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第6章 2 旅館にて、契約
混浴の醍醐味
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「ん? どうかしましたか?」
「いや、ミライも早く湯船に浸かったらと思ってな。すげえ気持ちいいぞ」
ミライに聞かれて普通に焦った。
どこを見ていいかわからないので、ゆらゆら揺れる湯船に視線を落としながら言う。
馬鹿正直にえっちな目で見てましたと言えるはずがないから、うん、仕方ないね。
平静を装ってますとも言えないし、これが思春期男子が女子と混浴するときにできる最大限なんです。
「では、お言葉に甘えて」
ミライがゆっくりとしゃがんで両膝をつく。
バスタオルと閉じられた太ももの隙間にできた、黒い影の逆三角形は芸術だった。
それから少し前屈みになって露天風呂の縁にお酒とグラスが乗ったお盆を置く。
谷間が強調されてもうやばい。
なにがやばいっていうか、とにかくやばい。
俺の富士山級が進化しそうだ。
「失礼します。……んぅあああ。いいお湯ですねぇ」
蕩けるようなミライの声が俺の鼓膜を優しく揺らす。
目を閉じてお湯の暖かさを感じるミライのあまりの妖艶さに感動を覚えた。
わずかに濡れた髪、湯気と同化しそうなほど白い肌、ほんのりと赤い肩、そしてバスタオルで覆いきれない谷間――もうやばいんですけど。
というより、裸で同じお湯を共有しているっていうのがもうやば……さすがにこれはきもすぎるので自重して自嘲しますね。
男子ってのは、好きな子と同じ空気を吸えているだけで、いま俺が吸っている空気は気になるあの子が吐き出した空気かもしれないと思えるだけで興奮できる、バカな存在なんです。
「ささ、誠道さん。お酌いたしますね」
「あ、ありがとう」
ミライにグラスを手渡され、透明なお酒がグラスに満ちていく。
それを終えると、ミライはすぐにもうひとつのグラスにお酒を注いだ。
所作のすべてが俺の奥深くを刺激して、見惚れてしまう。
「さぁ、乾杯しましょう」
満面の笑みを浮かべながらグラスを差し出してきたのでこつんと軽くぶつける。
ちりん、という音がじんわりと俺の中にとけていった。
くいっと一口飲むと、爽やかな風味が鼻に抜け、喉がキュッと熱くなり、視界の四隅がわずかにとろけた。
「誠道さん。おいしいお酒ですね」
「ああ、最高だな」
目を閉じてもう一口。
お酒の甘みを感じつつ、ゆっくりと息を吐く。
湯船に浸かって飲むなんて、控えめに言って最高じゃないか。
気持ちよくて、ぽわぽわして、暖かくて、夢見心地ってこういうことなんだな。
俺とミライは穏やかな時間を共有していく。
談笑して、景色を楽しんで、お酒を飲んで。
「すみません。なんか私、酔ってきたかもしれません」
「……え? のぼせたんじゃな――」
いのか? という言葉がとまる。
ミライが寄りかかるようにして倒れてきて、頭が俺の肩に乗ったのだ。
気を失っているわけではなく、目はとろんとしているがたしかに開いている。
長いまつげと、少しだけはだけたバスタオルからこぼれそうな胸元のふくらみ、お湯の中には無造作に投げ出された太ももがある。
見えてはいけない所が全部見えてしまいそうだ。
「いや、ミライも早く湯船に浸かったらと思ってな。すげえ気持ちいいぞ」
ミライに聞かれて普通に焦った。
どこを見ていいかわからないので、ゆらゆら揺れる湯船に視線を落としながら言う。
馬鹿正直にえっちな目で見てましたと言えるはずがないから、うん、仕方ないね。
平静を装ってますとも言えないし、これが思春期男子が女子と混浴するときにできる最大限なんです。
「では、お言葉に甘えて」
ミライがゆっくりとしゃがんで両膝をつく。
バスタオルと閉じられた太ももの隙間にできた、黒い影の逆三角形は芸術だった。
それから少し前屈みになって露天風呂の縁にお酒とグラスが乗ったお盆を置く。
谷間が強調されてもうやばい。
なにがやばいっていうか、とにかくやばい。
俺の富士山級が進化しそうだ。
「失礼します。……んぅあああ。いいお湯ですねぇ」
蕩けるようなミライの声が俺の鼓膜を優しく揺らす。
目を閉じてお湯の暖かさを感じるミライのあまりの妖艶さに感動を覚えた。
わずかに濡れた髪、湯気と同化しそうなほど白い肌、ほんのりと赤い肩、そしてバスタオルで覆いきれない谷間――もうやばいんですけど。
というより、裸で同じお湯を共有しているっていうのがもうやば……さすがにこれはきもすぎるので自重して自嘲しますね。
男子ってのは、好きな子と同じ空気を吸えているだけで、いま俺が吸っている空気は気になるあの子が吐き出した空気かもしれないと思えるだけで興奮できる、バカな存在なんです。
「ささ、誠道さん。お酌いたしますね」
「あ、ありがとう」
ミライにグラスを手渡され、透明なお酒がグラスに満ちていく。
それを終えると、ミライはすぐにもうひとつのグラスにお酒を注いだ。
所作のすべてが俺の奥深くを刺激して、見惚れてしまう。
「さぁ、乾杯しましょう」
満面の笑みを浮かべながらグラスを差し出してきたのでこつんと軽くぶつける。
ちりん、という音がじんわりと俺の中にとけていった。
くいっと一口飲むと、爽やかな風味が鼻に抜け、喉がキュッと熱くなり、視界の四隅がわずかにとろけた。
「誠道さん。おいしいお酒ですね」
「ああ、最高だな」
目を閉じてもう一口。
お酒の甘みを感じつつ、ゆっくりと息を吐く。
湯船に浸かって飲むなんて、控えめに言って最高じゃないか。
気持ちよくて、ぽわぽわして、暖かくて、夢見心地ってこういうことなんだな。
俺とミライは穏やかな時間を共有していく。
談笑して、景色を楽しんで、お酒を飲んで。
「すみません。なんか私、酔ってきたかもしれません」
「……え? のぼせたんじゃな――」
いのか? という言葉がとまる。
ミライが寄りかかるようにして倒れてきて、頭が俺の肩に乗ったのだ。
気を失っているわけではなく、目はとろんとしているがたしかに開いている。
長いまつげと、少しだけはだけたバスタオルからこぼれそうな胸元のふくらみ、お湯の中には無造作に投げ出された太ももがある。
見えてはいけない所が全部見えてしまいそうだ。
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