揃っても抜けなかったんですよ!」
いや、それはこっちが聞きたい、てかなんで三人がかりで抜こうと思ったの? 仮にも人の物だと思ったんだよねっ!
「な、なんか抜けちゃったけど....って、その今振りかぶってるの下ろしてくださいっ!」
「だ、大丈夫です。い、痛いのは一瞬ですから!」
この人マジでやばい、とにかく彼女を落ち着かせて椅子の上に座らせるとベットから出て、自分の姿を確認する。ズボンと上は発掘現場でも動きやすいようにときてきた地球の作業着だ、おそらくだがズボンのベルトを通すところにその剣のベルトがはまっていたということなのだろう。
そこで、抜いた剣を一旦床に置き観察を始めるとする。
「この文字読めますか?」
「いえ、今まで見たこともない文字です。少数民族の文字でもありませんし....」
剣は、プラスチックみたいな質感で、金属並みの強度は持っていると思うがなんとも不思議な材質だ、その刀身は曇りなく真っ白でそこには黒く幾何学的な模様と図形のような文字が彫られている、この世界の文字なのかと思ったが彼女も全く知らないらしい。
「でも何か魔術文字ではあると思うのですが....」
「魔術?」
「ええ、それもかなり古いですね」
「ま、待ってください、この世界には魔術が存在するんですか?」
「は、はい。この世界の常識ですよ?」
「常識と言われても....」
彼女の説明によれば、この世界をお造りなった神様みたいな人がこの世界に住む者に平穏と安泰を与えるためにこの世界の住人に魔術を与えたとされていて、その魔術は人によって変わり、それはその人がそれぞれ持つ魂の色によって決まるとされているらしい。
「これがこの世界の魔術です」
「おお~」
にしても本当にここは地球じゃないんだなあ、どこか感慨深いところがある。
ん?
「そういえば、今更なんですけど、ここってギルドの中なんですか?」
「いいえ、ここ私の家ですよ?」
は....い?
「え、ちょ、わ、私、の、いっ、家?」
「ええ、そうですよ」
いや、いくらなんでもいきなり人の家とかハードル高すぎる、てか女性だし。
「な、なんで?」
聞けば、あの兵隊に気絶させられた際、この受付嬢さんのオトコというレッテルが貼られてしまい、それで仕方なく自分の家に連れ帰ったと....にしても。
「本当にすみませんでした....」
「本当ですよ! あなた結構重かったんですからね!」
「重くてすみませ・・・ん?」
「どうしたんですか?」
「重かったってことは、僕、あなたにおぶさってきたってことですか?」
そう言うと彼女の顔はみるみる赤く染まっていき、だんだんと涙目になってきた、上目遣いでこちらを睨みつけている。
やばい、ちょっとかわいいかも....
「だってぇ、街中で男の人をおぶさるのって初めてだったんですよぉ、周りの人にぜぇったい勘違いされてますよぉ~、どぉしてくれるんですかぁ」
もはや、涙声になっている、散々人にからかわれたか、好奇な目で見られたことだろう、ちくしょおぉ、起きてりゃあ良かった。
「なんか色々、ありがとうございます....」
「お礼よりもまず謝ってください!」
「ココロヨリ、モウシワケアリマセンデシタ」
「一瞬で....」
「本当にすみませんでした」
彼女はため息を吐いて、手に持っている凶器を床に降ろし、これからどうするかを考えている。しばらく沈黙があった後におもむろに話しかけられた。
「あの、あなたは宿とかとられたりされているんですか?」
「いえ、この世界に来たばっかで金もないですし、わからないことだらけですから」
「そうですか....でしたら今日はここに泊まっていかれてください」
「ええ、わかりました荷物をまとめてそこらへんで野宿でも....今なんて言いました?」
「ですから、泊まっていってくださいと言ったんです!」
どうやら本当に俺は狂ったらしい、美人でモデルみたいな体型のしかもエルフさんの家に向こうから泊まってくださいと。HAHA、やっぱり親父には悪いけどこれきっと夢だわ。
「トマッテクダサイ、トマッテクダサイ、トマッテクダ・・・」
「だ、大丈夫ですか!」
「すみません、ちょっと頭がついていけなくて....てか俺男ですよ!しかも知り合ったばっかのっ! ガード薄すぎません?あなたいくつですか?」
「今年で216歳ですが?」
oh・・・さっすがエルフ、やっぱ長生きだ。
「で、とにかく泊まるんですか? それともノジュ....」
「ぜひ、泊まらせていただきます!」
「わかりました、では部屋はここを使ってください。もともと客室だったんで気になさらず」
「ありがとうございます」
この世界に来て幸先がいいのは確かだとわかった。
「そういえば、この世界の食事って初めてですか?」
「えぇ、そうですが?」
「そうですか、でしたら今日は私が腕によりをかけるんで! 準備できたらお呼びしますね」
「は、はい」
本当に幸先が良すぎる。
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