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未来を探す歩幅2
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ノニョン洞を見たあとはタクシーでカロスキルへと向かった。江南の中心地に近づくにつれて、街の雰囲気が洗練されていく。窓の外にはブランドの旗艦店や、外観からしておしゃれなカフェが並び、道行く人々もモデルのように背が高くスッとした若者や、流行に敏感そうな女性が目につく。
「すごい。雰囲気が全然違う」
思わず口にすると、隣でイジュンが笑った。
「ここは韓国の”映え”スポットだからね。観光客も多いし、地元の若者もよく集まる」
タクシーを降り、並木道を歩く。カロスキルはカロス(街路樹)キル(道)という名の通り、通りに植えられた銀杏の並木が印象的で、その下を歩くだけで気持ちが高鳴る。通り沿いにはガラス張りのブティックや、白壁にセンス良く看板を掲げたカフェが立ち並び、店の前で写真を撮っているカップルや観光客の姿もチラホラ見える。
「ここにクレープ屋を出したら、お洒落な店が多いから、見栄えのいいスイーツは相性が良さそう」
俺がそう言うとイジュンは頷きながら言う。
「そうだね。でも、競争もすごく激しいと思う。ここは賃料も高いし、成功する店は一握り。でも、その分人気が出れば一気に注目される。だから2号店、3号店とかで勝負をかけるのがいいかも」
イジュンの言う通り、通りを歩くだけでもカフェやスイーツショップの看板は数え切れないほどある。そのどれもが独自のコンセプトや映える工夫を凝らしていて、簡単に真似できるようなものではなかった。
「でもね、クレープってここでも見かけないんだ。パンケーキやワッフルは多いけど、歩きながら食べられるクレープはない。だから、差別化できるかもしれない」
そう言われて俺は周囲を見渡した。クレープを食べている人はいない。カフェのテラス席では若い女性グループが写真を撮りあいながらケーキを分け合い、ショーウィンドウの前ではカップルが新しいスイーツを覗き込んでいた。どの光景もスイーツを楽しんでいるのがわかる。だけど確かにそこにクレープの姿はない。
「そうだね。ここに店を出したらSNSに上げて貰える。でも、同時に、すぐに飽きられない工夫も必要だな」
「そこはマーケティングだよ。俺と明日海の勉強の成果が活かせる。でも、味と見せ方は明日海の方が上手いと思う。だって日本でクレープ食べて来てるんだから」
その言葉に、胸の奥がじんわりと温かくなる。ここでこうして未来の話しをしている自分たちが少し不思議だ。通りをさらに歩いて行くと、一本奥に入った路地は大通りよりも落ち着いていて、隠れ家のような雰囲気の店が並んでいた。観光客向けというより、地元の人が足を運びそうな空気がある。
「もし店を出すなら、こういう通りの方がいいかもしれないな」
「うん。表通りは華やかな分賃料がとんでもないからね。こういう少し奥まった場所の方が賃料も若干は安いし、クレープの香りで人を呼び込めそうな気はする」
俺たちは立ち止まって、路地の空気を胸いっぱいに吸い込んだ。昼下がりの光が建物の隙間から差し込み、歩道に柔らかい影を落としている。ここで店を開き、若者や旅行客が笑顔でクレープを頬張る姿を想像してみる。それは決して遠い夢ではないように感じた。
「……なんかいけそうな気がしてきた」
俺が小さな声でそう言うと、イジュンが横で微笑んだ。
「俺も同じ気持ちだよ。すぐにここに出店はできないけど、でも必ずここに来れるよ」
イジュンがそう言ってくれることが、とても頼もしく感じた。
再び歩き出しながら俺たちはまた未来の話しに夢中になった。どんなメニューを作るか、どんな店構えにするか。まだまだなにも決まっていないけど、2人であれこれ考えるその時間が、なによりも大切に思えた。
「すごい。雰囲気が全然違う」
思わず口にすると、隣でイジュンが笑った。
「ここは韓国の”映え”スポットだからね。観光客も多いし、地元の若者もよく集まる」
タクシーを降り、並木道を歩く。カロスキルはカロス(街路樹)キル(道)という名の通り、通りに植えられた銀杏の並木が印象的で、その下を歩くだけで気持ちが高鳴る。通り沿いにはガラス張りのブティックや、白壁にセンス良く看板を掲げたカフェが立ち並び、店の前で写真を撮っているカップルや観光客の姿もチラホラ見える。
「ここにクレープ屋を出したら、お洒落な店が多いから、見栄えのいいスイーツは相性が良さそう」
俺がそう言うとイジュンは頷きながら言う。
「そうだね。でも、競争もすごく激しいと思う。ここは賃料も高いし、成功する店は一握り。でも、その分人気が出れば一気に注目される。だから2号店、3号店とかで勝負をかけるのがいいかも」
イジュンの言う通り、通りを歩くだけでもカフェやスイーツショップの看板は数え切れないほどある。そのどれもが独自のコンセプトや映える工夫を凝らしていて、簡単に真似できるようなものではなかった。
「でもね、クレープってここでも見かけないんだ。パンケーキやワッフルは多いけど、歩きながら食べられるクレープはない。だから、差別化できるかもしれない」
そう言われて俺は周囲を見渡した。クレープを食べている人はいない。カフェのテラス席では若い女性グループが写真を撮りあいながらケーキを分け合い、ショーウィンドウの前ではカップルが新しいスイーツを覗き込んでいた。どの光景もスイーツを楽しんでいるのがわかる。だけど確かにそこにクレープの姿はない。
「そうだね。ここに店を出したらSNSに上げて貰える。でも、同時に、すぐに飽きられない工夫も必要だな」
「そこはマーケティングだよ。俺と明日海の勉強の成果が活かせる。でも、味と見せ方は明日海の方が上手いと思う。だって日本でクレープ食べて来てるんだから」
その言葉に、胸の奥がじんわりと温かくなる。ここでこうして未来の話しをしている自分たちが少し不思議だ。通りをさらに歩いて行くと、一本奥に入った路地は大通りよりも落ち着いていて、隠れ家のような雰囲気の店が並んでいた。観光客向けというより、地元の人が足を運びそうな空気がある。
「もし店を出すなら、こういう通りの方がいいかもしれないな」
「うん。表通りは華やかな分賃料がとんでもないからね。こういう少し奥まった場所の方が賃料も若干は安いし、クレープの香りで人を呼び込めそうな気はする」
俺たちは立ち止まって、路地の空気を胸いっぱいに吸い込んだ。昼下がりの光が建物の隙間から差し込み、歩道に柔らかい影を落としている。ここで店を開き、若者や旅行客が笑顔でクレープを頬張る姿を想像してみる。それは決して遠い夢ではないように感じた。
「……なんかいけそうな気がしてきた」
俺が小さな声でそう言うと、イジュンが横で微笑んだ。
「俺も同じ気持ちだよ。すぐにここに出店はできないけど、でも必ずここに来れるよ」
イジュンがそう言ってくれることが、とても頼もしく感じた。
再び歩き出しながら俺たちはまた未来の話しに夢中になった。どんなメニューを作るか、どんな店構えにするか。まだまだなにも決まっていないけど、2人であれこれ考えるその時間が、なによりも大切に思えた。
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