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第4章 1 いざ猫族の里へ
白銀世界
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「っていまは呼び方なんかどうでもいい。ここは俺に任せて。インヴィジブ――」
「その必要はないわ」
【無敵の人間】を発動させようとした俺の前にマーズが立ちはだかる。
「こんな、マンティコアという名前を持つ、そこかとなくえっちな魔物。私一人で十分よ」
「文章を並び替えんな! 意味が大きく異なってるじゃねぇか!」
「え? マンティコアという文字を並び替えたらエッチな意味になる?」
「誰もそんなこと言ってねぇぞ!」
もういいや。
マンティコア問題については、これ以上は触れないからね。
「でもさ、マーズさん。本当に一人で大丈夫なのかよ」
「私を誰だと思っているの? 私は氷の大魔法使い、マーズ・シィよ」
自慢げに笑ったマーズがマンティコアに向き直り、ゆっくりと近づいていく。
マンティコアは不気味な唸り声を上げてマーズに飛びかかった。
……危ないっ!
「ごめんなさい、そこはかとなくえっちなマンティコアさん。【白銀世界】」
飛びかかってきたマンティコアに向けて、マーズが手を伸ばす。
マンティコアの大きな爪がマーズの伸ばした手を引きさ――くことはなく、マーズに触れたところからピキピキと凍りついていく。
「……す、すげぇ」
氷で覆われたマンティコアがドサリと地面に落ちる。
マーズがその巨大な塊にデコピンをすると、氷はマンティコアの体もろとも粉々に砕け散った。
さすが、氷の大魔法使いといったところか。
冷静に考えたらさ、俺たち、こんなすげぇ人を相手にしていたんだな。
あと、マンティコアは死ぬ間際にただのエロ大魔神になりました。
「これくらい当然ね」
振り返ったマーズは胸を張っていたが、すぐに顎を手でさすって首をひねり。
「でも、一般人ならまだしも、普通に考えてマンティコアごときに冒険者が何人もやられるかしら」
いや、あなたが強すぎて普通の基準が狂っているだけではないですか?
大魔法使いが大魔法使い基準で物事を考えたらいけませんよ。
「……あ、お母さん!」
心の中でそう思っていると、コハクちゃんが急に叫んだ。
マンティコアがいた場所の後ろ、岩場の影から猫族の女の人が恐る恐るといった様子でこちらをのぞいていた。
年齢は人間で言うと三十代後半くらい。
コハクちゃんのように露出の高い服は着ておらず、年相応の黒のワンピースを着ている。
しっぽとか耳とかはしっかりとついている。
コハクちゃんとは違って黒色だ。
「えっ? コハク?」
娘の声を聞いたコハクちゃんのお母さんが、岩場からバッと飛び出してくる。
「お母さん! 心配かけてごめんなさい!」
コハクちゃんがお母さんに飛びつく。
それを受け止めたコハクちゃんのお母さんは、
「コハク、心配したのよ」
と娘を抱きしめ、その優しそうな顔に涙を浮かべていた。
「でも、コハク。ここにはそこはかとなくえっちな魔物、マンティコアがいたでしょう」
「その通り名って常識だったんかい!」
思わずコハクちゃんのお母さんにツッコんでしまった。
つまり、マンティコアはただのすけべ?
「そこはかとなくえっちな魔物、マンティコアなら、私をここまで連れてきてくれた誠道さんたちが倒してくれたの」
コハクちゃんが俺たちを振り返りながら言うと、コハクちゃんのお母さんは目を丸くした。
「え? そこはかとなくえっちな魔物、マンティコアが倒されたって、本当なの?」
「あっ! そこはかとなくえっちな魔物、マンティコアを倒したのはマーズさんだったから、誠道さんは関係なかった」
「こちらの方がそこはかとなくえっちな魔物、マンティコアを……」
コハクちゃんのお母さんは驚嘆の眼差しでマーズを見ている。
ってか、毎回マンティコアのことを、そこはかとなくえっちな魔物って呼ばなくてもいいんだよ。
絶対面倒くさいよね?
コハクちゃんのお母さんが、俺たちに深々と頭を下げる。
「この度は、娘を助けていただきありがとうございました。ごほっ、ごほっ!」
「お母さん大丈夫? そもそもどうしてこんなところにいるの? 病気なんだから寝てなきゃ」
「だって、コハクがいなくなって、いてもたってもいられなくて、探さないとって」
「お母さん…………ごめんなさい」
「いいのよ。だって無事に帰ってきてくれたんだから」
コハクちゃんのお母さんは苦しそうに笑いながら、娘の頭を撫でている。
コハクちゃんは、そんなお母さんを支えながら。
「みなさん。うちまでお母さんを運ぶの、手伝ってもらってもいいですか?」
「その必要はないわ」
【無敵の人間】を発動させようとした俺の前にマーズが立ちはだかる。
「こんな、マンティコアという名前を持つ、そこかとなくえっちな魔物。私一人で十分よ」
「文章を並び替えんな! 意味が大きく異なってるじゃねぇか!」
「え? マンティコアという文字を並び替えたらエッチな意味になる?」
「誰もそんなこと言ってねぇぞ!」
もういいや。
マンティコア問題については、これ以上は触れないからね。
「でもさ、マーズさん。本当に一人で大丈夫なのかよ」
「私を誰だと思っているの? 私は氷の大魔法使い、マーズ・シィよ」
自慢げに笑ったマーズがマンティコアに向き直り、ゆっくりと近づいていく。
マンティコアは不気味な唸り声を上げてマーズに飛びかかった。
……危ないっ!
「ごめんなさい、そこはかとなくえっちなマンティコアさん。【白銀世界】」
飛びかかってきたマンティコアに向けて、マーズが手を伸ばす。
マンティコアの大きな爪がマーズの伸ばした手を引きさ――くことはなく、マーズに触れたところからピキピキと凍りついていく。
「……す、すげぇ」
氷で覆われたマンティコアがドサリと地面に落ちる。
マーズがその巨大な塊にデコピンをすると、氷はマンティコアの体もろとも粉々に砕け散った。
さすが、氷の大魔法使いといったところか。
冷静に考えたらさ、俺たち、こんなすげぇ人を相手にしていたんだな。
あと、マンティコアは死ぬ間際にただのエロ大魔神になりました。
「これくらい当然ね」
振り返ったマーズは胸を張っていたが、すぐに顎を手でさすって首をひねり。
「でも、一般人ならまだしも、普通に考えてマンティコアごときに冒険者が何人もやられるかしら」
いや、あなたが強すぎて普通の基準が狂っているだけではないですか?
大魔法使いが大魔法使い基準で物事を考えたらいけませんよ。
「……あ、お母さん!」
心の中でそう思っていると、コハクちゃんが急に叫んだ。
マンティコアがいた場所の後ろ、岩場の影から猫族の女の人が恐る恐るといった様子でこちらをのぞいていた。
年齢は人間で言うと三十代後半くらい。
コハクちゃんのように露出の高い服は着ておらず、年相応の黒のワンピースを着ている。
しっぽとか耳とかはしっかりとついている。
コハクちゃんとは違って黒色だ。
「えっ? コハク?」
娘の声を聞いたコハクちゃんのお母さんが、岩場からバッと飛び出してくる。
「お母さん! 心配かけてごめんなさい!」
コハクちゃんがお母さんに飛びつく。
それを受け止めたコハクちゃんのお母さんは、
「コハク、心配したのよ」
と娘を抱きしめ、その優しそうな顔に涙を浮かべていた。
「でも、コハク。ここにはそこはかとなくえっちな魔物、マンティコアがいたでしょう」
「その通り名って常識だったんかい!」
思わずコハクちゃんのお母さんにツッコんでしまった。
つまり、マンティコアはただのすけべ?
「そこはかとなくえっちな魔物、マンティコアなら、私をここまで連れてきてくれた誠道さんたちが倒してくれたの」
コハクちゃんが俺たちを振り返りながら言うと、コハクちゃんのお母さんは目を丸くした。
「え? そこはかとなくえっちな魔物、マンティコアが倒されたって、本当なの?」
「あっ! そこはかとなくえっちな魔物、マンティコアを倒したのはマーズさんだったから、誠道さんは関係なかった」
「こちらの方がそこはかとなくえっちな魔物、マンティコアを……」
コハクちゃんのお母さんは驚嘆の眼差しでマーズを見ている。
ってか、毎回マンティコアのことを、そこはかとなくえっちな魔物って呼ばなくてもいいんだよ。
絶対面倒くさいよね?
コハクちゃんのお母さんが、俺たちに深々と頭を下げる。
「この度は、娘を助けていただきありがとうございました。ごほっ、ごほっ!」
「お母さん大丈夫? そもそもどうしてこんなところにいるの? 病気なんだから寝てなきゃ」
「だって、コハクがいなくなって、いてもたってもいられなくて、探さないとって」
「お母さん…………ごめんなさい」
「いいのよ。だって無事に帰ってきてくれたんだから」
コハクちゃんのお母さんは苦しそうに笑いながら、娘の頭を撫でている。
コハクちゃんは、そんなお母さんを支えながら。
「みなさん。うちまでお母さんを運ぶの、手伝ってもらってもいいですか?」
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