Dear my roommates

heil/黒鹿月

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ふとんのなかで。―望乃夏

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「…………さて、と。もうそろそろ寝よっか」
  壁の時計を見ると、いつの間にか10時を回ってた。
「………まだ残ってるわよ、これ」
 と、雪乃がティーポットからおかわりを注ぎながら言う。
「もう、そんなにがぶ飲みして。知らないよ?真夜中に行きたくなっても」
「………………大丈夫よ、」 
  なんか今、多分って聞こえた気がするんだけど………………。
「じゃあエアコンのタイマーかけとくよ。とりあえず1時間でいい?」
「…………そうね、それまでには寝ちゃうだろうし」
 ポチポチっとリモコンをいじると、入口のスイッチに指をかける。そして、雪乃が布団に潜り込んだのを見てから、明かりを消した。さて、私も寝よっと。
 ベッドは入口から遠いから、たどり着くまでが一苦労。えと、ここにテーブルがあって…………と、手探りならぬ足探りで進んで………………見事にテーブルに小指がクリーンヒットして悶絶する。
「何やってるのよ………………」
 もぞもぞと雪乃が起きる音がして、呆れた声が飛ぶ。
  片足飛びでなんとかベッドに帰り着くと、そのまま布団にダイブする。うーん、やっぱり布団は天国。メガネを外してベッドに置くと、雪乃の方を向いて
「雪乃、起きてる…………?」
「………………何よ」
「………………いや、今日色んなことがあったなぁ、って」 
「…………それ、私がさっき言った」
「そ、そうだね………………。そ、そういえば、明日土曜日だけど…………雪乃は、練習ある?」
「…………そうね、体育館が半日しか取れなかったから午前中だけ、ね」
 ちょっとだけ心が弾む。
「…………じゃ、じゃあさ」
「考えとくわ」
「え、まだ何も言ってな」
「望乃夏には、私の行きつけのお店教えてあげる。…………私もそんな詳しくないけど、もうちょっと女の子らしいファッション教えてあげるわ」
「…………別に気にしないけどなぁ、ボク」
 服を買うぐらいなら最高級のアッサムか、新しい薬品を買いたいのがホンネ。だけど、雪乃とお出かけできるなら…………ま、いいかな。
 そんな本心を見透かしたかのような雪乃のため息。
「…………もう、望乃夏には自分が女の子だって自覚が足らないんだから」
「別にそんな自覚は要らないかな…………食材が刻めそうなぐらい真っ平だし顔だってイケてないしさ」
「………………まぁた自分を否定するんだから。………………いい?女の子はね、自分を好きな人には綺麗な姿とかかわいい姿を見てほしいものなのよ…………それに、好きになった人にもそういうのを求めたくなるの…………」
 ふーん、そういうものなんだ………………え?
「…………雪乃、もしかして好きな人が」
「い、今の忘れなさいっ!!いいっ!?
 雪乃が慌てて寝返りを打って、顔が向こうを向く。そっか、雪乃、もう好きな人がいるんだ。そう、なんだ………………。
 …………なんか、今日の枕、冷たいや。
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