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新婚旅行らしくない新婚旅行3
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翌日21時羽田発のフライトで僕と陸さんはホノルルへと来た。マウイ島にある別荘でも良かったのだけど、僕が本屋さんに行きたいがためにオアフ島のコンドミニアムにして貰ったのだ。僕のわがままだ。
オアフ島と言ってもワイキキから少し離れたカハラ地区にあるので観光客もワイキキほど多くなく、比較的ゆっくりできる場所だ。
ダニエル・K・イノウエ国際空港に着くと空港にリムジンで迎えが来ていて、カハラのコンドミニアムまで連れてきてくれた。
コンドミニアムに着くと陸さんは、
「俺は俺で楽しむからお前はお前で楽しめばいい。本屋に行きたいんだろう」
「わかりました。陸さんの邪魔はしません。あの、食事はどうしますか? 昼はそれぞれ食べるとして朝食と夕食は……」
日中はそれぞれ楽しむとしても夕食くらいは一緒に食べれるだろうか。それにカハラ地区はワイキキのようにレストランが数多くあるわけではない。カハラモールにレストランはあるけれど、数はそんなにない。となるとコンドミニアムだからスーパーで食材を買って来て作るのが一番いいのだけど、陸さんは僕が作った食事を食べてくれるだろうか。
僕の提案に陸さんはしばらく考えていた。そして、
「カハラだとレストランが少ないか……」
「はい。だから食材を買って来て作ろうと思うのですが……」
「昼間に夜どうするか連絡する。一応フードコートもあるし、毎日部屋で食べるかはわからない。だからお前も好きに食べろ」
「わかりました……」
「朝はシリアルとフルーツだけでいいから作らなくていい」
やっぱり夕食もそれぞれ。朝食はシリアルだから作る必要がない。本当に一緒に来ただけであって一緒に食事すら食べられない。それが少し残念だけど仕方がない。1人でレストランはちょっと寂しいし、かといってフードコートも毎食と言うのは飽きてしまうから、夜はほとんどコンドミニアムで自炊して1人で食べることになりそうだ。それで1日でも一緒に食べられたらそれでいい。欲張りになったらダメだ。
食事のことが決まったら寝室はまた別々。寝室が1つしかなければ同室にもなるけれど、幸か不幸か2ベッドルームなので寝室はわけられる。
僕は寝室に入ると荷ほどきをする。と言ってもあまり荷物を持つのが好きではないので着替えくらいのものだ。着替えをクローゼットのハンガーにかけると本をバックに入れて出かける準備をする。カフェでコーヒーを飲んで休んでから本屋に行ってなにか面白そうな本がないか探してからフードコートでお昼を済ませてからスーパーで夕食用に食材を買って帰ってこよう。そう決めて陸さんに声をかける。
「あの、出かけてきます。それで夕食の食材を買ってこようと思うんですが、今夜はどうされますか?」
「そうだな。今日は少し疲れたし食べるよ。作って貰えるか?」
作って貰えるか。
陸さんが僕にそう言ってくれた!
そのことが嬉しくてニヤニヤしそうになるのを必死で堪える。
「はい! 和食と洋食、どちらがいいですか?」
「どっちでもいい。カハラのスーパーだと和食の食材もなかなか揃っていないだろうから」
確かにその通りだ。そうしたら今日は洋食にして、明日にでもワイキキの日系スーパーにでも買い物に行こうか。お肉や魚、野菜はカハラモールでも買えるが調味料がないと作れない。いや、陸さんが食べてくれるかはわからないけれど。
「じゃあ今日は洋食にします。和食の食材は明日にでも買ってきます」
「わかった。ああ、ちょっと待て」
出て行こうとする僕を陸さんは呼び止める。なんだろう? そう思っていると陸さんはクレジットカードとお財布を僕に渡してきた。
「これから買い物をするのにこのカードを使うといい。もちろん現金も必要だろうからこの財布にハワイに滞在中の現金としてドルを入れてある。お前が本を買ったり個人的に欲しいものがあってもこれを使え。帰国したら円を渡す」
「わかりました」
家族カードを渡されて本当に結婚したんだな、と思う。それがちょっと嬉しい。
「ありがとうございます。それじゃあ行ってきます」
そう言って僕は部屋を出た。
オアフ島と言ってもワイキキから少し離れたカハラ地区にあるので観光客もワイキキほど多くなく、比較的ゆっくりできる場所だ。
ダニエル・K・イノウエ国際空港に着くと空港にリムジンで迎えが来ていて、カハラのコンドミニアムまで連れてきてくれた。
コンドミニアムに着くと陸さんは、
「俺は俺で楽しむからお前はお前で楽しめばいい。本屋に行きたいんだろう」
「わかりました。陸さんの邪魔はしません。あの、食事はどうしますか? 昼はそれぞれ食べるとして朝食と夕食は……」
日中はそれぞれ楽しむとしても夕食くらいは一緒に食べれるだろうか。それにカハラ地区はワイキキのようにレストランが数多くあるわけではない。カハラモールにレストランはあるけれど、数はそんなにない。となるとコンドミニアムだからスーパーで食材を買って来て作るのが一番いいのだけど、陸さんは僕が作った食事を食べてくれるだろうか。
僕の提案に陸さんはしばらく考えていた。そして、
「カハラだとレストランが少ないか……」
「はい。だから食材を買って来て作ろうと思うのですが……」
「昼間に夜どうするか連絡する。一応フードコートもあるし、毎日部屋で食べるかはわからない。だからお前も好きに食べろ」
「わかりました……」
「朝はシリアルとフルーツだけでいいから作らなくていい」
やっぱり夕食もそれぞれ。朝食はシリアルだから作る必要がない。本当に一緒に来ただけであって一緒に食事すら食べられない。それが少し残念だけど仕方がない。1人でレストランはちょっと寂しいし、かといってフードコートも毎食と言うのは飽きてしまうから、夜はほとんどコンドミニアムで自炊して1人で食べることになりそうだ。それで1日でも一緒に食べられたらそれでいい。欲張りになったらダメだ。
食事のことが決まったら寝室はまた別々。寝室が1つしかなければ同室にもなるけれど、幸か不幸か2ベッドルームなので寝室はわけられる。
僕は寝室に入ると荷ほどきをする。と言ってもあまり荷物を持つのが好きではないので着替えくらいのものだ。着替えをクローゼットのハンガーにかけると本をバックに入れて出かける準備をする。カフェでコーヒーを飲んで休んでから本屋に行ってなにか面白そうな本がないか探してからフードコートでお昼を済ませてからスーパーで夕食用に食材を買って帰ってこよう。そう決めて陸さんに声をかける。
「あの、出かけてきます。それで夕食の食材を買ってこようと思うんですが、今夜はどうされますか?」
「そうだな。今日は少し疲れたし食べるよ。作って貰えるか?」
作って貰えるか。
陸さんが僕にそう言ってくれた!
そのことが嬉しくてニヤニヤしそうになるのを必死で堪える。
「はい! 和食と洋食、どちらがいいですか?」
「どっちでもいい。カハラのスーパーだと和食の食材もなかなか揃っていないだろうから」
確かにその通りだ。そうしたら今日は洋食にして、明日にでもワイキキの日系スーパーにでも買い物に行こうか。お肉や魚、野菜はカハラモールでも買えるが調味料がないと作れない。いや、陸さんが食べてくれるかはわからないけれど。
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「わかった。ああ、ちょっと待て」
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「これから買い物をするのにこのカードを使うといい。もちろん現金も必要だろうからこの財布にハワイに滞在中の現金としてドルを入れてある。お前が本を買ったり個人的に欲しいものがあってもこれを使え。帰国したら円を渡す」
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「ありがとうございます。それじゃあ行ってきます」
そう言って僕は部屋を出た。
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