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第4章 3 新技と誘惑
これでいいのか?
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「ちょっと! マンティコアがあっさり負けたじゃない。どういうこと?」
「あれは想定外だ。そもそも俺はあのマンティコアを進化させて、魔獣キメライオンにしてから使役する予定だったんだ」
「でも、だったらどうすればいいのよ。その進化元が倒されちゃったのよ」
「簡単だよ。マンティコアを瞬殺できる者がいたということは、逆に考えればそいつを利用すればいいだけのこと」
「……なるほどね。そいつとあの子を戦わせれば、簡単に処分ができるってことね」
「ああ。氷の魔法を使っていたということは…………間違いなくあいつだ。確実に処分できる」
不気味な二人の会話は、その後もつづいていく。
*****
宿屋(宿屋代は、マーズが出してくれることになった)であった一悶着をまずは紹介しておこう。
宿屋についたあと、早速部屋を借りようとなったときだ。
まずミライが、
「え? どうして私と誠道さんが別々の部屋に泊まらないといけないんですか? おかしいですよね! 絶対におかしいです! 今日は特にそう思います!」
俺と一緒の部屋に泊まりたいとごね、それを聞いたマーズが。
「私だけを積極的に一人にさせていくスタイルっ!」
と鼻息荒く興奮した。
さすがに男女が同じ部屋で寝るのはどうなんだと思い。
「それならミライとマーズで一緒の部屋で泊まれば?」
と提案したらやっぱりミライが駄々をこね、それを聞いたマーズが。
「私を積極的に嫌っていくスタイルっ!」
と床の上をのたうち回るほど興奮した。
もう面倒くさくなって。
「それなら三人で別々の部屋に泊まろう」
と進言したら、ミライは。
「まったく、誠道さんの恥ずかしがり屋ですね。……でも、深夜に忍び込めばあるいは……」
と呟き、マーズは。
「わざわざ一人ずつ部屋を取って私に余計にお金を払わせていくスタイルっ!」
と致死量の鼻血を噴射させるほど興奮した。
うん、なんかマーズは興奮してばっかりですね。
そういうの、なんか逆に考えるといいと思いますよ。
自分に都合よく物事を解釈できる最高の頭脳を持っているなんて、人生なにが起こっても楽しそうで羨ましい限りです。
でも、そんな最高の頭脳を持ったマーズに生まれ変わりたいと思えないのは、どうしてなのでしょうか。
「あとさ、ちょっとだけミライに対して身の危険を感じるんだけど」
「え? 私は純粋にその……これはある意味旅行ですから……誠道さんと一緒の部屋に泊まって思い出を……」
「そんなこと言って、俺が寝ている隙にまた借用書にサインさせる気じゃないだろうな。寝ている彼氏の指紋を借りてスマホを覗こうとする彼女みたいに」
「まさかっ、私がそんなプライバシーを軽視するような最低な女性に見えるんですか?」
「うん。見える」
「即答っ! ひどいですっ」
「……いや、だって前科があるからね」
むくれるミライを見て呆れる俺。
「だったら、こうしましょう!」
そんな俺たちを見かねたのか、マーズがようやく大人の女性としての力量を見せ、見事な解決策を提示してくれた。
「三人で同じ部屋に泊まることにしましょうか。こうすれば、私は一人分の部屋代ですむし、誠道くんは私という監視役を得られる。ミライさんは誠道くんと同じ部屋に泊まれる。これでみんなの願いは叶えられているわ」
「たしかに……」
「そうですね……」
俺もミライも、マーズさんの頭の良さに感動した。
なんだ、この人ただの頭がおかしいドM女じゃなかったんだな。
こうして、俺たちは三人で一つの部屋に泊まることになった。
なにかがおかしい気がするんだけど……まあ、気にしない気にしない。
だって全員の要望が叶っているんだから。
「あれは想定外だ。そもそも俺はあのマンティコアを進化させて、魔獣キメライオンにしてから使役する予定だったんだ」
「でも、だったらどうすればいいのよ。その進化元が倒されちゃったのよ」
「簡単だよ。マンティコアを瞬殺できる者がいたということは、逆に考えればそいつを利用すればいいだけのこと」
「……なるほどね。そいつとあの子を戦わせれば、簡単に処分ができるってことね」
「ああ。氷の魔法を使っていたということは…………間違いなくあいつだ。確実に処分できる」
不気味な二人の会話は、その後もつづいていく。
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宿屋(宿屋代は、マーズが出してくれることになった)であった一悶着をまずは紹介しておこう。
宿屋についたあと、早速部屋を借りようとなったときだ。
まずミライが、
「え? どうして私と誠道さんが別々の部屋に泊まらないといけないんですか? おかしいですよね! 絶対におかしいです! 今日は特にそう思います!」
俺と一緒の部屋に泊まりたいとごね、それを聞いたマーズが。
「私だけを積極的に一人にさせていくスタイルっ!」
と鼻息荒く興奮した。
さすがに男女が同じ部屋で寝るのはどうなんだと思い。
「それならミライとマーズで一緒の部屋で泊まれば?」
と提案したらやっぱりミライが駄々をこね、それを聞いたマーズが。
「私を積極的に嫌っていくスタイルっ!」
と床の上をのたうち回るほど興奮した。
もう面倒くさくなって。
「それなら三人で別々の部屋に泊まろう」
と進言したら、ミライは。
「まったく、誠道さんの恥ずかしがり屋ですね。……でも、深夜に忍び込めばあるいは……」
と呟き、マーズは。
「わざわざ一人ずつ部屋を取って私に余計にお金を払わせていくスタイルっ!」
と致死量の鼻血を噴射させるほど興奮した。
うん、なんかマーズは興奮してばっかりですね。
そういうの、なんか逆に考えるといいと思いますよ。
自分に都合よく物事を解釈できる最高の頭脳を持っているなんて、人生なにが起こっても楽しそうで羨ましい限りです。
でも、そんな最高の頭脳を持ったマーズに生まれ変わりたいと思えないのは、どうしてなのでしょうか。
「あとさ、ちょっとだけミライに対して身の危険を感じるんだけど」
「え? 私は純粋にその……これはある意味旅行ですから……誠道さんと一緒の部屋に泊まって思い出を……」
「そんなこと言って、俺が寝ている隙にまた借用書にサインさせる気じゃないだろうな。寝ている彼氏の指紋を借りてスマホを覗こうとする彼女みたいに」
「まさかっ、私がそんなプライバシーを軽視するような最低な女性に見えるんですか?」
「うん。見える」
「即答っ! ひどいですっ」
「……いや、だって前科があるからね」
むくれるミライを見て呆れる俺。
「だったら、こうしましょう!」
そんな俺たちを見かねたのか、マーズがようやく大人の女性としての力量を見せ、見事な解決策を提示してくれた。
「三人で同じ部屋に泊まることにしましょうか。こうすれば、私は一人分の部屋代ですむし、誠道くんは私という監視役を得られる。ミライさんは誠道くんと同じ部屋に泊まれる。これでみんなの願いは叶えられているわ」
「たしかに……」
「そうですね……」
俺もミライも、マーズさんの頭の良さに感動した。
なんだ、この人ただの頭がおかしいドM女じゃなかったんだな。
こうして、俺たちは三人で一つの部屋に泊まることになった。
なにかがおかしい気がするんだけど……まあ、気にしない気にしない。
だって全員の要望が叶っているんだから。
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