愛のない婚約者は愛のある番になれますか?

水無瀬 蒼

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番外編6

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 翌日はのんびりする日と決めた。陸さんはサーフィンに行きたいんじゃないかと思ったけれど、本屋さんに行くことになった。先日僕が本を買いに行ったけれど、2人で10冊と少なかったので今日は2人でそれぞれの分を買うことにした。
 どれだけ本を買うんだという話しだけど、その分日本で買うのは日本人の作家さんのものだけで、翻訳ものに関しては全て原書で読むのでそれほど買うことがない。逆に日本で洋書を買うことが少なくなるので安くなる。もっとも新作が出たら洋書を買うのだけど。
 ここの本屋さんは前回の新婚旅行のときといい、何回来ているんだろう。来る度に本を抱えるほど買っている。まぁ僕の場合、本以外に買うものというのはほとんどないけれど。実際に新婚旅行のときは本の他はパンケーキミックスとサプリメントくらいしか買っていない。僕の物欲は本に向けられるだけだ。

「しかし、お前はよく本を読むな」
「唯一の趣味なんで」
「でもその趣味ゆえにオアフ島を選ぶんだからびっくりしたよ」
「ごめんなさい、わがまま言って」
「いや、そんなのはどうだっていいんだけど、面白いなと思って」

 陸さんはそう言って笑う。そりゃそうだろう、日本でもハワイでも僕が行くお店というのは本屋さんとスーパーだ。当然、スーパーは食材を買うためであって私物は本屋さんしかない。

「音楽は聴かないのか?」
「以前は音楽にハマっていた時期もあるんですけど、今は全然。陸さんは聴きますか?」
「俺は少しは聴くな」

 陸さんが音楽を聴くのは知らなかった。

「ただ、問題は最近は聴く時間がなかなかないんだよな。結婚してから夜聴いていたこともあるんだが、すぐに寝てしまって。だから自然と聴かなくなった」

 そうだろうな。夜は遅くまで仕事しているのだから子守歌にしかならないだろう。でも、本を読むならそのときにバックミュージックにするとかどうなんだろう。そう言うと陸さんは、どちらかしかできないと笑った。
 そうか。音楽を聴きながら本を読むというのは意外と難しいのか。音楽を聴きながら本を読むというのをしたことがないからわからなかった。

「今、何冊抱えてる?」

 陸さんが僕の手元を見て訊く。

「んと。6冊ですね。最近ハマった作家がいるのでその作家の過去作を買いたいんですけど……」
「俺はこんなものだからお前の分持ってやるから欲しいだけ買え」

 そんな嬉しいことを言ってくれた。今、陸さんが持っているのは4冊だからまだ持てる。それでも僕の分を持ってくれるとか優しすぎる。
 そうなんだ。最近ハマってしまった作家がいて、アメリカの作家だから買える分は買って行きたいのだ。
 僕たちは色んな話しをしながら本を選んで買った。
 結果、僕の分は13冊。陸さんの分は4冊だ。また本を買いすぎてしまった。それでも僕の唯一の趣味だから許して欲しい、と誰に言うわけでもなく思った。

 お昼はランチプレートを買って帰り、ラナイで食べる。陸さんにハワイに来てまで家事を頑張るな、と言われていて今日は全ての家事をお休みと決められた。昨日はきちんと掃除をしたからいいかな? と思うけれどちょっと落ち着かない。陸さんがいなかったら、こっそり掃除してしまっていただろう。もう掃除するのが習慣になってしまっている。なので、今日の陸さんは僕の見張りだ。
 午後はコーヒーを淹れ、2人してラナイで本を読む。そして夕方、夕食を食べに界隈にあるホテルに行った。
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