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序章の色
第11話 魔力の色
しおりを挟むハァ・・・とにかく散々な1日だった、ゴブリンは出るし、服は汚れるし、おっさんになぐさm
「おいっ、今余計なことを考えただろう」
チッ!ばれたか。
「そんなことありませんよ、ガルシアさんが可愛い女性だったらなぁ、なんて一片たりとも思ってません」
「・・・お前さん、そういう性格なの?」
そんな会話をしつつ途中で見かける草花の説明をされたり、危険なところや生息している動物や魔物の説明された、そんなこんなで日が落ちる頃には街に入ってギルドへと戻る道を歩いていた。
「それで、今日はどうだった?」
「えぇ、冒険者の第一歩って感じですかね」
「まぁ、お前の力量ならゴブリンごとき大したことなかったと思うが・・・」
「?」
「気を抜くとすぐ殺られるということは覚えておけ、俺はそういう奴を何人も見た」
「・・・」
とにかく頷くしかなかった、冒険者とは危険な仕事、ファンタジーのような夢のある仕事ではないということは今回の教訓だ。
「ところでこの回収した薬草とかは使い道はわかるんですけど、このゴブリンがつけていた装備品って何に使うんですか?」
「あぁ、こいつはなぁ、溶かして加工して剣とか鎧とかにするんだよ」
なるほど・・・となると溶鋼と加工の技術があるんだなぁ。
そしてギルドについてガルシアが扉を開けた瞬間である。
「ガルシアさんっ!」
「はっ、はいぃっ!!」
入って早々リーフェがガルシアの姿を見た瞬間怒鳴りつけるっ!
「こんな日が落ちるまで何やってたんですか!」
「いっ、いや新人の指導に熱が入っちまってつい・・・テヘッ!」
「ンンンン!!」
「本当にこころよりすみませんでした」
「ハァ~ッ、それでショウさんは今日は大丈夫でしたかっって!いったい何したんですか!これゴブリンの血ですよねぇっ!ガルシアさん!?」
「ボクハナニモシラナイヨ、ボクハナニモシラナイヨ」
「このぉ、脳筋ギルドちょオォォ!」
「うわ!ちょっ、やめ、リーフェさん!、やめぇっ!」
リーフェが顔を真っ赤にして手元の帳簿持ってガルシアをボカボカ殴りつけてる、それはそれでなんか微笑ましい。
「リーフェさん、落ち着いてください僕、怪我なんてありませんから」
「いいえ、よくないです!ゴブリンって新人冒険者の相手する魔物じゃないんですよ!それをわかっててこの人は!コノッ!コノッ!」
「イテッ!もう、勘弁、ゴフッッ!」
「先輩どうしたんですか~って!ニャァッッ!新人さんが血まみれ~っ!」
奥からもう一人の受付嬢、猫耳のメルトが出てくるが俺の姿を見るなり悲鳴を上げている、そんなにひどいのか・・・
「と、とにかく着替えてください~っ!」
「あっ!はい」
後ろでは美人とおっさんの争いが繰り広げられているが、見た感じ美人秘書とセクハラ社長の争いだな・・・
奥へと案内されるとそこは簡易的な倉庫でたくさんの木箱が積まれているのが暗闇の中でなんとなくわかる。
「ちょ、ちょっと待ってください、今明かりを灯しますから」
そう言ってメルトは壁の丸く突き出た部分に手を置くと、部屋にぶら下げられた電球らしきものが光る、明るさは昨日リーフェの家で見たのと同じく裸電球並みの光量だ。
「こっ、これをつっ、使ってくだしゃいっ!」
そう言って投げられたのは、ここの受付嬢さんが着ている服と同じ材質のメンズバージョンだ。
「すみません、お借りします」
そう言って上の服を脱いで上半身裸になった瞬間である。
「ニャッ、ニャッ!ニャァアァあぁ!」
突如、猫の悲鳴のような声をあげ、いろんな物にぶつかりながらものすごい勢いで顔を隠して彼女は部屋を出て行ってしまった、が・・・
「へぇ~ちゃんとしっぽもついてるわ~」
所詮気にするのはそんなもんである。
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「ですから!なんで魔力適性検査も受けさせずに実戦訓練させたんですかと聞いてるんです!」
「そう思うんだったらなんでンゴッ!」
「問答無用ですっ!」
まだやってるよ・・・
「そろそろ終わりにしませんか?お腹も空きましたし、帰って何か作りますよ」
「ショウさんがそう言うなら・・・ガルシアさん!次やったら近くの酒場を全部出入り禁止にしますからねっ!」
「本当に申し訳ありませんでした」
う~ん、年上のダンディなおっちゃんが、明らかに年下に見える彼女の前で土下座してるというのもなかなかシュールな光景だ。
「それではショウさん帰りますか?」
「そうですね、でも彼大丈夫ですか?」
「あんな人はもう知りませんっ!」
そう言って出口に向いて出て行ってしまうのだからついていくしかないだろう、しかし出る瞬間、こちらを睨まれたのは気のせいだろうか。
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「あの・・・魔力適性検査って一体なんですか?」
「ムグ、ムグッ!ファリョフへヒヘイヘンファヘフファ?」
「ゆっくりでいいんで口から物がなくなってからにしてもらえますか?」
おそらく『魔力適性検査ですか?』と言いたかったのだろう、今彼女が口にほうばっているのは得意料理その2のカレーライスもどきだ、この世界にはカレー粉に使うスパイスらしきものはあるが、米らしき穀物が見当たらなかったので米に似たトポの実というものを代用させてもらった、地球みたいな炊き方はできないためフライパンを使ってパラパラした感じの仕上がりになった。
「フゥ~、えーっとですね魔力適性検査っていうのはですね、魔力の適性を検査するものです」
うん、そのまんまだ。
「もう少し詳しく」
「おかわりいただいても?」
これで3回目だぜ、どうなってやがるんだエルフの胃袋は・・・
「詳しく話すと、人にはそれぞれ魔力の色というものが存在します。その色によって使える魔力の質が変わり様々なものを生み出すことが可能になります、種類はいろいろあるんですがそれは明日話しますね」
「ちなみにリーフェさんは何色なんですか?」
「私はですね、緑色で濃さは6、7だったと思います」
「濃さなんてあるんですか?」
「ええ、1から10まであってその濃さによって使える力の大きさが変わります」
「そうなんですか、ちなみにガルシアさんとメルトさんは?」
「それは言うことできませんね、一応ギルドの守秘義務として冒険者や同僚の個人情報は教えることはできませんので」
「じゃあ、なんで僕には教えてくれたんですか?」
「そんなの決まってるじゃないですか」
そう言うと彼女は空になった皿を突き出し。
「おかわりですっ!」
4回目の催促だ。
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