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第4章 3 新技と誘惑
記憶にございません
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翌日、天気は快晴。
俺、ミライ、マーズの三人は猫族の里の近くにある平原に来ていた。
なぜかというと、それは俺が新たに得た必殺技、【盾孤燃龍】を試すためだ。
まぁ、試さなくても技説明は見ているので、大体どんな技かはわかっているのだが。
【盾孤燃龍】
簡単に説明すると、その名の通り攻撃を防ぐ盾を顕現させる防御系の技だ。
技の名前はやっぱりもっとどうにかならなかったのかと思わなくもないが、有用性の高そうな技なのでまあいいだろう。
「ふぅ、やっぱりこの椅子は重いのよねぇ。持ち運ぶだけで一苦労だわ」
マーズは宿屋の部屋から持ってきていたビリビリ椅子を地面の上に置いて、汗をぬぐう動作を見せる。
「だから重いなら置いてくるなり宿屋のカウンターに預けるなりすればよかっただろうが」
「愛する我が子を誰かに預けるなんて無責任すぎるわ! 母親失格よ!」
「だからその椅子は腹を痛めて我が産んだ子じゃねぇぞ!」
「私に痛みを与えるという点では同じだと思うけど?」
「いますぐ全国の母親に謝れ!」
あ、ちなみに俺は無痛分娩を選択するのもありだと思っていますからね。
そこは説明しておかないと、変な苦情がきそうだから、一応ね。
俺が謎の弁明を頭の中でしていると、いきなりマーズがエロい保険教師のようにビリビリ椅子に座って足を組んだ。
「いい、誠道くん。そもそもこのビリビリ椅子を持ち運ばないなんて、そんなの本末転倒なのよ。だっていつミライさんがこの椅子を使って私に拷問を………………あっ!」
急にマーズがなにかをひらめいたかのような声を上げ、にやりと不敵な笑みを浮かべる。
なんだかすごく嫌な予感がするんだけど。
しかも、マーズは子どもが遊園地を目の前にしたときの様な無邪気な目で俺を見て。
「そうよ。キャバクラのことを考えたら……どうして早くこれを思いつかなかったのかしら」
……うん。
絶対に変なこと考えついたよね。
それ、俺たちが聞かないといけないやつ?
一人で勝手に興奮するだけなら、勝手にそこら辺でやっておいてほしいんだけど。
「ねぇ、誠道くん」
「よしっ! さっそく俺の新技ためそうか! いやぁ、どんな技か楽しみだなぁー」
鼻息荒いマーズが俺にゆっくりと近づいてきたので、すぐさま話題を逸らす。
これまでの傾向から、このままマーズの暴走を許すと、俺にとって最悪な展開がやってくるはずだから。
危機管理って本当に大事。
「……もう。お楽しみは最後に取っておくってことね。誠道くんにとっても悪い話ではないわけだし」
にんまり笑いながら呟いたマーズは、目を閉じてから身もだえする。
はぁ。
あなたはいったいなにを妄想したんですか?
俺にとって悪い話ではないって、絶対に嘘ですよね!
「とりあえず、宿屋で決めたのは、俺が【盾孤燃龍】を使って、マーズがその盾に攻撃。どれほどの攻撃を防げるのかを試す……でいいんだよな?」
「はい。その通りです。マーズさん、よろしくお願いしますね」
ミライがマーズに一礼すると、マーズは頬を朱色に染め。
「じゃあそのご褒美に、ミライさんに好きなだけなじられる権利を」
「与えません!」
「ああんっ! その即答の拒絶も甘美なジェラートなのよっ」
「甘美なジェラートってなんですか! ……はぁ。まったくもう」
ミライが身をよじるマーズさんを見ながら盛大にため息をつく。
うんうん。
そりゃあこんなドM女を前にしたら、ため息もつきたくなるよね。
「でも私的に、ドMの誠道さんに防御技は適さないと思うんですよね。まあ、覚えた以上は仕方ありませんが」
「俺に対してのため息だった可能性が浮上したっ!? ってかなんでミライは不満げなんだよ! 俺に強くなってほしいんじゃなかったのか! そう言ってたよな?」
「……記憶にございません」
「こいつ都合の悪い事実を忘却しやがった! 悪徳政治家の常套句だぞそれ!」
俺、ミライ、マーズの三人は猫族の里の近くにある平原に来ていた。
なぜかというと、それは俺が新たに得た必殺技、【盾孤燃龍】を試すためだ。
まぁ、試さなくても技説明は見ているので、大体どんな技かはわかっているのだが。
【盾孤燃龍】
簡単に説明すると、その名の通り攻撃を防ぐ盾を顕現させる防御系の技だ。
技の名前はやっぱりもっとどうにかならなかったのかと思わなくもないが、有用性の高そうな技なのでまあいいだろう。
「ふぅ、やっぱりこの椅子は重いのよねぇ。持ち運ぶだけで一苦労だわ」
マーズは宿屋の部屋から持ってきていたビリビリ椅子を地面の上に置いて、汗をぬぐう動作を見せる。
「だから重いなら置いてくるなり宿屋のカウンターに預けるなりすればよかっただろうが」
「愛する我が子を誰かに預けるなんて無責任すぎるわ! 母親失格よ!」
「だからその椅子は腹を痛めて我が産んだ子じゃねぇぞ!」
「私に痛みを与えるという点では同じだと思うけど?」
「いますぐ全国の母親に謝れ!」
あ、ちなみに俺は無痛分娩を選択するのもありだと思っていますからね。
そこは説明しておかないと、変な苦情がきそうだから、一応ね。
俺が謎の弁明を頭の中でしていると、いきなりマーズがエロい保険教師のようにビリビリ椅子に座って足を組んだ。
「いい、誠道くん。そもそもこのビリビリ椅子を持ち運ばないなんて、そんなの本末転倒なのよ。だっていつミライさんがこの椅子を使って私に拷問を………………あっ!」
急にマーズがなにかをひらめいたかのような声を上げ、にやりと不敵な笑みを浮かべる。
なんだかすごく嫌な予感がするんだけど。
しかも、マーズは子どもが遊園地を目の前にしたときの様な無邪気な目で俺を見て。
「そうよ。キャバクラのことを考えたら……どうして早くこれを思いつかなかったのかしら」
……うん。
絶対に変なこと考えついたよね。
それ、俺たちが聞かないといけないやつ?
一人で勝手に興奮するだけなら、勝手にそこら辺でやっておいてほしいんだけど。
「ねぇ、誠道くん」
「よしっ! さっそく俺の新技ためそうか! いやぁ、どんな技か楽しみだなぁー」
鼻息荒いマーズが俺にゆっくりと近づいてきたので、すぐさま話題を逸らす。
これまでの傾向から、このままマーズの暴走を許すと、俺にとって最悪な展開がやってくるはずだから。
危機管理って本当に大事。
「……もう。お楽しみは最後に取っておくってことね。誠道くんにとっても悪い話ではないわけだし」
にんまり笑いながら呟いたマーズは、目を閉じてから身もだえする。
はぁ。
あなたはいったいなにを妄想したんですか?
俺にとって悪い話ではないって、絶対に嘘ですよね!
「とりあえず、宿屋で決めたのは、俺が【盾孤燃龍】を使って、マーズがその盾に攻撃。どれほどの攻撃を防げるのかを試す……でいいんだよな?」
「はい。その通りです。マーズさん、よろしくお願いしますね」
ミライがマーズに一礼すると、マーズは頬を朱色に染め。
「じゃあそのご褒美に、ミライさんに好きなだけなじられる権利を」
「与えません!」
「ああんっ! その即答の拒絶も甘美なジェラートなのよっ」
「甘美なジェラートってなんですか! ……はぁ。まったくもう」
ミライが身をよじるマーズさんを見ながら盛大にため息をつく。
うんうん。
そりゃあこんなドM女を前にしたら、ため息もつきたくなるよね。
「でも私的に、ドMの誠道さんに防御技は適さないと思うんですよね。まあ、覚えた以上は仕方ありませんが」
「俺に対してのため息だった可能性が浮上したっ!? ってかなんでミライは不満げなんだよ! 俺に強くなってほしいんじゃなかったのか! そう言ってたよな?」
「……記憶にございません」
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