うちのメイドがウザかわいい! 転生特典ステータスがチートじゃなくて【新偉人(ニート)】だったので最強の引きこもりスローライフを目指します。

田中ケケ

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第6章 1 私は買い物上手です

変態冤罪事件

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「コハクちゃん。久しぶり。さぁどうぞ、上がって」

「え、あ……その」

 俺がコハクちゃんに上がるよう促すと、なぜかコハクちゃんはきょろきょろしはじめた。

 まるでなにかを警戒しているかのようだ。

 可愛らしい猫耳がぴょこぴょこ動いている。

「じゃあ、はい。お邪魔します」

 おずおずと家に上がるコハクちゃんを見て、不穏な空気を感じ取る。

 なんか執拗に後ろを振り返っていた感じがするけど、もしかしてストーカーでもされているのだろうか。

 ってか、なんか俺も視線を感じるなぁ。

 扉が閉まる前、俺もコハクちゃんの後ろを見てみたが、別になにもなかった。

「気のせいか……」

「ん? どうしたんですか、誠道さん」

「いや、なにもないよ」

 ミライに返事をした後で玄関の鍵をかけ、コハクちゃんとリビングに向かった。

「はい、どうぞ」

「すみません」

 テーブルを挟んで対面に座るコハクちゃんにお茶を出したミライは、そのまま俺の隣に座った。

 コハクちゃんはお茶をごくごくと飲んだ後、うつむき加減で。

「実は……最近店の前で変態がうろついているんです」

「誠道さん、いますぐ自首しましょう」

 ミライがすぐに疑ってきやがった!

「俺なわけがないだろうが!」

「え? だって変態と言えば誠道さんって、グランダラでは有名ですよ。フランスの首都がパリであるのと同じくらい」

「いつの間にそんな偏見が広まってんだよ!」

「縛られるのが好き、服が透けて見える魔本を買おうとする、幼く見える女の子を買おうとする。変態の神さまじゃないですか!」

「いつの話だよそれ!」

 いつの日かの闇オークションで俺が変態の神様だなんて呼ばれてたこと、よく覚えてたなぁ。

「ってかさ、こうやってふざけてる場合じゃないだろ。コハクちゃんの店の前で変態が出るって話で」

 話をなんとか元に戻すと、コハクちゃんは深刻そうに目を閉じた。

「実は、変態が現れるようになってから、不気味で気持ち悪いって悪評が広まって、うちの店の前を歩く人が激減してしまい、売り上げが99パーセントほど減ってしまったんです」

 今にも泣きだしそうなコハクちゃんを見て胸が痛む。

 あと99パーセントって今年の流行語なの?

「それは……結構ヤバい状況だな」

 冷静に考えて99パーセント減って、大赤字なんてレベルじゃない。

 店の存続にかかわるぞ。

「なるほど、それは災難ですね」

 ようやくミライも事の重大さに気づいたのか、眉根を寄せて難しい表情を浮かべていた。

 そんなミライと目が合い、力強くうなずき合う。

 コハクちゃんが困っているなら助けてあげたい。

 いや助けよう! 

 ミライと気持ちがひとつになった瞬間だった。

「大丈夫だよ。心配しないでコハクちゃん。俺たちがなんとかするから」

 俺が優しいトーンを意識して声をかけると。

「そうですよ。私たちに任せてください。すぐに解決して見せますから」

 ミライは立ち上がって、コハクちゃんの隣に移動した。

「誠道さん、ミライさん」

 コハクちゃんは俺たちの心意気に感動したようだ。

 潤んだ瞳でミライを見上げるコハクちゃんに、ミライは笑顔でうなずき返して肩に手を置き。

「ちょうど99パーセント引きのシールがあるので、店に貼ってはいかがですか」

「傷口に塩を塗るような提案してんじゃねぇ!」

「え? でも売り上げが99パーセント減ったんですから、事実は事実として表記しないとお客様に対して誠実とは言えません」

「だから傷口に塩を」

「でも99パーセント引きのシールには、客を引きつける魔力がありますよ」

「さっきそのシールが貼られている商品は不良品だって言ってたのはどこのどいつだったかな。余計に客が来なくなるわ!」

 アホみたいな提案をしたミライは置いといて、俺はコハクちゃんが失望する前にきちんと話を進めることにする。

「ミライは冗談を言っているだけだから気にしないで。それで、コハクちゃんは俺たちにその変態を捕まえてほしくてここに来たんだよね」

「いや、違います」

「違うんかい!」

 即答されたよ。

 じゃあなんでここに

「変態といえば誠道さんだと思って、私、誠道さんに自首してほしくて。これ以上罪を重ねてほしくなくて」

「なんでそうなるんだよ!」

 手で顔を押さえて泣くコハクちゃん。

 コハクちゃんにまでそんな風に思われていたなんて。

「誠道さん、このままでは誠道さんが不当に、いや正当な理由で変態だと疑われてしまいます」

「不当に決まってるだろ」

「変態容疑がかかってしまったら、誠道さんにはそれを冤罪だと証明する手立てがありません」

「いや普通にあるだろ。たぶん」

「とにかく、今から動かないともう遅いんです。私たちで絶対に犯人を捕まえましょう。そうしないと変態の神様で有名の誠道さんが誤認逮捕されてしまいます。私、そんなこと許せません!」

「ミライ……」

 力強い言葉で、俺の人生を守ろうとしてくれるミライに感動を覚える。

 変態の神様でもないし、誤認逮捕もされないと思うけど、まあ、ここまで俺のことを考えてくれるのは、素直に嬉しい。

「だって捕まったらどこの誰ともわからない看守に縄で縛られちゃいますから! 誠道さんを縛っていいのは私だけです!」

「理由が意味わかんなかったよ! 俺の感動を返せ!」
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