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最終章 3 ミライへ
残された道
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「マーズっ!」
「遅くなってごめんなさい! ミライさん重みをもっと感じていたかった……じゃなくて誠道くんの諦めない姿で勇気をもらったわ!」
マーズが俺の前に飛び込んでくる。
ああ、もし俺があのまま諦めていたら、この瞬間は訪れなかったかもしれない。
「私は死ぬ気になっても死なないリッチーなの! もう大切なものを失うのはごめんだわ! 【氷の終焉殺戮】ッ!」
マーズがゲンシドラゴンの頭上に巨大な氷の塊を発生させると、ゲンシドラゴンは氷に押しつぶされるのを防ぐため、ブレスを氷の塊に向けて放った。
巨大な氷の塊は粉々に砕け散って単なる氷の雨になったが……やった! ブレス攻撃はなんとか防げたぞ!
あとは巨大な暗黒エネルギーを【炎鬼殺燃龍奥義・炎舞龍夢】で相殺させるだけ。
「うわぁおおおおおおおお!」
気合をエネルギーに変えて、炎龍に魔力を送りつづける。
「加勢するわ! 【氷の挙兵】たち!」
マーズが氷の挙兵を次々に顕現させる。
半分はゲンシドラゴンに立ち向かわせ、後の半分は暗黒エネルギーに突撃させていく。
ゲンシドラゴンにまたブレス攻撃をさせる隙を作らせないようにすると同時に、暗黒エネルギーの弱体化も行ってくれている。
「さすがの機転だな!」
「褒めるよりバカにしてくれると嬉しいのだけど!」
ゲンシドラゴンの攻撃で【氷の挙兵】たちは簡単にやられていく。
暗黒エネルギーに特攻する【氷の挙兵】たちもすぐに消滅する。
が、マーズの思惑通り、ゲンシドラゴンは【氷の挙兵】の対処で手いっぱいで、暗黒エネルギーも徐々に小さくなっていく。
「あとは俺がっ! うぉおおおおおりゃあああああ!」
負けるわけにはいかないと最後の力を振り絞って炎龍に魔力を送り、ようやく暗黒エネルギーを消滅させることに成功した。
「ありがとうマーズ!」
「感謝するのは早いわよ! 私だって、なけなしの力を振り絞ってるだけなんだから!」
マーズのおかげで緩みかけた気持ちを引き締め直せた。
攻撃を防いだってだけで、絶望的な状況に変わりはない。
俺はもう技を出せないし、マーズが出しつづけている【氷の挙兵】たちも、これまでと比べてずいぶんと小さい。
「なぁ、このまま【氷の挙兵】たちを出しつづけられるか? ゲンシドラゴンを引きつけてる間に打開策を考えるから」
「そんなボロボロのくせに、氷の大魔法使いを差し置いて生意気言うじゃない?」
険しい表情を崩さなかったマーズが、俺を一瞥してにやりと笑う。
「でもね、ただの引きこもりの言うことは信じられなくても、引きこもりの誠道くんのことなら信じられる…………かもしれない」
「そこは断定してくれよ!」
「私に考えがあるの」
「俺が打開策考えるのを待ってくれるんじゃないのかよ!」
「なに言ってるの? 私の考えは、誠道くんを信じているからできることなのよ」
「じゃあ、その考えとやらを言ってみろ」
現状、俺はなにも思いついていない。
だったら、なにか策を思いついているマーズに乗っかるのが正しい選択だろう。
実際、これ以上考えている時間などないのだから。
「簡単よ。私の究極奥義を使うの」
「究極奥義?」
「そう。人生で一回しか使えない、これを使うと魔力のすべてを失う、究極奥義」
「魔力の、すべて」
なんだよそれ。
つまり、その究極奥義を使うと、マーズはもう。
「そうよ。誠道くんの思った通り」
マーズがいたずらっぽい笑みを浮かべる。
それからマーズと俺は同時に口を開いた。
「ただの不老不死のお姉さんになるのよ」
「ただのドMの変態になるのか」
「ちょっと! ただのドMの変態ってどういうこと!」
「だってそうだろ! マーズは氷の大魔法使いだから変態でも許されてるけど、もし魔力を失ったらただの変態、つまり限りなくアウトに近い存在になるんだぞ!」
「大人のお姉さんはいつだって需要があるの! 引きこもりとは違うのよ! ……って、言い争ってる場合じゃないわ」
マーズが逸れた話を元に戻し、そばにいる俺にしか聞こえないような声で。
「とにかく、私が究極奥義で時間を止めるわ。といっても、せいぜい一分が限界だけれど」
「わかった。その間に動ける俺たちでアテウを倒せってことだな」
「違うわよ」
「違うのかよ! じゃあどうしろって言うんだよ……あ、まさか時間を止めるから誰も動けなくなって、そのまま一分すぎるだけっていうオチじゃないだろうな」
「それも違うわ」
マーズが小さく首を振る。
「誠道くんが動けるようにするつもりだけど、それは限られた範囲だけ。そこから出ると誠道くんの動きも止まるわ。魔法も例外じゃないから、アテウに攻撃は届けられない」
「じゃあどうするんだよ」
「新しい必殺技にかけるのよ」
「遅くなってごめんなさい! ミライさん重みをもっと感じていたかった……じゃなくて誠道くんの諦めない姿で勇気をもらったわ!」
マーズが俺の前に飛び込んでくる。
ああ、もし俺があのまま諦めていたら、この瞬間は訪れなかったかもしれない。
「私は死ぬ気になっても死なないリッチーなの! もう大切なものを失うのはごめんだわ! 【氷の終焉殺戮】ッ!」
マーズがゲンシドラゴンの頭上に巨大な氷の塊を発生させると、ゲンシドラゴンは氷に押しつぶされるのを防ぐため、ブレスを氷の塊に向けて放った。
巨大な氷の塊は粉々に砕け散って単なる氷の雨になったが……やった! ブレス攻撃はなんとか防げたぞ!
あとは巨大な暗黒エネルギーを【炎鬼殺燃龍奥義・炎舞龍夢】で相殺させるだけ。
「うわぁおおおおおおおお!」
気合をエネルギーに変えて、炎龍に魔力を送りつづける。
「加勢するわ! 【氷の挙兵】たち!」
マーズが氷の挙兵を次々に顕現させる。
半分はゲンシドラゴンに立ち向かわせ、後の半分は暗黒エネルギーに突撃させていく。
ゲンシドラゴンにまたブレス攻撃をさせる隙を作らせないようにすると同時に、暗黒エネルギーの弱体化も行ってくれている。
「さすがの機転だな!」
「褒めるよりバカにしてくれると嬉しいのだけど!」
ゲンシドラゴンの攻撃で【氷の挙兵】たちは簡単にやられていく。
暗黒エネルギーに特攻する【氷の挙兵】たちもすぐに消滅する。
が、マーズの思惑通り、ゲンシドラゴンは【氷の挙兵】の対処で手いっぱいで、暗黒エネルギーも徐々に小さくなっていく。
「あとは俺がっ! うぉおおおおおりゃあああああ!」
負けるわけにはいかないと最後の力を振り絞って炎龍に魔力を送り、ようやく暗黒エネルギーを消滅させることに成功した。
「ありがとうマーズ!」
「感謝するのは早いわよ! 私だって、なけなしの力を振り絞ってるだけなんだから!」
マーズのおかげで緩みかけた気持ちを引き締め直せた。
攻撃を防いだってだけで、絶望的な状況に変わりはない。
俺はもう技を出せないし、マーズが出しつづけている【氷の挙兵】たちも、これまでと比べてずいぶんと小さい。
「なぁ、このまま【氷の挙兵】たちを出しつづけられるか? ゲンシドラゴンを引きつけてる間に打開策を考えるから」
「そんなボロボロのくせに、氷の大魔法使いを差し置いて生意気言うじゃない?」
険しい表情を崩さなかったマーズが、俺を一瞥してにやりと笑う。
「でもね、ただの引きこもりの言うことは信じられなくても、引きこもりの誠道くんのことなら信じられる…………かもしれない」
「そこは断定してくれよ!」
「私に考えがあるの」
「俺が打開策考えるのを待ってくれるんじゃないのかよ!」
「なに言ってるの? 私の考えは、誠道くんを信じているからできることなのよ」
「じゃあ、その考えとやらを言ってみろ」
現状、俺はなにも思いついていない。
だったら、なにか策を思いついているマーズに乗っかるのが正しい選択だろう。
実際、これ以上考えている時間などないのだから。
「簡単よ。私の究極奥義を使うの」
「究極奥義?」
「そう。人生で一回しか使えない、これを使うと魔力のすべてを失う、究極奥義」
「魔力の、すべて」
なんだよそれ。
つまり、その究極奥義を使うと、マーズはもう。
「そうよ。誠道くんの思った通り」
マーズがいたずらっぽい笑みを浮かべる。
それからマーズと俺は同時に口を開いた。
「ただの不老不死のお姉さんになるのよ」
「ただのドMの変態になるのか」
「ちょっと! ただのドMの変態ってどういうこと!」
「だってそうだろ! マーズは氷の大魔法使いだから変態でも許されてるけど、もし魔力を失ったらただの変態、つまり限りなくアウトに近い存在になるんだぞ!」
「大人のお姉さんはいつだって需要があるの! 引きこもりとは違うのよ! ……って、言い争ってる場合じゃないわ」
マーズが逸れた話を元に戻し、そばにいる俺にしか聞こえないような声で。
「とにかく、私が究極奥義で時間を止めるわ。といっても、せいぜい一分が限界だけれど」
「わかった。その間に動ける俺たちでアテウを倒せってことだな」
「違うわよ」
「違うのかよ! じゃあどうしろって言うんだよ……あ、まさか時間を止めるから誰も動けなくなって、そのまま一分すぎるだけっていうオチじゃないだろうな」
「それも違うわ」
マーズが小さく首を振る。
「誠道くんが動けるようにするつもりだけど、それは限られた範囲だけ。そこから出ると誠道くんの動きも止まるわ。魔法も例外じゃないから、アテウに攻撃は届けられない」
「じゃあどうするんだよ」
「新しい必殺技にかけるのよ」
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