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第2章 2 男として、俺は先にいくよ
ついに卒業?
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「あの、ミライさん? いきなりそんな顔してどうしました」
「誠道さん」
ミライは俺の手を取って、ゆっくりと破願する。
「おめでとうございます。本当に素敵な技で、私もとても嬉しく思います」
うん。
さっきまでと言ってることが真逆すぎて、怖いんだけど。
その笑顔も相まってすごく不気味だ。
「【目からビーム】。本当に格好いいです。言葉の響きもすごくよくて、誠道さんにすごく似合ってます。きっと、誠道さんはこの【目からビーム】を打つために産まれてきた男です。この最強の技で世界をものにするでしょう」
なんだこの、あからさまなお世辞は。
だけど、まあ、褒められ慣れてない引きこもりですから、お世辞だとわかっていても、ちょっと嬉しい。
「そ、そうかな? 【目からビーム】ってそんなに格好いいかな?」
「はい! ものすごく!」
「でも、欠点が、反動が、怖すぎない?」
「大丈夫です。十分間の失明がなんですか。それを補って余りあるほどの格好よさじゃないですか。むしろ十分間の失明という欠点があるからこそ、【目からビーム】を出せるという強さがより際立つのです」
「そ、そうかな」
「完璧主義者が人に好かれますか? 欠点、すなわち隙のある人の方が身近に感じますよね?」
ミライさんすごーい。こうも言い方を変えるだけで、なんだか欠点が欠点じゃなくなった気がするぞ。
こいつきっと、なんだかんだで就活で内定10個とか20個とかもらえるタイプのやつだ。
「それに誠道さんには私がついています。誠道さんの失明中は、この私が絶対に守ってみせますし、歩行の支援も行います」
その目の輝きには、自信がありありと浮かんでいた。
「なんなら動けない間、ずっと膝枕をしてあげましょう!」
え、マジで?
そんなの最高じゃん。
もはや十秒間の失明は欠点じゃなくて利点じゃん!
しかも目が見えていないことにかこつけて、手を動かしたときにミライの体に触れてしまったとしても、足がよろめいて転びそうになって顔がミライの体にうずまったとしても、
「ごめん。目が見えなくて」
という最強のフレーズで誤魔化すことができる!
ああ! もう早く【目からビーム】を使いたくて使いたくてたまらない!
ミライって心理学に精通してたのかなぁ!
借金依存症だからそれはないか!
はははは!
「だからこそ、誠道さん!」
ミライが興奮気味の顔をぐっと近づけてくる。
「絶対に【目からビーム】を使うときは、なにがあっても、私のそばで使ってくださいね。そうでないとすぐに支援ができないので」
「ああ。絶対に、ミライのそばでしか【目からビーム】は使わないよ」
「ありがとうございます。失明中はすべて私にまかせてください。誠道さんは不安がらずに身を委ねてください。どんどん【目からビーム】を打って、じゃんじゃん失明してください!」
「もちろんさ。失明中はミライに頼り切ることにするよ」
「はい。がんばります」
満面の笑みを浮かべるミライ。
すぐに、興奮を押し隠すような色っぽい表情に変わり、少しモジモジしながら、艶やかな瞳で俺を見上げる。
「ああっ、誠道さんにここまで頼られたら、私、もう我慢できません! 一刻も早く、誠道さんが【目からビーム】を打つ格好いい姿を見たいです! それで早く失明している誠道さんに寄り添いたいです!」
おいおいミライさんよぉ。
そんなに俺の格好いい姿が見たいのかよ。
わかったよ。
だったらお望みどおり、俺の格好いい姿見せてやるよ。
「実は俺も、早く【目からビーム】を打って失明して、ミライを頼りたいと思っていたんだ」
なんだか俺、【目からビーム】を打つことよりも、失明して、足元ふらつかせてこけるふりして、顔をおっぱいにうずめたり、膝枕されたりすることが目的になってない?
まさかそんなことはないよな。
俺は純粋に、ミライに格好いい姿を見せてあげたくて、その一心で【目からビーム】を打とうとしている。
勘違いされちゃ困るな。
俺はエロガキじゃねぇんだよ。
「それじゃあ早速街の外にいきましょう!」
「ああ! そうだな!」
「では私はちょっと準備があるので、先に玄関で待っていてもらえますか?」
「わかった。……でも、準備ってなんだ?」
「それは……聞かないでください。乙女の秘密ですよ」
「……え」
なにそれ。
しかもなんかめちゃくちゃ色っぽく聞こえる。
「安心してください。誠道さんが失明したときのために……その……、誠道さんと私が……ひとつになるというか、一緒に気持ちよくなるための……準備ですから」
「お、おう」
え、なにこの展開?
もしかして俺もシャワーかなんか浴びて体を清めた方がいいの?
でも【目からビーム】を出すために外にいくから……ってか、えっ?
俺たち外でそんなことするのっ?
ミライにそんな趣味があったなんて意外だ。
俺にはそんな趣味はないが、まあ、これも一回くらいは妄想したことがある。
ぜんぜんまったくこれっぽっちも俺は望んでないけど、気が進まないけど、ミライがそうしたいなら、それを叶えてやるのが男ってものだ。
支援されっぱなしはおかしい。
男女平等社会賛成!
ミライが俺を支援するなら、俺もミライのやりたいことを支援しないと。
「ミライって、意外と大胆だったんだな」
「そんなこと言わないでください。私だって、私の秘密を、誠道さんに明かすのは、見られるのは、恥ずかしいんですから。だからその……失明中に、しようと思いまして」
なるほどね。そういうことか。
「大丈夫。ミライが俺を支援してくれるように、俺もミライを支援したいんだ」
「誠道さん……」
ミライが尊敬の眼差しを向けてくる。
「私、勇気を出してよかった。誠道さんを支援できて、本当に幸せですっ!」
「俺も幸せだよ。ミライ」
男、石川誠道。十七歳。
今日で真の男になってきます!
「誠道さん」
ミライは俺の手を取って、ゆっくりと破願する。
「おめでとうございます。本当に素敵な技で、私もとても嬉しく思います」
うん。
さっきまでと言ってることが真逆すぎて、怖いんだけど。
その笑顔も相まってすごく不気味だ。
「【目からビーム】。本当に格好いいです。言葉の響きもすごくよくて、誠道さんにすごく似合ってます。きっと、誠道さんはこの【目からビーム】を打つために産まれてきた男です。この最強の技で世界をものにするでしょう」
なんだこの、あからさまなお世辞は。
だけど、まあ、褒められ慣れてない引きこもりですから、お世辞だとわかっていても、ちょっと嬉しい。
「そ、そうかな? 【目からビーム】ってそんなに格好いいかな?」
「はい! ものすごく!」
「でも、欠点が、反動が、怖すぎない?」
「大丈夫です。十分間の失明がなんですか。それを補って余りあるほどの格好よさじゃないですか。むしろ十分間の失明という欠点があるからこそ、【目からビーム】を出せるという強さがより際立つのです」
「そ、そうかな」
「完璧主義者が人に好かれますか? 欠点、すなわち隙のある人の方が身近に感じますよね?」
ミライさんすごーい。こうも言い方を変えるだけで、なんだか欠点が欠点じゃなくなった気がするぞ。
こいつきっと、なんだかんだで就活で内定10個とか20個とかもらえるタイプのやつだ。
「それに誠道さんには私がついています。誠道さんの失明中は、この私が絶対に守ってみせますし、歩行の支援も行います」
その目の輝きには、自信がありありと浮かんでいた。
「なんなら動けない間、ずっと膝枕をしてあげましょう!」
え、マジで?
そんなの最高じゃん。
もはや十秒間の失明は欠点じゃなくて利点じゃん!
しかも目が見えていないことにかこつけて、手を動かしたときにミライの体に触れてしまったとしても、足がよろめいて転びそうになって顔がミライの体にうずまったとしても、
「ごめん。目が見えなくて」
という最強のフレーズで誤魔化すことができる!
ああ! もう早く【目からビーム】を使いたくて使いたくてたまらない!
ミライって心理学に精通してたのかなぁ!
借金依存症だからそれはないか!
はははは!
「だからこそ、誠道さん!」
ミライが興奮気味の顔をぐっと近づけてくる。
「絶対に【目からビーム】を使うときは、なにがあっても、私のそばで使ってくださいね。そうでないとすぐに支援ができないので」
「ああ。絶対に、ミライのそばでしか【目からビーム】は使わないよ」
「ありがとうございます。失明中はすべて私にまかせてください。誠道さんは不安がらずに身を委ねてください。どんどん【目からビーム】を打って、じゃんじゃん失明してください!」
「もちろんさ。失明中はミライに頼り切ることにするよ」
「はい。がんばります」
満面の笑みを浮かべるミライ。
すぐに、興奮を押し隠すような色っぽい表情に変わり、少しモジモジしながら、艶やかな瞳で俺を見上げる。
「ああっ、誠道さんにここまで頼られたら、私、もう我慢できません! 一刻も早く、誠道さんが【目からビーム】を打つ格好いい姿を見たいです! それで早く失明している誠道さんに寄り添いたいです!」
おいおいミライさんよぉ。
そんなに俺の格好いい姿が見たいのかよ。
わかったよ。
だったらお望みどおり、俺の格好いい姿見せてやるよ。
「実は俺も、早く【目からビーム】を打って失明して、ミライを頼りたいと思っていたんだ」
なんだか俺、【目からビーム】を打つことよりも、失明して、足元ふらつかせてこけるふりして、顔をおっぱいにうずめたり、膝枕されたりすることが目的になってない?
まさかそんなことはないよな。
俺は純粋に、ミライに格好いい姿を見せてあげたくて、その一心で【目からビーム】を打とうとしている。
勘違いされちゃ困るな。
俺はエロガキじゃねぇんだよ。
「それじゃあ早速街の外にいきましょう!」
「ああ! そうだな!」
「では私はちょっと準備があるので、先に玄関で待っていてもらえますか?」
「わかった。……でも、準備ってなんだ?」
「それは……聞かないでください。乙女の秘密ですよ」
「……え」
なにそれ。
しかもなんかめちゃくちゃ色っぽく聞こえる。
「安心してください。誠道さんが失明したときのために……その……、誠道さんと私が……ひとつになるというか、一緒に気持ちよくなるための……準備ですから」
「お、おう」
え、なにこの展開?
もしかして俺もシャワーかなんか浴びて体を清めた方がいいの?
でも【目からビーム】を出すために外にいくから……ってか、えっ?
俺たち外でそんなことするのっ?
ミライにそんな趣味があったなんて意外だ。
俺にはそんな趣味はないが、まあ、これも一回くらいは妄想したことがある。
ぜんぜんまったくこれっぽっちも俺は望んでないけど、気が進まないけど、ミライがそうしたいなら、それを叶えてやるのが男ってものだ。
支援されっぱなしはおかしい。
男女平等社会賛成!
ミライが俺を支援するなら、俺もミライのやりたいことを支援しないと。
「ミライって、意外と大胆だったんだな」
「そんなこと言わないでください。私だって、私の秘密を、誠道さんに明かすのは、見られるのは、恥ずかしいんですから。だからその……失明中に、しようと思いまして」
なるほどね。そういうことか。
「大丈夫。ミライが俺を支援してくれるように、俺もミライを支援したいんだ」
「誠道さん……」
ミライが尊敬の眼差しを向けてくる。
「私、勇気を出してよかった。誠道さんを支援できて、本当に幸せですっ!」
「俺も幸せだよ。ミライ」
男、石川誠道。十七歳。
今日で真の男になってきます!
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