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黒ひょうの正体
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目の前の魔王ベリアルは真っ黒なまさしくライオンのたてがみのような黒髪に、いかにも魔王様な捻じれ曲がった角を二本生やしているが、アクションスターのような体躯に赤い目の…怖いけどイケメンな魔王様です。
そのイケメン魔王様に向かって、子供の黒ヒョウのベネは殺気を振りまきながら、走って行ってしまった。
「ベネ!だめ!!!」
止めるも間に合わず、魔王様は思い切り蹴り飛ばした。
『ギャン!』悲痛な叫びをあげながら飛んできたのをキャッチするも、ベネは再び一生懸命頭を振って、意識を戻そうとした。
「ベネ!だめだよ!ベネでは敵わないから!」
必死で抱きしめて抑えると、ベネは暴れました。
『離せ!あのくそオヤジに一発入れるんだ!』
「だからベネでは無理だって!」
『小僧…お前の母親に免じて殺さずに森に放り出してやったが、死にたいなら殺してやるぞ?』
魔王は目は冷たく凍り付くような視線で、口元は嬉しそうに口角を上げ、言った。
「ベネ!真面目にダメだって!もっと鍛えてからにしなさい!!!
ほら!逃げるよ」
『小娘、私の前から簡単に逃げられると思っているのか?
お前の魔力は美味そうだな…小僧を殺した後で、お前は俺のペットにしてやろう。
すぐに食うには勿体なさそうだ。』
「はぁ!?何言ってんのよ!私にだって選ぶ権利ってもんがあるのよ!
貴方みたいな脳筋野郎に興味は無いのよ!一昨日きやがれってんだ!」
『ほう…なかなか生きが良いなぁ~これは楽しめそうだ…。』
『ノエル!逃げるよ!俺一人でノエルとヒースと小僧を守りながら闘うのは無理だ!
その小僧をしっかり抱いて、離すなよ!』
次の瞬間、ロンがブレスを吐いたと思ったら、真っ白な魔法陣で、魔王様に飛んでいき、魔王様がそれを素手で一払いする瞬間、私たちの身体が白い光に包まれた。
気が付くと、先ほどまでの喧騒が嘘のような、静まり返った、やはり森の中に居た。
「それで…結局、あれは何だったの?そしてベネは何なの?」
『さっきのあれは、あいつが言っていた通り、この森の魔王城の主、魔王ベリアルだ…。
そして俺はあのくそオヤジの5番目の息子のベネディットだ!』
「何?親子喧嘩?」
『違う!俺が生まれた時は、真っ黒だったけど、ここ最近、柄が出てきて、そしたらあのくそオヤジ、お袋が浮気したんだろう!とか言いだして、俺の事を浮気相手の子だとか言いだして、この森の魔物だらけの所に捨てやがったんだ!』
「お父さんは黒いライオンで、お母さんは?お母さんもライオンなの?他の親族は?」
『親父は黒いライオンで、お袋も黒いライオン、兄弟全員黒か普通の色のライオン…何故か俺だけ最近、柄が浮かび上がってきた…。』
「まさかと思うけど、お祖父さん、お祖母さんは?」
『親父の方のじいちゃんはジャガーでばあちゃんが黒いライオン。
お袋の方は、じいちゃんは早くに亡くなったとかで分からない。ばあちゃんは普通のライオン』
「ねぇ…一言言って良いかな?あなたのお父様は、母親であるおばあさまの血が強くて、黒いライオンになったようだけど、でもジャガーの血も入っているって事よね。
更にあなたのお母さんの方は、おばあさまは普通のライオンという事は、おじいさまは黒いライオンか、若しくは他の黒い動物だった可能性もあって、黒ヒョウだった可能性もあるわけじゃない。
そしたらあなたが黒ヒョウでもおかしくないのよ。
もしくは黒ヒョウに見えるけど、実はライオンかけ合わせの黒いジャガーの可能性もあるのよ、あなたは。
全く何が浮気よ!だから脳味噌筋肉だっていうのよ!
貴方もあなたのお母様も、それ、誰も指摘出来なかったの?!バカなの?」
『ガウガウ…。』
「急にかわい子ぶっても騙されません!
ところでずっと、ヒースが静かだけど、どうしたの?」
「…頭が全くついていけないんです…。」
「それで…結局、ベネは魔王様の息子って事なのね?!
何でベネは黒ヒョウのままなの?それに突然、話せるようになったのは、何で?」
『話せるようになったのは…良く分からん…親父の出現で、魔力が強まった?
人型は俺はまだ取れない…。』
「それとベネ、これから先、どうするの?私たち…私、もしかしたら聖女かもしれないよ?ベネを浄化しちゃうかもしれないよ?
私は確定じゃないけど、ロンは完全に神獣よ?食われちゃうよ?」
『こんな不味そうな千ビ、食べないよ!俺は美食家だ!』
『俺は…でも家には帰れねぇし…この森で暮らすには、俺はまだ力量が足りないし…。
よし!この森を出るまでは、俺様がボディーガードとしてついて行ってやる!』
「…っていうか…一人になりたくないんでしょ…素直じゃないなぁ。」
『ガウ…』
「ヒースは…もう一度確認するけど…本当に一緒に行って良いのね?聖獣だけじゃなくて、魔獣?魔族?まで加わっちゃったjけど…良いのね?」
「ノエルに付き添うって決めたからには最後まで一緒に行くよ。
しかし…聖獣に魔獣…それも魔王の子か…。
ちょっと普通じゃないな…。」
『じゃあ気を取り直して行くか!』
「『『「おぅ!!!」』』」
そのイケメン魔王様に向かって、子供の黒ヒョウのベネは殺気を振りまきながら、走って行ってしまった。
「ベネ!だめ!!!」
止めるも間に合わず、魔王様は思い切り蹴り飛ばした。
『ギャン!』悲痛な叫びをあげながら飛んできたのをキャッチするも、ベネは再び一生懸命頭を振って、意識を戻そうとした。
「ベネ!だめだよ!ベネでは敵わないから!」
必死で抱きしめて抑えると、ベネは暴れました。
『離せ!あのくそオヤジに一発入れるんだ!』
「だからベネでは無理だって!」
『小僧…お前の母親に免じて殺さずに森に放り出してやったが、死にたいなら殺してやるぞ?』
魔王は目は冷たく凍り付くような視線で、口元は嬉しそうに口角を上げ、言った。
「ベネ!真面目にダメだって!もっと鍛えてからにしなさい!!!
ほら!逃げるよ」
『小娘、私の前から簡単に逃げられると思っているのか?
お前の魔力は美味そうだな…小僧を殺した後で、お前は俺のペットにしてやろう。
すぐに食うには勿体なさそうだ。』
「はぁ!?何言ってんのよ!私にだって選ぶ権利ってもんがあるのよ!
貴方みたいな脳筋野郎に興味は無いのよ!一昨日きやがれってんだ!」
『ほう…なかなか生きが良いなぁ~これは楽しめそうだ…。』
『ノエル!逃げるよ!俺一人でノエルとヒースと小僧を守りながら闘うのは無理だ!
その小僧をしっかり抱いて、離すなよ!』
次の瞬間、ロンがブレスを吐いたと思ったら、真っ白な魔法陣で、魔王様に飛んでいき、魔王様がそれを素手で一払いする瞬間、私たちの身体が白い光に包まれた。
気が付くと、先ほどまでの喧騒が嘘のような、静まり返った、やはり森の中に居た。
「それで…結局、あれは何だったの?そしてベネは何なの?」
『さっきのあれは、あいつが言っていた通り、この森の魔王城の主、魔王ベリアルだ…。
そして俺はあのくそオヤジの5番目の息子のベネディットだ!』
「何?親子喧嘩?」
『違う!俺が生まれた時は、真っ黒だったけど、ここ最近、柄が出てきて、そしたらあのくそオヤジ、お袋が浮気したんだろう!とか言いだして、俺の事を浮気相手の子だとか言いだして、この森の魔物だらけの所に捨てやがったんだ!』
「お父さんは黒いライオンで、お母さんは?お母さんもライオンなの?他の親族は?」
『親父は黒いライオンで、お袋も黒いライオン、兄弟全員黒か普通の色のライオン…何故か俺だけ最近、柄が浮かび上がってきた…。』
「まさかと思うけど、お祖父さん、お祖母さんは?」
『親父の方のじいちゃんはジャガーでばあちゃんが黒いライオン。
お袋の方は、じいちゃんは早くに亡くなったとかで分からない。ばあちゃんは普通のライオン』
「ねぇ…一言言って良いかな?あなたのお父様は、母親であるおばあさまの血が強くて、黒いライオンになったようだけど、でもジャガーの血も入っているって事よね。
更にあなたのお母さんの方は、おばあさまは普通のライオンという事は、おじいさまは黒いライオンか、若しくは他の黒い動物だった可能性もあって、黒ヒョウだった可能性もあるわけじゃない。
そしたらあなたが黒ヒョウでもおかしくないのよ。
もしくは黒ヒョウに見えるけど、実はライオンかけ合わせの黒いジャガーの可能性もあるのよ、あなたは。
全く何が浮気よ!だから脳味噌筋肉だっていうのよ!
貴方もあなたのお母様も、それ、誰も指摘出来なかったの?!バカなの?」
『ガウガウ…。』
「急にかわい子ぶっても騙されません!
ところでずっと、ヒースが静かだけど、どうしたの?」
「…頭が全くついていけないんです…。」
「それで…結局、ベネは魔王様の息子って事なのね?!
何でベネは黒ヒョウのままなの?それに突然、話せるようになったのは、何で?」
『話せるようになったのは…良く分からん…親父の出現で、魔力が強まった?
人型は俺はまだ取れない…。』
「それとベネ、これから先、どうするの?私たち…私、もしかしたら聖女かもしれないよ?ベネを浄化しちゃうかもしれないよ?
私は確定じゃないけど、ロンは完全に神獣よ?食われちゃうよ?」
『こんな不味そうな千ビ、食べないよ!俺は美食家だ!』
『俺は…でも家には帰れねぇし…この森で暮らすには、俺はまだ力量が足りないし…。
よし!この森を出るまでは、俺様がボディーガードとしてついて行ってやる!』
「…っていうか…一人になりたくないんでしょ…素直じゃないなぁ。」
『ガウ…』
「ヒースは…もう一度確認するけど…本当に一緒に行って良いのね?聖獣だけじゃなくて、魔獣?魔族?まで加わっちゃったjけど…良いのね?」
「ノエルに付き添うって決めたからには最後まで一緒に行くよ。
しかし…聖獣に魔獣…それも魔王の子か…。
ちょっと普通じゃないな…。」
『じゃあ気を取り直して行くか!』
「『『「おぅ!!!」』』」
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