96 / 106
再スタート5
しおりを挟む
陸さんと番になったことをお母さんに言った。そうしたら、お義母様にもその情報はまわって、両家で食事会をすることになった。高級料亭で。
お義母様は頬を染めて、ほんとに嬉しそうに笑い、お義父様はだから言っただろうとダンディに笑いながら言った。お母さんは、やったじゃないと言わんばかりにウインクしてくる。お父さんに至っては、めでたいと言いながら普段はほとんど飲まないお酒を飲んでいる。明日、大丈夫なのかな? まぁ4人で楽しそうに話しているから、僕と陸さんは食べることに専念する。
「箱根で食べた味に似てますね。陸さんの言う通りランクの高いところなんだ」
「だろう? あそこは高級旅館と言われているが、1日に受け入れる予約は10組であの部屋であの食事だ。サービスを考えれば決して高くない。気に入ったか?」
「はい。とても落ち着けるいい宿でした」
「なら、また行こう」
と2人で話しているとお義母様が僕たちの方を見て言った。
「今すぐにとは言わないけど、次は子供ね」
陸さんの言う通り子供のことを言われた。やっぱりそうなるか。
「しばらくは2人の生活を楽しませてくれ。そのうち孫の顔見せるから」
「待ってるわよ」
確かに陸さんも30歳過ぎてるし、僕ももうすぐ30歳だ。そうしたらそんなにゆっくりしてられないのかな? でも陸さんの言う通り、まだもう少しは2人でいたい。だって、気持ちが通じ合ったばかりなんだから。2人でデートとかしてみたいんだ。
でも、みんな僕たちが番になったことが、結婚のとき以上に喜んでいる気がする。まぁ結婚は第一歩だったからね。番になるのがゴール……でもないのか。子供かな? だけどとにかく結婚以上に喜んでくれた。
「1年半って長かったわ」
とお義母様が言う。そうなのか。多分、結婚したときは僕も陸さんも番になることがあるなんて思いもしなかった。僕に至っては離婚なんてことがあるんじゃないかとまで思ったくらいだ。それくらいの関係だったから、どれくらいかかったとかじゃなく番になったことじたいが驚きだ。
「新婚旅行は別行動だったなんて言うからどうなることかと思ったけれど、落ち着くところに落ち着いてくれて良かったわ。そうだ。来年のゴールデンウィークにでも新婚旅行のやり直しでもしてきたら?」
お義母様がそう言う。
「それもいいかもしれないな。そしたらまたオアフ島だな」
「僕、ハワイ島でもいいですよ?」
「でも、やり直しと言ったらオアフ島だろう。また本屋に行けるぞ」
陸さんは本屋というキラーワードを出してきた。それを出されたらオアフ島でって言ってしまうじゃないか。
「まぁゆっくり決めなさい」
そうだね。飛行機さえ取れればオアフ島でもハワイ島でも泊まるところはあるのだから急ぐ必要はない。
「でも、新婚旅行はやり直しができるからいいけど、結婚式のやり直しはできないからね」
とお母さんが言う。確かに式のやり直しはできないけれど、箱根の誓いの鐘で誓ってきたから大丈夫。
「箱根で誓いの鐘に行ったよ」
「誓いの鐘?」
「うん。ガラスの森美術館にあるの。きちんと鐘も鳴らしてきた」
「きちんと誓って来たので大丈夫です」
「そう。なら良かったわ」
お母さんはそこも気になっていたんだなと知った。
「結婚式は俺のせいで申し訳ありませんでした」
陸さんが謝るとお母さんは、笑顔でいいのよと笑った。
「陸くんも色々あったんだろうしいいのよ。ただ親としては、これから千景のことをよろしくお願いします」
そう言って小さく頭を下げたお母さんに陸さんが答える。
「これ以上ないっていうくらい幸せにします」
その言葉にお父さんだけでなく、お義母様とお義父様もうんうんと頷いていた。箱根の誓いの鐘でのときに、ここから始まると思ったけど、今日は再スタートだという気がした。
お義母様は頬を染めて、ほんとに嬉しそうに笑い、お義父様はだから言っただろうとダンディに笑いながら言った。お母さんは、やったじゃないと言わんばかりにウインクしてくる。お父さんに至っては、めでたいと言いながら普段はほとんど飲まないお酒を飲んでいる。明日、大丈夫なのかな? まぁ4人で楽しそうに話しているから、僕と陸さんは食べることに専念する。
「箱根で食べた味に似てますね。陸さんの言う通りランクの高いところなんだ」
「だろう? あそこは高級旅館と言われているが、1日に受け入れる予約は10組であの部屋であの食事だ。サービスを考えれば決して高くない。気に入ったか?」
「はい。とても落ち着けるいい宿でした」
「なら、また行こう」
と2人で話しているとお義母様が僕たちの方を見て言った。
「今すぐにとは言わないけど、次は子供ね」
陸さんの言う通り子供のことを言われた。やっぱりそうなるか。
「しばらくは2人の生活を楽しませてくれ。そのうち孫の顔見せるから」
「待ってるわよ」
確かに陸さんも30歳過ぎてるし、僕ももうすぐ30歳だ。そうしたらそんなにゆっくりしてられないのかな? でも陸さんの言う通り、まだもう少しは2人でいたい。だって、気持ちが通じ合ったばかりなんだから。2人でデートとかしてみたいんだ。
でも、みんな僕たちが番になったことが、結婚のとき以上に喜んでいる気がする。まぁ結婚は第一歩だったからね。番になるのがゴール……でもないのか。子供かな? だけどとにかく結婚以上に喜んでくれた。
「1年半って長かったわ」
とお義母様が言う。そうなのか。多分、結婚したときは僕も陸さんも番になることがあるなんて思いもしなかった。僕に至っては離婚なんてことがあるんじゃないかとまで思ったくらいだ。それくらいの関係だったから、どれくらいかかったとかじゃなく番になったことじたいが驚きだ。
「新婚旅行は別行動だったなんて言うからどうなることかと思ったけれど、落ち着くところに落ち着いてくれて良かったわ。そうだ。来年のゴールデンウィークにでも新婚旅行のやり直しでもしてきたら?」
お義母様がそう言う。
「それもいいかもしれないな。そしたらまたオアフ島だな」
「僕、ハワイ島でもいいですよ?」
「でも、やり直しと言ったらオアフ島だろう。また本屋に行けるぞ」
陸さんは本屋というキラーワードを出してきた。それを出されたらオアフ島でって言ってしまうじゃないか。
「まぁゆっくり決めなさい」
そうだね。飛行機さえ取れればオアフ島でもハワイ島でも泊まるところはあるのだから急ぐ必要はない。
「でも、新婚旅行はやり直しができるからいいけど、結婚式のやり直しはできないからね」
とお母さんが言う。確かに式のやり直しはできないけれど、箱根の誓いの鐘で誓ってきたから大丈夫。
「箱根で誓いの鐘に行ったよ」
「誓いの鐘?」
「うん。ガラスの森美術館にあるの。きちんと鐘も鳴らしてきた」
「きちんと誓って来たので大丈夫です」
「そう。なら良かったわ」
お母さんはそこも気になっていたんだなと知った。
「結婚式は俺のせいで申し訳ありませんでした」
陸さんが謝るとお母さんは、笑顔でいいのよと笑った。
「陸くんも色々あったんだろうしいいのよ。ただ親としては、これから千景のことをよろしくお願いします」
そう言って小さく頭を下げたお母さんに陸さんが答える。
「これ以上ないっていうくらい幸せにします」
その言葉にお父さんだけでなく、お義母様とお義父様もうんうんと頷いていた。箱根の誓いの鐘でのときに、ここから始まると思ったけど、今日は再スタートだという気がした。
61
あなたにおすすめの小説
俺の好きな人は誰にでも優しい。
u
BL
「好きなタイプは?」と聞かれて世界で一番多く答えられているのは間違いなく「優しい人」だろう。
相手の優しいところに惹かれ、気づいた時には引き返せないところまで恋に落ちている。
でも次第に気付くのだ。誰だってみんな「優しい人」ではなく「"自分だけに"優しい人」が好きなのだと。
ロランは、"誰にでも優しい男"、フィリオンに恋をしてしまい、地獄のような日々に身を焼かれていた。
そんなとある日「この恋、捨てたいな…」と溢したら「それ、捨てようとすんの、やめてくんね?オレ、あんたがアイツを見る視線に興奮すっからさ」と遊び人で有名な男、ヒューゴに言われる。
彼は、自分を好きな人間には興味がなく、別の誰かに恋い焦がれている人間の目が好きな変態らしい。
そんな身勝手な遊び人とちょくちょく話すようになってからというもの、フィリオンの様子はどんどんおかしくなっていく。
恋を捨てたい男と、恋を捨てるなと言う男と、優しさが狂い始めていく男の話。
※作者の意思ではなくキャラの意思で結末が決まります。ご要望は受け付けられませんのでどちらとくっついても美味しいと思う方のみお読みください。
※中世ヨーロッパ風学園ものです。
※短編(10万文字以内)予定ですが長くなる可能性もあります。
※完結までノンストップで毎日2話ずつ更新。
僕はあなたに捨てられる日が来ることを知っていながらそれでもあなたに恋してた
いちみやりょう
BL
▲ オメガバース の設定をお借りしている & おそらく勝手に付け足したかもしれない設定もあるかも 設定書くの難しすぎたのでオメガバース知ってる方は1話目は流し読み推奨です▲
捨てられたΩの末路は悲惨だ。
Ωはαに捨てられないように必死に生きなきゃいけない。
僕が結婚する相手には好きな人がいる。僕のことが気に食わない彼を、それでも僕は愛してる。
いつか捨てられるその日が来るまでは、そばに居てもいいですか。
泡にはならない/泡にはさせない
玲
BL
――やっと見つけた、オレの『運命』……のはずなのに秒でフラれました。――
明るくてお調子者、だけど憎めない。そんなアルファの大学生・加原 夏樹(かはらなつき)が、ふとした瞬間に嗅いだ香り。今までに経験したことのない、心の奥底をかき乱す“それ”に導かれるまま、出会ったのは——まるで人魚のようなスイマーだった。白磁の肌、滴る水、鋭く澄んだ瞳、そしてフェロモンが、理性を吹き飛ばす。出会った瞬間、確信した。
「『運命だ』!オレと『番』になってくれ!」
衝動のままに告げた愛の言葉。けれど……。
「運命論者は、間に合ってますんで。」
返ってきたのは、冷たい拒絶……。
これは、『運命』に憧れる一途なアルファと、『運命』なんて信じない冷静なオメガの、正反対なふたりが織りなす、もどかしくて、熱くて、ちょっと切ない恋のはじまり。
オメガバースという世界の中で、「個」として「愛」を選び取るための物語。
彼が彼を選ぶまで。彼が彼を認めるまで。
——『運命』が、ただの言葉ではなくなるその日まで。
流れる星、どうかお願い
ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる)
オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年
高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼
そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ
”要が幸せになりますように”
オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ
王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに!
一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので
ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが
お付き合いください!
消えない思い
樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。
高校3年生 矢野浩二 α
高校3年生 佐々木裕也 α
高校1年生 赤城要 Ω
赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。
自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。
そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。
でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。
彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。
そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる