53 / 86
また会う日のために1
しおりを挟む
イジュンの日本旅行最終日は俺の部屋で将来のことを話してから、イジュンをホテルに送るついでに明治神宮へと寄った。恋愛は成就しているけれど、ずっと仲良くいられますように、と祈ってきた。
将来のことを話したけれど、将来のことは1日で決められることじゃない。でも、イジュンは少し前から起業しようかと考えてはいたらしい。就職して大学で学んだことを活かすことはまず無理だということ。かといって、大学時代必死に勉強したのに、それが全て無駄になるのは嫌だったらしい。それで、勉強したことを活かすなら起業するしかないと思ったという。職種は飲食業。韓国で飲食業で起業するとなると、チキン屋が定番らしいけど、好きな食べ物を、と考えるとクレープが浮かんだらしい。日本でクレープを食べて美味しかったのに韓国には少ないから。そして、もし、俺と一緒に起業するなら日本料理屋もいいと思ったらしい。だけど、残念なことに俺は料理が苦手だ。1人暮らしだから作ってはいるけれど、レパートリーは少ないし、簡単なものしか作れない。だから日本料理屋は無理だと答えた。そうしたら、韓国では少ないクレープ屋さんがいいかなと言っていた。クレープを選ぶあたりイジュンらしい。
イジュンに起業の話しを持ちかけられても俺はすぐに返事は出来なかった。俺は公認会計士を目指していたし、なにより、イジュンは韓国で起業することを考えているけれど、それだと俺が韓国へ行かなくてはいけない。別に海外に住むのが嫌なわけじゃない。でも、1度も韓国に行ったことがないから、韓国でやっていけるかどうかがわからない。もちろん、イジュンは隣にいてくれる。だけど、それだけで問題がないわけではないだろう。そうしたときに大丈夫なのかどうか。そして、日本で就職すると考えている両親に説明しなくてはいけない。それは簡単なことではない。だからイジュンには、保留にして貰った。イジュンが起業するのはいいと思う。韓国は母国だし。だけど俺は韓国人じゃない。日本人だ。だから簡単には決められないんだ。将来のことはじっくり考えたい。
そんな話しを部屋でしてから、あの殿堂によってお土産を買い、そして明治神宮に寄ってから上野のホテルへと送った。最後の日は長い時間一緒にいた。夜だってイジュンが泊まったから一緒に寝た。それなのに離れがたくて。一緒にいるとダメだと思った。
「明日、空港まで見送りに来てくれる?」
「……行かない」
「……そっか。わかった。じゃあ手紙書くね。とりあえず韓国に着いたらメッセージするよ」
「うん」
「おやすみ。明日海、韓国に旅行おいでね」
「うん」
「じゃあね。おやすみ」
そう言ってホテルに入っていくイジュンを見送る。昨日は、空港まで見送りに行こうと思ってた。だけど今日になって、離れがたい気持ちになったことで、行くのをやめようと思った。今だって離れるのが寂しかったんだ。空港に見送りになんて行ったら泣いてしまいそうで。そう思ったら、行くのはやめようと思った。薄情だと思われるだろうか。それでも、寂しいんだ。
一緒にいたのは数日だ。そんなに長い時間じゃない。それなのに、生活の中にイジュンがいるのが当たり前になっていた。だからこそ見送りには行けない。でも、不思議だ。確かにガイドと称して毎日会ってはいた。でも、丸一日一緒にいたのは今日だけで、あとの日は数時間だ。なのに、イジュンが俺の生活の中で欠かせない存在になっていた。イジュンといたいのなら、一緒に起業すればいいんだと思う。そうすれば離れる寂しさを感じなくてすむ。
イジュンがホテルに入り、姿が見えなくなると、俺は駅へと向かった。卒業後のことはもう少し考えよう。とりあえず、その前に冬休みに韓国へ行こう。住むのなら、どんなところなのか見ておきたいから。
イジュンと出会って数日。なのに俺の人生がひっくり返りそうなほどの出会いになった。イジュンとの出会いは運命だったんだろうか。電車の中でそんなことを考えながら家へと帰った。
将来のことを話したけれど、将来のことは1日で決められることじゃない。でも、イジュンは少し前から起業しようかと考えてはいたらしい。就職して大学で学んだことを活かすことはまず無理だということ。かといって、大学時代必死に勉強したのに、それが全て無駄になるのは嫌だったらしい。それで、勉強したことを活かすなら起業するしかないと思ったという。職種は飲食業。韓国で飲食業で起業するとなると、チキン屋が定番らしいけど、好きな食べ物を、と考えるとクレープが浮かんだらしい。日本でクレープを食べて美味しかったのに韓国には少ないから。そして、もし、俺と一緒に起業するなら日本料理屋もいいと思ったらしい。だけど、残念なことに俺は料理が苦手だ。1人暮らしだから作ってはいるけれど、レパートリーは少ないし、簡単なものしか作れない。だから日本料理屋は無理だと答えた。そうしたら、韓国では少ないクレープ屋さんがいいかなと言っていた。クレープを選ぶあたりイジュンらしい。
イジュンに起業の話しを持ちかけられても俺はすぐに返事は出来なかった。俺は公認会計士を目指していたし、なにより、イジュンは韓国で起業することを考えているけれど、それだと俺が韓国へ行かなくてはいけない。別に海外に住むのが嫌なわけじゃない。でも、1度も韓国に行ったことがないから、韓国でやっていけるかどうかがわからない。もちろん、イジュンは隣にいてくれる。だけど、それだけで問題がないわけではないだろう。そうしたときに大丈夫なのかどうか。そして、日本で就職すると考えている両親に説明しなくてはいけない。それは簡単なことではない。だからイジュンには、保留にして貰った。イジュンが起業するのはいいと思う。韓国は母国だし。だけど俺は韓国人じゃない。日本人だ。だから簡単には決められないんだ。将来のことはじっくり考えたい。
そんな話しを部屋でしてから、あの殿堂によってお土産を買い、そして明治神宮に寄ってから上野のホテルへと送った。最後の日は長い時間一緒にいた。夜だってイジュンが泊まったから一緒に寝た。それなのに離れがたくて。一緒にいるとダメだと思った。
「明日、空港まで見送りに来てくれる?」
「……行かない」
「……そっか。わかった。じゃあ手紙書くね。とりあえず韓国に着いたらメッセージするよ」
「うん」
「おやすみ。明日海、韓国に旅行おいでね」
「うん」
「じゃあね。おやすみ」
そう言ってホテルに入っていくイジュンを見送る。昨日は、空港まで見送りに行こうと思ってた。だけど今日になって、離れがたい気持ちになったことで、行くのをやめようと思った。今だって離れるのが寂しかったんだ。空港に見送りになんて行ったら泣いてしまいそうで。そう思ったら、行くのはやめようと思った。薄情だと思われるだろうか。それでも、寂しいんだ。
一緒にいたのは数日だ。そんなに長い時間じゃない。それなのに、生活の中にイジュンがいるのが当たり前になっていた。だからこそ見送りには行けない。でも、不思議だ。確かにガイドと称して毎日会ってはいた。でも、丸一日一緒にいたのは今日だけで、あとの日は数時間だ。なのに、イジュンが俺の生活の中で欠かせない存在になっていた。イジュンといたいのなら、一緒に起業すればいいんだと思う。そうすれば離れる寂しさを感じなくてすむ。
イジュンがホテルに入り、姿が見えなくなると、俺は駅へと向かった。卒業後のことはもう少し考えよう。とりあえず、その前に冬休みに韓国へ行こう。住むのなら、どんなところなのか見ておきたいから。
イジュンと出会って数日。なのに俺の人生がひっくり返りそうなほどの出会いになった。イジュンとの出会いは運命だったんだろうか。電車の中でそんなことを考えながら家へと帰った。
0
あなたにおすすめの小説
カフェ・コン・レーチェ
こうらい ゆあ
BL
小さな喫茶店 音雫には、今日も静かなオルゴール調のの曲が流れている。
背が高すぎるせいか、いつも肩をすぼめている常連の彼が来てくれるのを、僕は密かに楽しみにしていた。
苦いブラックが苦手なのに、毎日変わらずブラックを頼む彼が気になる。
今日はいつもより温度を下げてみようかな?香りだけ甘いものは苦手かな?どうすれば、喜んでくれる?
「君の淹れる珈琲が一番美味しい」
苦手なくせに、いつも僕が淹れた珈琲を褒めてくれる彼。
照れ臭そうに顔を赤ながらも褒めてくれる彼ともっと仲良くなりたい。
そんな、ささやかな想いを込めて、今日も丁寧に豆を挽く。
甘く、切なく、でも愛しくてたまらない――
珈琲の香りに包まれた、静かで優しい記憶の物語。
孤毒の解毒薬
紫月ゆえ
BL
友人なし、家族仲悪、自分の居場所に疑問を感じてる大学生が、同大学に在籍する真逆の陽キャ学生に出会い、彼の止まっていた時が動き始める―。
中学時代の出来事から人に心を閉ざしてしまい、常に一線をひくようになってしまった西条雪。そんな彼に話しかけてきたのは、いつも周りに人がいる人気者のような、いわゆる陽キャだ。雪とは一生交わることのない人だと思っていたが、彼はどこか違うような…。
不思議にももっと話してみたいと、あわよくば友達になってみたいと思うようになるのだが―。
【登場人物】
西条雪:ぼっち学生。人と関わることに抵抗を抱いている。無自覚だが、容姿はかなり整っている。
白銀奏斗:勉学、容姿、人望を兼ね備えた人気者。柔らかく穏やかな雰囲気をまとう。
雪を溶かすように
春野ひつじ
BL
人間と獣人の争いが終わった。
和平の条件で人間の国へ人質としていった獣人国の第八王子、薫(ゆき)。そして、薫を助けた人間国の第一王子、悠(はる)。二人の距離は次第に近づいていくが、実は薫が人間国に行くことになったのには理由があった……。
溺愛・甘々です。
*物語の進み方がゆっくりです。エブリスタにも掲載しています
悋気応変!
七賀ごふん
BL
激務のイベント会社に勤める弦美(つるみ)は、他人の“焼きもち”を感じ取ると反射的に号泣してしまう。
厄介な体質に苦しんできたものの、感情を表に出さないクールな幼なじみ、友悠(ともひさ)の存在にいつも救われていたが…。
──────────
クール&独占欲強め×前向き&不幸体質。
◇BLove様 主催コンテスト 猫野まりこ先生賞受賞作。
◇プロローグ漫画も公開中です。
表紙:七賀ごふん
Candy pop〜Bitter&Sweet
義井 映日
BL
「完璧な先輩」が壊れるまで、カウントはもう、とっくに『0』を過ぎていた。
「185cmの看板男」が、たった一人の恋人の前で理性を失う。
三ヶ月の禁欲を経て、その愛は甘く、激しく、暴走する――。
「あらすじ」
大学の「看板男」こと安達大介は、後輩の一之瀬功(こう)を溺愛している。
ついに迎えた初めての夜。しかし、安達の圧倒的な「雄」の迫力に、功は本能的な恐怖で逃げ出してしまう。
「――お前は俺を狂わせる毒だと思ってた」
絶望した安達と、愛しているのに身体が竦む功。
三ヶ月の「じれったい禁欲生活」を経て、看板男の仮面が剥がれるとき、世界で一番甘い夜が始まる。
★本編全6話に加え、季節を巡る濃密な番外編1本も公開中!近日最新エピソードも追加予定!
(2月の看病編/3月のホワイトデー編公開予定です)
お話が気に入った、面白かった、と思ってくださったら、お気に入り登録、いいね、をお願い致します!
作者の励みになります!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる