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三. セトの章
66. 僕の帰還 ①
しおりを挟むガタン!ガタン!
「―――…」
二度ほど身体が飛び跳ね、その衝撃で僕は目を覚ました。
ガタン!ガタン!ガタン!
今度は三回。自由の利かない身体は硬い地面の上をゴロゴロと転がる。
そのまま何処かにぶつかってようやく回転が収まった。うつ伏せになった僕は頬にひんやりとした地面の冷たさを感じている。
腹に感じる細かな振動が痛くて痛くて。必死に腰を浮かせようとしたけれど身体は鉛のように重く、どうする事も出来ずに僕は地面とキスするしかない。
「路が酷いのね、ここは」
女性の声がする。聞き覚えのある、溌剌とした声だ。
「行きもそうだったけど、路の整備が捗ってないみたいね。テルマ、今食べると舌を噛んじゃうよ」
「テルマ、ちょこっと浮いてるから大丈夫!もぐもぐ…」
それから楽しげな少女の声も。時折シャクシャクと咀嚼の音もする。
水分をふんだんに含んだ甘い果実の匂いが漂ってくる。乾いた喉が水を欲して、思わずゴクリと喉を鳴らしてしまった。
「ずりぃぜ…って、おい、坊ちゃん目ぇ覚めたみてぇだな」
その喉の音がもう一人の耳に届いたようである。
「あらほんと、しぶとい奴だこと。神さまの核って凄いのね。どう見ても死んでたでしょ、あれ」
「グレフの再生能力ね。アッシュの治癒魔法が効いたお陰でもあるわよね」
「重症人の俺に治癒させるなんて、人使いが荒い旦那だよ。しかもやり過ぎだっての。笑いながら刺してたもんな、見てるこっちがたまげたぜ」
軽薄な声と一緒に、複数の視線も降ってくる。
じいっと見つめられている感覚に居たたまれなくなり、視線から逃れようと身体を丸めようとした時、凄まじい激痛が走った。
「っ!!……ィ…!」
声にならない悲鳴を上げる。
あまりの痛さに身悶える。だがそれが逆効果であった。
一度感じた痛みは明確なものとなり、多少の身動ぎでも息が詰まる。身体に感じる断続的な振動も、覚醒した痛覚に拍車をかける。
「かは…っ!!」
堪えきれなくなって思い切り息を吐いたら、喉に詰まっていた何かが口から飛び出した。
「…は…」
あ、少し楽になったかも。
でも口の中が鉄の味で充満している。揺れと鉄臭さに三半規管がイカれ、一気に気分が悪くなってきた。
違う意味で吐き気が込み上げてくる。おまけに頭痛もしてきた。
「まだ寝てないとダメだよ、セトくん。とりあえず今は生きてるだけなんだから」
「ここで血を吐くなよな~。あんたの血に触ったら、淫魔っちゅーのに感染しちまうだろうが」
「でもすっかりマスターのかけた保護が効いてるわね。セトを見てもなんとも感じないわ」
「このまま死なれちゃマズイだろ。もっかい術をかけとくか…。俺だってかなりヤベー状態なんだから、ちったあ感謝しろってんだ、このスケコマシ!」
小さな声で呪文が唱えられ、ほんわりと心地良い暖かさを胸に感じる。
すぐに強烈な激痛が緩和され、ほんの少しだけ身体に自由が効くようになった。本当に、ほんの少しだけだったけれど。
「……ぅ、ここ、は…」
もう地面にぶっちゅとキスをしていたくない。
身を起こす事は出来なかったから、身体を半回転させて仰向けになら辛うじてなれた。
それでも汗を滲ませ、痛みと戦いながらたっぷりと時間をかけて身体を動かす。
閉じた瞳の先が明るくなった。
呼吸もし易くなって、肌を撫でる風が気持ち良い。
口元を汚す血液の不快感は残ったままだったが、さっきよりは随分とマシになった。
「あたたたっ!これ以上、俺を働かせるなよ!」
「そんなことよりおねえちゃん。蟲さんのお話の続きしてよ」
「はいはい、ちょっと待ってね。アッシュこそ寝てないと、身体に障るわ。ほら、藁布団を二重にするから…折れた骨を下にしないように…」
「痛って!あーチクショ~、マジで放置とかあり得ねえって」
のんびりとした空気。
和やかな三人の会話が耳を擽る。こそばゆいような、拙いような、そんな青臭い空気だ。
でも不快には感じない。
「立場上、私たちと同じ馬車にずっと乗ってる訳にはいかないでしょう?騎士団長直々にお迎えに来られたんだから、しょうがないわ」
「そーそー。それに自然治癒力に勝るものはないってお兄ちゃんも言ってたよ」
「だとしても、こいつを刺すのは如何なもんかね」
「それだけムカついてたんでしょ。最初から助ける気はないって、お兄ちゃん言ってたじゃん」
ああ、思い出した。この声は、あのギルドの三人だ。
ニーナとテルマ嬢とアッシュ。“紡ぎの塔”の魔法使い。
いつになく緊張感がなく、のんびり会話を楽しんでいる。
ガタン!
また、地面が揺れた。
さっきからこの揺れは何なのだ。よくよく耳を働かせてみると、あちこちから車輪の回る音も聴こえてくるのである。
「手綱捌きが下手過ぎなんじゃないの!ちょっと文句言ってやろうかしら」
「こら、テルマ!騎士団と揉め事起こしちゃいけないって言ったでしょ。あんまりワガママ言うと、一人で帰らせるわよ」
「いや!!もうラクダさんに括り付けるのだけはやめて!!涎でベトベトになっちゃうから!」
頭が全然働かない。
とりあえずここは馬車の中で、あの三人が和やかに会話の掛け合いを愉しんでいる事だけは分かる。
ぼうっと目を開けると、真ん丸な赤い瞳がゼロ距離にあった。
「!!」
「わ!びっくりした!急に目を開けないでよね」
あまりに少女の顔が近くにあるから、目の焦点が合わない。驚いたと文句を言う割には、少女は僕の目をじいっと覗き込んでいる。
大きくてパッチリした紅が僕の双方の瞳を窺っている間、至近距離で少女から漂う甘い果実の匂いを堪能する。
とても喉が渇いていた。
生温い自分の血を呑んでも潤ってはくれない。むしろ乾きが増す一方である。
「うん、瞳孔も悪くないし、峠は越したみたいね」
「…ぁ…かはっ…」
少女はポンポンと僕の頭を撫でて、視界から消えてしまった。
怠くて首すらも動かせないのだ。少女が去って僕の目は天井を見ている。低くて木枠がたくさん連なる、どこにでもあるような荷馬車の古臭い天蓋だった。
ここは…僕は生きているのか。
そう声に出そうとしたけれど、やっぱり言葉は発せられなかった。
声を出すには丹田に力が要るものだ。意識すると意外と難しい。身体の自由がない今、どこにも力なんて入らないから、当然声だって出ないのである。
「ワケワカランって顔してんな」
「そりゃそうでしょうよ。あれから5日も経ってんだもん」
「騎士団の行軍は早いのね。普通は一週間くらいかかるんでしょ。だから手綱使いが乱暴なのもあるけど」
「……」
僕の返事が無いからなのか。それとも無事を確かめて安堵したからなのか。はたまた僕そのものに興味がないだけなのか。
彼らはこれ以上僕に構わなかった。
三人で膝を付き合わせ、また談笑を愉しみだす。でもその前に、何も知らない僕に聴かせるように、現状を教えてくれたのだ。
「アンタは旦那に刺されて、今の今まで生死の境を彷徨ってたんだよ。ま、死にゃしねえって言ってたから、それほど心配はしてなかったんだけどな」
アッシュという男は、ギルドのマスターで主人でもあるリュシアの事を、『旦那』という敬称で呼ぶ。
そこで僕は思い出す。死ぬ間際の、あの灼熱の熱さを。
僕は砂漠で、リュシアにナイフで刺された。
淫魔に覚醒した僕の核を蟲から隠すには、マナによる結界保護が必要だった。体内の核に干渉するには、術者と身体の一部を繋げなければならないらしくって、そこでリュシアは僕の胸に穴を開けて腕を突っ込むという、問答無用の力技を行使したのである。
僕は間違いなく死んだと思った。
血が凄く出ていたし、なによりリュシア本人に心臓を握り潰された。
後悔する間も無く意識が遠くなって、本当の死後の世界とは輪廻の輪でも煉獄でもなく、たった一つの『無』しかなかったのだったけど、でも僕は生きている。
「瀕死の俺が回復魔法をかけてやったんだ。有難いと思えよ」
「んで、こんこんと眠り続けて5日!」
「騎士団の方々が迎えに来てくださって、《中央》までお世話になっているんですよ。マスターも暫くはご一緒でしたけど、途中で騎士団長が合流してから、ずっとあっちの方にいらっしゃいます」
「お前の後始末もしてやったんだぜ。こりゃ一生俺に頭が上がんねえよ?」
「みんな疲弊してんのに、あんたが途中でグレフを放置するからいけないのよ」
「ふふ、私もマスターの役に立てて嬉しかったわ」
三人が三人とも好き勝手に喋るものだから、頭がこんがらがってしまった。
混乱が目眩に繋がり、眩暈が嘔吐へ変換されて胃液をダラダラと口から吐いていると、詰まったら大変だとニーナに身体を起こされた。
「……ぅ…」
三人は狭い馬車の中、円陣を組んで思い思いの恰好で寛いでいた。
アッシュはあちこち包帯だらけで、両足に添え木がされてあった。頭に巻いた包帯は、うっすらと血が滲んでいる。
ニーナは身体中に付いた擦り傷が赤く腫れている。メイド服が破れてしまったからなのだろう、代わりに騎士団の紋章の付いたローブを羽織っていた。
テルマ嬢は至って普通だ。彼女によく似合っていた黒のドレスが砂塗れなのは、砂漠の時と変わらない。
彼らの会話は続いている。
身体を起こしてまた楽になり、少し考える余裕の出てきた僕は、順を追って整理してみる事にした。
まず、僕はリュシアに刺されて死ぬ一歩手前だった。
核への術は施され、マナによって核が保護された事により蟲への撹乱も成功する。
僕の治癒は、蠍と戦って重傷を負ったアッシュに任されたらしい。
砂漠では行商人が溶けてなくなった為にグレフを魅了し続ける事が出来なくなって、三竦みの状態が解除されつつあった。
リュシアはただ睨み合うだけでなく、死闘させて互いに互いを消滅させれば楽だと考えた。
そこでニーナに傀儡の術を使うように指示したそうだ。形を与えた三つの人形に僕の血を擦り付けて淫魔に感染させ、それぞれのグレフを誘惑した後に、敢えて浮気に走らせた。
するとグレフらは睨み合うのを止めて、魅惑に誘発されて闘い始めた。
恋人を寝取られたと思い込んでしまったのか。より高位の種であると見せつけるかの如き闘いは、それはそれは筆舌に尽くしがたいすんごい有様だったようである。
「なんなく決着が付いちまったけど、最後に残ったのは何だと思う?」
あの中でタフだったのはモンゴリアンデスワームだ。
あれが勝ち残ったかと思ったのだけど、意外や意外。ズタボロになったメタルスコーピオンだった。
まさに虫の息だった蠍は、リュシアによって呆気なく倒され、砂漠の死闘は閉幕となった。
砂漠は今のところ脅威ではなくなったけれど、奴らが牛耳る遺恨の地であるのは違いない。
早々に退散したところで、ヴァレリの街にほど近い草原地帯で騎士団と遭遇し、《中央》へと帰還の途を送っている最中なのだとアッシュは語った。
騎士団は崩壊したヴァレリの偵察にやってきていた。
実は街に駐屯していた多くの騎士は《中央》に帰還したのではなく、一部を旅人の護衛に当て、騎士団長は港町へ、残りの騎士たちはその辺に待機していたのである。
街がグレフに襲われるのが分かっていて、たった四人で乗り込む阿呆が何処にいるんだとアッシュに言われてしまったが、リュシアならば一人でもやってきそうだったから、騎士団を引き連れていた事の方が驚いた。
ちなみに僕の町は、たった一晩で真っ新になっていたそうである。
壊れた建物も瓦礫も、木や家畜や死体やらなんやら全部ひっくるめて、なんにもない更地になっていた。
そこはまさに白の世界。
『大地の粛清』の物語も、ここに完結したのだ。
「でね、なんで人間同士が殺し合いをしていたかって話をしてたんだけどね」
そこで冒頭に戻る。
リュシアが地下から戻るのを待っている間、グレフとの戦闘の爪痕はニーナとアッシュに大きく残った。つい2日前までまともに動く事すら出来ず、ずっと馬車の中で僕を含めて三人川の字になって養生していたそうだ。
リュシアはその2日前まではここにいて、僕や皆の様子を診ていたらしいのだが、フレデリク将軍が急に現れて、彼を掻っ攫って行ってからは姿を消している。
どうやら騎士団長専用のド派手な馬車にいるみたいなんだけど、ここからは見えないのだと二人は悔し気な表情だ。
更地になってしまったヴァレリで、誰が殺し合いの頂点に至ったのかは分からない。
偵察していた騎士の一人が言うには、一人の幼い少年がテクテクと軽い足取りで砂漠の方に向かっているのを目撃したのを最後に、それ以上は何も見ていないし、見つけてもいない。
メイドのブリッサは、負けてしまったのだろう。敗者は死に絶え、他の住民と同じように死体すらも消え失せた。
今回の一連の事件は全て虫に準えていた。ならば人間同士の争いも、それが当て嵌るのではないかとニーナは言う。
結論は出ていないが、その答えのヒントが僕の発言にあるのだと、ニーナは興奮気味に語る。
蛮族の棲家跡地の地下で、僕がリュシアに「人が作る軍隊」の話をしたのを覚えているだろうか。
勝ち残った人が一番強いなら、その人達を集めて軍隊でも作る気かな―――と、その時何の気なしに言った台詞を、リュシアは流さずに深く受け止めていたそうである。
グレフが人間に敵わないのならば、同じ人間を差し向ければいい。
グレフに考えが足りないのならば、人の頭脳を使えばいい。
グレフに真霊力の結界が通れないのであれば、マナに耐性のある人間を向かわせればいい。
必要なのは、彼らの手となり足となる、凡才の人間だ。
完全にグレフと一体化した、新人類ともいうべき指揮官を、作っているのではないかと考えた。
「私は思うの。グレフは人で【蠱毒】を作ろうとしていたんじゃないかって」
「こどく?なにそれ」
「この大陸とは交流の無い東方の島々に伝わる呪術と謂われているものよ。とても恐ろしい事をするの。この大陸に伝わった時、本来の意味とは少し意味合いが違ってしまったんだけどね」
「あんた、ホントに何でも知ってんだな…。旦那が重宝すんのも分かる気がするぜ」
「ふふ、ありがとう。蠱毒というのはね、壺に入れた毒虫を互いに争わせ、最後に残った一匹の毒を使って飲食物に混ぜ、人に危害を加える禁断の呪術の事なの。蓄積された毒で、人を殺める。作り方も非人道的だし、姑息な上に大胆。毒を盛られた人は、数日足らずで確実に死に至ってしまう。とにかく陰険で気味が悪い呪いなのよ」
しかしこの話が大陸を渡った時、フィクション好きの言語学者が意味を歪曲して世に広めてしまう。
「蠱毒の意味合いは変わってしまった。私たちの世界ではね、殺し合いの末の最後の生き残りが、選ばれし強者として特定目的で使い潰される事を指すの。グレフは後者の方の蠱毒を、ヴァレリに施したんじゃないかしら」
そうか。確かブリッサは勝ち残って真に選ばれる云々と言っていた。
ヴァレリの町という壺の中で殺し合いをし、たった一人の勝者こそ、この町で一番強い人間。
運も実力も頭脳も兼ね揃え、尚且つ身体の中にグレフの核を持つその者は、まさにグレフが欲しい指揮官である。
「マスターは何も仰っていなかったけど、何か思うところはあるみたいで…。事後処理を終えたらすぐに出発すると言ってたわ」
「げ、最悪じゃねえか。俺はこんな怪我だし、今度ばかりは旦那に着いていけねぇなあ…」
「その件も含めて、ユリウス閣下とお話されているんじゃないかしら」
ガックリと項垂れたアッシュは、その台詞を聴いて激しく首を振った。
「たったそれだけを話すだけで丸々2日もかかるもんか。どうせあの変態騎士団長が旦那を離しちゃくれねぇんだろ。…ったく、旦那もビシっと断わりゃいいのに!」
「ギルドの付き合いもあるから、そう簡単じゃないのよ、多分。私だって嫌だけど、故郷に港を開通してくれたのは有難い事だから黙ってるのよ」
「いや~、相変わらずお兄ちゃんはモッテモテだね!」
ここに彼がいなくて良かったと思う。
僕はリュシアが好きだと、ちょっと捻くれていたけど僕なりの愛の告白をしている最中に刺されてしまったのだから、彼が少し怖いのだ。
僕を刺して身体の中に手を突っ込んできたリュシアの、あの冷たい瞳が忘れられない。
蒼淵の底に囚われてしまうかと思うほど、彼の闇の一部を垣間見た気がするのだ。
彼は、はっきりと僕が嫌いだと言った。
そんな事くらいでめげたりはしないけれど、それでも多少は傷ついた。
蔑みの目で見られ続けて、平然としていられるほど僕は強くない。好きな人に嫌われる事が、こんなにも悲しいものだと初めて知る機会にもなった。
リュシアに逢いたいのに会いたくない。
一目顔を見たいのに、あの平坦で無機質な声を聴きたいのに、実際に逢って何をすればいいか分からなくて、もっと嫌われたくなくてどうすることもできない。
だけどリュシアがフレデリク将軍に囲われていると聞いてしまったら、心がざわついて苦しくなる。穏やかになれるはずもない。
恋の末期症状とは恐ろしいものだ。
その感情すらも、僕は初めて味わっているのである。
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