俺と彼女のせいしをかけた戦い(ラブコメ) 〜美少女のご主人様が奴隷の俺を興奮させようとエッチなことばかりしてくるんだが〜

田中ケケ

文字の大きさ
20 / 68
脱ぎたてのパンツをかけた戦い

梨本臨の気持ち

しおりを挟む
「えっと、その……なんでしょうか?」

 恐るおそる尋ねる。

 なんかすごい睨まれてる気がするんですけど、気のせいですよね? いつも通りの無表情なのにどうして大リーグの四番打くらいの威圧感があるの?

「大丈夫。帆乃なら女子トイレに避難させたから。ノーパンで校舎を猛ダッシュさせるなんて、そんなバカな真似は私がさせない」

 なら、とりあえず一安心だ。でも、なんで梨本さんがここへ? タイミングよすぎない? 理科準備室を見張ってたとしか思えないんだけど。

「あ、気にしないで。私、大体の事情は知ってるから」
「吉良坂さんから聞いたのか?」
「それにかんしては大丈夫よ」

 なんかすごい不気味な笑みを浮かべられてるんですけど。大丈夫って、なにが大丈夫なんですか? 答えになってないですよ?

「だってあなたが気にしたって無意味だから。明智光秀が謀反を起こした理由を知ろうとすることと同じね」

 いや、俺がいまあなたに謀反を起こしそうなんですけど? 理科室の変ですよ。ってか吉良坂さんから聞いたってはやく肯定して! 吉良坂さんが出ていって一分もたっていない中で、さっきの出来事を全部伝え切れるとは思えないけどね! 女子トイレに連れていくので精いっぱいだと思うけどね!

「いやでもそのなんと言いますか、明らかに時間がないので……つまりこの部屋を盗聴」
「気にしないで」
「もしくは盗撮」
「気にしないで」
「監視カメラがどこかに」
「これ以上文句があるならあの写真をネット上にばらまいた後で聞くけど」
「いいえ。文句などあろうはずがありません」

 ああ、某有名野球選手の名言もこんな風に使われたくなかっただろうなぁ。それかんしては、後悔などあろうはずがあります! 

「そ。じゃあその話はもう終わったから」

 梨本さんは小さく息を吐いた後、俺の右手を指さした。

「それ、あんたが欲しいならあげるけど。どうする?」
「それ、とはなんでございましょう?」
「あなたが大事そうに握りしめてる、帆乃が穿いてた下着のことよ」
「なっ――いらないよ!」

 そうだったまだ持ってたんだ! と俺は梨本さんに白と水色のパンツを突き出す。

「ほんとにいらない? オイルショック時のトイレットペーパーより貴重で実用的よ」
「いまはウォシュレットっていう文明の利器があるんだよなぁ」
「使いどころ満載のお宝なのにもったいない。帆乃が穿いていた中古品なのよ?」
「家やマンションは鍵を開けただけでその価値が大きく下がるっていうしなぁ」

 俺が適当に言い返していると、梨本さんは「あなたほんとに男子高校生?」とぼやきつつ、ようやくパンツを受け取ってくれた。

 ふぅー、倫理観との壮絶な死闘だったよ。

 だって本当に貴重なお宝だから。

 転売成功が確約されてるマンションの話ですよ!

「あ、あともうひとつだけ言いたいことあるんだけど」

 パンツの制服のポケットに押し込んみながら、梨本さんが続ける。

「今回はまあ、帆乃が暴走した結果だから仕方ないけど、もしあんたのせいで帆乃を泣かすようなことがあったら」

 梨本さんはにっこりと、純真無垢な子供が浮かべるような笑みを浮かべた。

「私、あんたのこと、許さないから」

 やっっべー! ちょーこえー!

「あなたが世界初の機械人間にならないよう、せいぜい頑張ることね」
「お、おう」

 肝に銘じておこう。

 梨本さんなら本気でやりかねない。

 ただ、そうやって啖呵を切るくらい梨本さんは吉良坂さんのことを大事に思ってるってことだ。吉良坂さんも梨本さんには絶大の信頼を置いているように見える。そんな風に互いを信頼し、思いやり合う間柄の人間と出会えているなんて、すごく幸運なことだと思う。

「ってか二人が友達って、なんか意外だよな」

 ふと疑問に思ったことが、口から滑り落ちていた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

処理中です...