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四. ルーベンスの章
6. 責務
しおりを挟む馬首を翻し、フォース区画を後にする。
馬を走らせながらも周囲の気配を探ってみるが、やはり何も感知しなかった。
外に出た気配が形跡が無いのに集落内にはいない。
蟻一匹見逃さず血眼で探したのに、僅かな断片も見つからない。
「一連の事件、原因は何でしょうかねぇ…。誰の仕業なんでしょうか」
鳥人族のナポリは自慢の翼で自由に空を飛べる。陸地を駆けるより、障害物を気にしないでよい空の方が圧倒的に早く行動できる。現に私を追いかけてきた時も、彼は馬ではなく自身の翼でやってきた。
しかし今は手綱を握る私の背にいて、全速力で駆ける馬に翻弄されている。
大の大人二人の体重を乗せて馬は健気に走ってくれているが、1刻半も掛かる道のりを快走するには持久力が持たないだろう。
「ああ、オレは途中で降りますよ。打ち合わせが終わればいいだけですからねぇ。貴方様も飛んだ方が早いんじゃありません?」
「残念ながら、私の竜翼は長距離に向いていない。あくまで戦闘用だからな」
竜人族の私にも翼はある。移動目的ではなく、主に跳躍する時に使う。
竜人族は魔族の中でも有数の戦闘民族である。逞しい尾や頑丈な竜翼は機敏に動く為の補助となる。
だが先にも述べた通り、長距離移動となると関節が私の体重を支えきれなくなって途中で力尽きてしまうのだ。もって数十分、距離にして数キロが限界である。
ナポリはよく喋る男だ。仕事は一応有能だと思う。此度の迎合の段取りを、殆ど一人で決めているからだ。
私はその際に生じる人員配置や物資の調達に走るのみで、この男はここぞとばかりに私を顎で使ってくる。
災厄前も似たような仕事に就いていたそうだ。確かブライダルコーディネーターだったとか何とか言っていたか、私には無縁の代物なのであまり詳しくは聞いていない。
私の背に乗って数分も黙り切れず喋りだしたナポリは、黙れば黙るほど気が滅入るのだと言う。ファーストワンに辿り着く数刻もこの調子だと、息が詰まって人間と対面どころではないと喋る事による発散法を持ち出してきたのだ。
「一人で悶々と考えているよりも、誰かに話していると不思議と考えがまとまるものです。脳が耳で聞いて初めて解読するんですよ」
魔族で生まれたからには戦闘で花を咲かせたいと普通は望むはずであるが、この男は生まれながらにして接客業が性に合っていた。ぐいぐいと遠慮なく近づいてくるが会話のテンポは私に合わせているし、何よりこの男に不快な印象は見当たらない。
私はナポリの案に乗る事にした。
どうせファーストワンまで1刻半も有するのだ。いつまでも出ない答えを自問自答して暗く落ち込むよりも、この軽薄で妙に人懐こい鳥人族にぶちまけた方が遥かに良いと思ったからである。
「妙な事件ですよ。一度に40人も拉致する手段なんてありますかねぇ?本当に誰かの仕業なんでしょうか」
「…人が関わっているのではないと?」
「いやね、女老人とは云えど、仮にも魔族ですよ。昨今の女は腕っぷしも発言力も強いのなんの。すんなりいうことを聞いてくれません。寝込みを襲われたとしても、誰か一人ぐらいは抵抗出来たんじゃないですかねぇ。でもその形跡もなかったでしょう?」
私は無言でナポリの言葉を聴いている。
「40人を一度に拉致するなら、相手側も40人必要だと思いませんか?そんな人数がウロウロしていたら、いくら呑み過ぎていたとしても気付きますって。隠密もおっかなびっくりな凄技を使えて、尚且つオレ達がその存在を把握していない手練れの魔族が40人も郊外に潜伏して暮らしているとも考えにくいですよねぇ。そんな規模だと、我々が知らないのは変ですもんね」
全くその通りである。
「単純に考えて、拉致した人とされた人、総勢80名がどっかにいるんですよ?集落一個分の人数が、誰にも見つからずに隠れる場所なんて、この狭い魔族の土地にゃありませんって」
「クレーターの向こう側…北の地には物理的に行けぬ。南側は我々が隅々まで捜索した。唯一隠れる場所といえば海中しかあり得ぬ」
「まあ、海にはダイオウイカもいますからねぇ。魔物の仕業の可能性も捨てきれませんよねぇ」
「確かにフォースは海に面している。郊外者にも海に住む者はいた。だが、山岳地帯に居を構える郊外集落にも被害は出ているのだ。海の魔物は到底近づけぬ場所だ」
魔物がいたずらに人を襲っていると初めは考えた。それしか思い当たる節がなかったからだ。
我々魔族は災厄で全てを失ったが、それはこの地に住まう魔物も同じ事だった。
魔物にとってもこの地は母なる大地であった。住処があり、縄張りがあり、家族があり、食料があった。魔物は我々を攻撃してくるが、それは奴らの領域を不用意に侵した時なのだ。
災厄で領域を失った魔物は、まず食う物に困った。今までは人の作った農作物や野生の動物を襲うだけで良かったが、それすらなくなってしまって手段を択んでなどいられなかった。
魔物の答えは人を捕食対象にする事。
災厄以降、我々は戦ってきた。食うか食われるかの関係を、魔物と繰り広げてきた。
「でも、魔物だったら分かりますよねぇ?マナの軌跡も残りますし、第一魔物はオレたちを食う為に襲うんだから、チンタラ攫っているヒマなんてないと思うんですよ。それに骨すらも丸呑みにして排泄物を残さない魔物なんて聞いた試しがありませんよ」
「ユートピア周辺の魔物は全て駆逐している。人間が襲われてもたまらんからな。ここ数か月の魔物狩りは功を奏して、全く寄り付きもしておらぬ」
「ええ、お陰様で住み易い集落になっておりますとも!オレが思うのは、拉致した後の目的が分からないって事なんですよ。何がしたいんでしょうか…魔族を絶滅させたいんですかねぇ?」
「絶滅だと?貴様、何が言いたいのだ」
聞き捨てならない言葉であった。
私の声色が一層低くなったのをナポリは瞬時に悟り、軽薄な物言いを即座に辞めた代わりに声質を落とした。
「いやね、オレたちを苦しめる輩は本当に同族なのかなって疑問でさぁ。人間は土地に踏み入れた瞬間に感知できるから違うとして、食った形跡がないから魔物も違う。野生の動物は殆どいませんしね。じゃあ残された可能性は―――」
「……侵略者、か」
「そうです!奴らは人間にちょっかいをかけるだけじゃ飽き足らず、魔族に最後の追い打ちをかけに来たと思えば、この不可解な現象も不思議じゃないと思ったんですよぉ!」
11年前、魔族の地を死の大地に変えた侵略者。魔王様を殺し、我々の未来さえ絶やした憎むべき未知なるもの。
奴らは魔王様を滅した後、魔族の地からさっさと退散し、人間が築いた《王都》を占領して今も尚人間世界を恐怖に陥れている。
この11年、どうしてか最初の時以来、奴らは魔族の地に現れていない。海を越える手段が無いからとは言い難い。実際に険しい岩山と海を越えて、人間の土地に渡ったからだ。
奴らは災厄を生き延びた人間に更なる地獄を与えた。
異形の者で形が定まってなく、凄まじい力で蚊を潰すように殺戮を繰り返すその姿に慄いた人間たちは、いつしか奴らを怒れる神―――グレフと呼びだした。「グレフ」とは古代の言葉で、畏怖すべき怒った神を意味している。
「長はグレフの可能性もあるから、人間に助けを求めたのではないでしょうかねぇ。11年も抵抗を続けているのは伊達じゃないですよ。何も知らない我々よりも、遥かに対処法を知っている」
「なるほど、考えたこともなかったな」
侵略者については分からない事だらけだ。
何処から来て、どうしてこの地に堕ち、何をしたいのか。意思の疎通が出来ないソレは、未だ人間すらもその目的を掴んでいない。
我々魔族に至っては破壊するだけ破壊しておいて完全に放置されているので、戦い方はおろか、生態も姿自体も知らないのである。
魔族の中にはグレフの名を知らない者もいる。我々に苦境を与えた元凶である事だけを認識し、海の向こう側で人間相手に暴れまくるグレフを他人事のように見ている節もある。
だが、人類の敵であることは間違いない。
奴らがこの世界に侵略したのは事実であるし、もし人間が奴らに負ければ次は我々の番なのだ。
小癪で弱く、愚かで烏合の衆の人間を、魔族はあからさまに下に見ている。それでも彼らには死に物狂いでグレフと戦って貰わねば困るのだ。我々魔族には戦う力も人数も無い。世界の命運は、不本意ながらも人間に委ねられているといってもいいだろう。
「私はな、正直この事件を重く捉えていなかったのだよ」
「そうなんですか?まあ、“アアル集合体”は関係ないって言えば関係なかったですもんね」
快晴の空を見上げる。
初夏の日差しは強烈だが、今日は不快な湿気もなくカラリとしている。
時折凪ぐ風は涼しく、上から太陽が滅法直射日光を浴びさせているのに暑さを感じなかった。
どこまでも呆れるほど心地良い天気。この同じ空の下、同じ太陽の光を町から消えた者達も感じているだろうか。
「私は意図的に姿を消していると思っていたのだよ」
「誰かの仕業じゃなくてですか?」
「そうだ。この世は生き辛くなった。希望よりも絶望の方が簡単に手に入る。あの空の彼方へ行きたいと願う者達が、昔も今もいる事は11年前から変わらない」
「自殺…ですか…」
何の前触れもなく、人が忽然と姿を消す。その問題が郊外で取り沙汰されたのは約10年前。
まだ災厄の混乱残る、絶望の最中に起きた事件だった。
偉大な先人が築き上げた文明も、苦労の果てに豊作を実らせた畑も、数々の名誉を生み出した歴史的建造物も、全てを壊して更地にした災厄は、我々の衣食住を完璧に綺麗さっぱり奪い去った。
舞い上がった土砂が空に溜まり、数か月間降り注いだ黒い雨は僅かな作物もすぐに駄目にしてしまう。生き残った魔族と魔物は、奪い合うように食べ物を漁った。
今まで贅沢にぬるま湯に浸るような暮らしをしてきた魔族には耐えられない事だった。
原始時代に逆戻りし、一から何もかも作る術も知らず、またその高いプライドが地べたに這いつくばるのを好まず、復興には随分と時間がかかったように思う。
ボロボロの我々が崖の麓に集落を作り、人間の真似事をして寄り添って生きる決意を固めた時、精神が壊れた魔族の自害が一時期流行った。先を見通せない不安に押し潰され、飢餓で死ぬよりは楽に逝きたいと自死を選ぶ者が連鎖を引き起こしたのだ。
郊外者、ユートピアの住人関係なく、それは大問題となった。
自死を止める手立てはない。ゆるゆると接し、経過を見守るしかなかった。
だが、ユートピア内に居た者は周り仲間がいた事が気持ちの変化を呼び起こしたのか、少しずつ復興の兆しが目に見えて現れだすと回復したように思う。
可哀想なのが、支援も復興も自力でこなすしかない郊外者だった。悲観度は郊外者の方が勝る。当然、死にゆく輩も多かった。
もう一度言うが、郊外者は敢えてその苦行の道を選んだ者達である。
ユートピアを築き、寄り添って生きる我々を軟弱者と嘲笑い、魔族の誇りを優先させた輩達なのだ。
「この問題は根深い。どうせ郊外の暮らしに嫌気が指して今更ユートピアにも加われないからと、楽な道を選んでいるかと思っていたのだ」
「始まりは郊外でしたもんねぇ」
「私たちはこんな見た目だが、心は繊細だ。死体が出ぬのは獣の本能。恐らく見つからない場所…海の底や森の中で朽ちているのではないかとな」
ユートピアの者達ならば救いの手もあったろう。郊外者は身勝手に生きる事と引き換えに、仲間の加護を自ら放棄した魔族だ。
だからそんな魔族が自殺を図ろうとしても、はっきりいってしまえば自業自得の成れの果てであり、我々には関係ないと思っていた。
長の手前、魚人族にはさも同情している風に見せていたが、本音のところはこれである。
「今までの失踪事件と違うのは、攫われた人数だけだ。それだけで一緒の事件と括るのは早計な気がしてならぬ」
「規模が全然違いますからねぇ。でもそれも人間が調べてくれますよ!その為に来てくれてるんですから、精々働いてもらいましょう!」
「うむ…」
自殺か誘拐か、侵略者か。それとも違うものか。
何にせよ、我々は人間に託すしかないのだ。歯車は、もう回ってしまっている。
今更無かった事には出来ぬし、こうなった以上、解決するまで我々の未来が拓ける事はないだろう。
「それよりもルーベンス様!最終段取りの打ち合わせをしませんか!」
気が滅入る話は懲り懲りだと、努めて明るい口調で喋るナポリの心遣いが鬱陶しい。
もう私に構うなと言って追い返してやりたいところなのだが、こんなところまで私を追い掛けてきたプランナーとしての責務と意地を買ってやらねば義に反する。
それに私も段取りを再確認しておきたかった。
集落にいると、あれこれといつも仕事を押し付けられて邪魔をされてしまう。私の仕事量が多い所為でもあるし、この男も準備に走り回っていたからこうして二人きりでゆっくり話せるチャンスは今しかない。
人間との迎合が終われば、この男とも縁が切れる。
だが、この時だけの付き合いで終わるには、少々惜しいとも思える有能な男だった。
ナポリはごそごそと自らの羽根を弄り、折り畳んだ紙を取り出す。鳥人族は翼の中に持ち物を収納する癖があって面白い。
「羽ばたいてると、大抵落ちちゃうんですよねぇ。忘れちゃうんですよ、鳥頭だから」
私の後ろにいるから見えないが、多分くちばしの先から細い舌でも出しているのだろう。
「私は冗談に疎い。下らない事を言っていないで、さっさと始めよう」
そんなナポリの気遣いに応えられない余裕の無さを悟られまいと、私は馬の手綱を思いきり振る。
馬は涎を滴らせ、必死に駆けている。
これは途中休憩が必要かもしれない。人間が到着する前に間に合えば良いが。
私は真っ青な空を仰いだ。
憎らしいほどに綺麗な空でも、私の心を晴れやかに満たしてくれることはない。
「人間のお出迎えは、各区画の統括長、それから長ですね。ああ、サードとフォースの方々は出席できませんね。すぐに席を外しておかないと」
「ロープで規制線を張っています。不埒者の排除はお任せしていますよ?」
「簡単な挨拶の後は、迎賓館で式典です。あまり仰々しくしたくないと先方の意を汲みまして、長い挨拶を省いています。貴方様の出番はここからですぞ。統括長の代表挨拶、カンペ通りにお願いしますね」
「その後は昼食会です。長旅で疲れているでしょうし、短めに時間を設定しています。料理は女どもが張り切って作っていますからね。オレの妻も、参加しているんですよ!妻の飯は旨いのなんのって…ああ、気にしないでください、ただのノロケですから」
「そういえば、先日文が届いて、人間側の人数に変更がありましたよ。一人、急遽増えるんだそうです。土壇場でこれをやられると面倒ですよねぇ。席も寝床もまた用意しなきゃならない。人間ってのはいい加減な種族ですよ、全くもう!」
「暫しの休息の後、再び迎賓館で会談です。といっても、本題の失踪事件の話題は明日以降となりますね。世話話が主になるでしょうか。長とギルド長の二人きりでの会談です。貴方様を含めた幹部の方々はこの時間にお休みになって下さい。まだ夜がありますから」
「会談終了後に、長には休んでいただきましょう。なんといっても老齢です。気疲れも大変ですから。そしてオレたちは、歓迎の儀を併せた夕食会です!!大本命ですよ、食事の質もパフォーマンスもアゲアゲで参りましょう!いやぁ、パフォーマンスには自信がありますよ。余興とは云え、本格的な芸達者を仕込んでいますから!オレも楽しみです」
「この後は自由時間ですね。ただ、ファーストワンの民の外出は禁じています。当然、酒盛りも厳禁ですよ。昨夜みたいな愚行を人間に見せる訳にはいきませんからね。そこの警備や采配を、貴方様には戻ったらすぐにやってもらいましょうか」
「一応、人間の機嫌を損なわないように、夜の宴も準備万端です。より人間の姿に近しい者、それも極上の娼婦を向かわせる手筈は済んでいます。旅のコリを彼女らに癒してもらいましょう。骨砕けの腰砕け、魔族の本気を見せつけるチャンスです。後で女を労うのを忘れないようにしないといけません。高級娼婦が下賤の人間を相手にするだけでも光栄な事なんですから。あ、オレの妻には内緒ですよ?実地調査したなんてことがバレたらもう…家庭内修羅場に突入ですから、ああ…怖い怖い」
「明日の朝から会談が入ってますから、ルーベンス様も早くお休みになられて下さいね。なんだったら女を一人手配しても構いませんよ。いやぁ、我ながら隙の無い最高のプランだと思いませんか!おもてなしですよ、おもてなし!」
「あれれ?ルーベンス様、聴いていますか?ちょっと詰め込みすぎですか?いやいや、物足りないくらいですよ!災厄前であれば、もっと絢爛にお出迎えができたはずなんですが、こればっかりはしょうがないですよねぇ」
「でもあま、これだけ万全に準備しておいても、人間が忖度してくれるとは限りません。全ては彼らの出方次第ってもんです。これもプランナーとしてはよくある話なので、そんなに気に病まないでいいと思いますよ!」
「天気が良くて、本当に本当に良かった!雨が降ると台無しですからねぇ」
「どんな人間がやってくるんでしょうか。楽しみですね、ルーベンス様!!」
ああ、気が重い。
この瞬間、魔族も人間も全部ひっくるめて、世界が無くなってしまえば気が晴れるだろうか。
きっと、スカッとするだろう。
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